この記事はGitHub Copilotと一緒に書きました。
はじめに
私は普段コードを書く仕事をしていません。IT系の業務に携わっていますが、いわゆる「開発者」ではない立場です。そんな私ですが、GitHub Copilot を日常的に使っています。ブログの執筆や資料の整理など、コードを書かない作業でも Copilot には随分お世話になっています。GitHub Copilotの概念整理については別記事(【GitHub Copilot】触って2か月、非開発者の私が理解できたこと)でまとめていますので、よければそちらもご覧ください。
業務では M365 Copilot(Microsoft 365 Copilot)を使う機会が多いです。使っていてしばらくして気づいたのですが、GitHub Copilot で身についた「AIとの付き合い方」が、M365 Copilot でもそのまま活きていると思いました。ツールはまったく違うのに、根っこの考え方は同じだった——今回はその気づきを共有してみようと思います。
この記事は M365 Copilot の有償版ライセンス(Microsoft 365 Copilot ライセンス)を前提とした内容です。無償の Copilot Chat とは利用できる機能が異なりますのでご注意ください。有償版と無償版の違いについては Microsoft の公式ドキュメント をご参照ください。
この記事は「M365 Copilot を使い始めたけどいまいちうまく使いこなせない」という方や、「GitHub Copilot との共通点ってあるの?」と気になっている方に向けて書いています。この記事では、①モデルを使い分ける ②まず相談する ③ツールを活用する ④まず試す——という4つの共通点を紹介します。
この記事は私自身の経験をもとにまとめたものです。誤りや「こう考えるともっとわかりやすいよ」という点があれば、コメントで教えていただけると嬉しいです。
モデルを使い分ける——M365 Copilot最大の武器
前提知識: M365 Copilot での「モデル」とは
ここで少し前提知識の話をさせてください。
M365 Copilot の裏側では、AI モデル(LLM: 大規模言語モデル)が動いています。LLM とは、大量のテキストデータを学習して、人間の言葉を理解したり生成したりできる AI のことです。ChatGPT の裏側で動いているのも LLM です。
このモデルにはそれぞれ得意・不得意があり、どのモデルを使うかで出力の質が変わります。料理に例えると、同じレシピ(プロンプト)でも、使う道具(モデル)が変われば仕上がりが変わる、というイメージです。
最近の M365 Copilot では、ユーザーが手動でモデルを切り替えられるようになりました。これが非常に大きな変化で、私は M365 Copilot 活用の最重要ポイントのひとつだと思っています。
二大巨頭: Claude Opus 4.6 と GPT 5.4 Think Deeper
2026年4月時点で、M365 Copilot で選べる主要なモデルは以下の2つです(モデルの選択肢は今後変わる可能性があります)。
- Claude Opus 4.6: Anthropic 社が開発したモデル。複雑な分析や文章生成に強い
- GPT 5.4 Think Deeper: OpenAI 社が開発したモデル。汎用的で幅広いタスクに対応
使い分けのポイント
ここが一番お伝えしたいところです。
- 通常の M365 Copilot(Outlook、Teams 等)では GPT 5.4 Think Deeper を選択できる
-
Excel Copilot では Claude Opus 4.6 が使える
筆者が2026年4月時点で確認した範囲です。他のアプリでの対応状況は変わる可能性があります
この「Excel で Opus 4.6 が使える」というのがポイントです。
実践テクニック: 何でもいったん Excel に吐き出す
私が最近よくやっているのは、あらゆる作業をいったん Excel に吐き出してから、Excel 上で Opus 4.6 を活用するという方法です。
たとえば、分析結果を整理したいとき、文章を推敲したいとき。まず Excel にデータを入れて、Copilot のモデルを Opus 4.6 に切り替えて処理させる。これだけで出力の品質が格段に上がります。
「Excel は表計算ソフトでしょ?」と思われるかもしれませんが、M365 Copilot 時代の Excel は「Opus 4.6 を呼び出すための入口」としても機能します。Excel に申し訳ない使い方をしている気もしますが、結果が良いのでよしとしています。
Excel を起動した直後は、Opus 4.6 がモデル一覧に表示されないことがあります。少し待つと選択肢に出てきますので、焦らず待ってみてください。
GitHub Copilot でもモデルを選択できますが、M365 Copilot でのモデル選択は「どのアプリで使うか」によって選べるモデルが変わるという特徴があります。この仕組みを知っているかどうかで、活用度がまったく違ってきます。
M365 Copilotのプロンプトコーチ——「まず相談、それから実行」
GitHub Copilot での「まず相談」
GitHub Copilot を使っていて身についた習慣があります。それは「いきなり作らせない。まず方針を固める」ということです。
GitHub Copilot には Plan mode と Agent mode という2つのモードがあります。
- Plan mode: Copilot にまず計画や方針を相談するモード。ファイルの編集はせず、「どうやって進めるか」を一緒に考えてくれる
- Agent mode: Copilot がファイルの編集やコマンドの実行まで自律的にやってくれるモード
この2つを使い分けるのが鉄板の流れです。まず Plan mode で「こういうことをやりたいんだけど、どう進めるのがいい?」と相談して、方針が固まってから Agent mode で実行に移します。
M365 Copilot のプロンプトコーチ
M365 Copilot にも、この「まず相談」に相当する機能があります。それがプロンプトコーチです。
プロンプトコーチとは、M365 Copilot に搭載されている機能で、プロンプト(AIへの指示文)の書き方をアドバイスしてくれるものです。たとえば「こういうことがしたいんだけど」とざっくり相談すると、「こう聞いたほうが効果的ですよ」とより良いプロンプトを提案してくれます。
使い方はシンプルで、いきなり指示を投げるのではなく、まずプロンプトコーチに相談してプロンプトを練る。そのプロンプトを使って実行する。これだけです。
GitHub Copilot の Plan mode → Agent mode と完全に同じ仕組みではありませんが、「いきなり投げない。まず方針を固める」というマインドは共通しています。
| 考え方 | GitHub Copilot | M365 Copilot |
|---|---|---|
| 相談フェーズ | Plan mode | プロンプトコーチ |
| 実行フェーズ | Agent mode | 提案されたプロンプトで実行 |
| 共通する姿勢 | 「いきなり作らせない。まず方針を固める」 | 同左 |
私の体感では、この「まず相談」のステップを入れるかどうかで、出力の質がかなり変わります。面倒に感じるかもしれませんが、結果的には近道です。
M365 Copilotのツール連携——最初から揃っている強み
GitHub Copilot は自分でツールを繋ぐ
GitHub Copilot でできることの幅を広げたいとき、MCP という仕組みを使います。
MCP(Model Context Protocol)とは、AI が外部のツールやデータソースと接続するための仕組みです。たとえばファイルシステムやデータベース、外部 API などと連携できるようになります。イメージとしては「Copilot の手が届く範囲を広げるための接続口」のようなものです。
便利ではあるんですが、自分で MCP サーバーを追加・設定する必要があるので、少しハードルがあります。
M365 Copilot は最初からつながっている
一方、M365 Copilot はこのツール連携の部分で大きく異なります。手動でツールを追加する必要がないんです。
なぜなら、M365 Copilot は最初から M365 の基盤——Outlook、Teams、SharePoint、OneDrive など——へのアクセス権を持っているからです。有償版では Work タブ を使うことで、これらの情報を Copilot のコンテキスト(参照情報)として活用できます。
Work タブとは、M365 Copilot の画面で切り替えられるタブのことです。このタブを使うと、自分の M365 環境(メール、チャット、ファイルなど)の情報を参照して回答してくれるモードになります。GitHub Copilot でいう MCP を使って外部データソースをつなぐ作業が、M365 Copilot では最初から終わっている、というイメージです。
Outlook での活用例
たとえば Outlook との連携では、こんな使い方ができます。
モデルを「GPT 5.4 Think Deeper」に手動で切り替えてから、「来週○○さんと1on1を入れたいんだけど、お互いの空いている時間で調整して」と依頼する。すると Copilot がカレンダーの空きを見て、予定を入れてくれます。
便利ではありますが、既存の予定とバッティングすることもあります。Copilot が提案してくれた日時は必ず自分の目で確認してから確定するようにしてください。
この予定調整の精度については、今後 Copilot Cowork という新機能が展開されれば、さらに向上することが期待されています。Copilot Cowork とは、Microsoft が発表した機能で、Copilot がより主体的にタスクを実行してくれるようになるものです。現時点では展開中・プレビュー段階ですが、楽しみにしています。
Teams での活用例
Teams での活用については、別の記事を書いていますのでそちらをぜひご覧ください。チャットするだけで進捗管理ができた話を書いています。
👉 【M365 Copilot】Teamsでチャットするだけで進捗管理ができた話
対比で整理
| 考え方 | GitHub Copilot | M365 Copilot |
|---|---|---|
| ツール連携の仕組み | MCP / API(手動で追加・設定) | Work タブ(M365基盤に最初からアクセス) |
| 拡張性 | 自由(MCP サーバーを自分で追加可能) | 限定的(M365基盤の範囲) |
| 強み | カスタマイズ性が高い | 設定不要ですぐ使える |
どちらが優れているという話ではなく、「ツールの力を借りて AI の守備範囲を広げる」という考え方は同じです。そのやり方が、自分で接続口を増やすか、最初から用意されているかの違いですね。
AI-first という考え方——GitHub Copilot でも M365 Copilot でも同じ
まず AI に聞いてみる
GitHub Copilot を使い続けて自然と身についた習慣があります。それは「まず AI に聞いてみる」ということです。
何か作業をするとき、最初に自分の頭だけで考え始めるのではなく、まず Copilot に「こういうことをしたいんだけど」と相談してみる。この習慣が、M365 の作業でもそのまま適用できることに気づきました。
メールを書くとき、資料を作るとき、予定を調整するとき、データを整理するとき——まず Copilot に頼んでみる。うまくいったらそのまま使う。ダメだったら「ダメだったな」と判断して、自分でやる。
このサイクルの繰り返しが大事なんだと感じています。
「ダメだった」にも価値がある
「Copilot に頼んでダメだったら時間の無駄じゃない?」と思うかもしれません。でも、「ダメだった」という情報には実はかなり価値があります。
何回か試していると、できること/できないことの境界線が見えてきます。すると、次に似た作業をするときに「これは Copilot に任せられる」「これは自分でやったほうが早い」という判断がどんどん速くなっていきます。
この試行錯誤の蓄積は、GitHub Copilot でも M365 Copilot でも同じです。ツールが変わっても、「試す → 判定する → 次に活かす」というサイクルを回し続けることが、AI との付き合い方の核になるのだと思います。
最初のうちは「Copilot にお願いしたけどいまいちだった」ということが多いかもしれません。でも、それは AI が使えないということではなく、お互いの得意・不得意を探り合っている段階と考えることもできます。また、そのうち”モデル”や"Copilot"が進化したらいつの間にかできることが増えていることがあります。前にダメだった機能も、少し時間が経ったら再度試してみてください。
最後に
ここまでの内容を、対比表でまとめてみます。
| AIとの付き合い方 | GitHub Copilot | M365 Copilot |
|---|---|---|
| まず相談してから実行 | Plan mode → Agent mode | プロンプトコーチ → 実行 |
| ツールを活用する | MCP / API で外部連携 | Work タブ(Outlook, Teams 等) |
| モデルを使い分ける | モデル選択 | GPT 5.4 TD + Excel で Opus 4.6 |
| 共通する姿勢 | AI-first | AI-first |
GitHub Copilot と M365 Copilot。名前は似ていますが、対象もインターフェースもまったく違うツールです。でも、使い続けて見えてきたのは、「AIとの付き合い方の本質は同じ」ということでした。
まず相談する。ツールの力を借りる。モデルを選ぶ。そして、まず試してみる。
この記事は M365 Copilot の有償版ライセンスが前提の内容ですので、導入を検討されている方の参考になれば嬉しいです。また、すでに使っている方で「自分はこう使ってるよ」という知見があれば、ぜひコメントで教えてください。
誤っている点や「こう考えるとわかりやすいよ」という補足があれば、優しく教えていただけると嬉しいです。
