はじめに
AVDの構築・運用時に遭遇したエラー対応を踏まえて、知識を整理するため記事にしようと思いました。
Azure Virtual Desktopとは
Azure Virtual Desktop(AVD)は、Microsoftが提供する仮想デスクトップサービスです。
認証を行い、接続ボタンを押すことで仮想デスクトップにアクセスが可能です。
Sysprepとは
Sysprep(System Preparation Tool)は、Windows OSを汎用化するためのツールです。
AVDのマルチセッション環境にて、マスターイメージ作成のために使用します。
SID(セキュリティ識別子)の重複やその他固有情報を初期化することで、複数のセッションホストを安全に作成することができるようになります。
SID(Security Identifier)とはWindowsでユーザーやグループを一意に識別するための番号です。詳しくはLearnをご確認ください。
Sysprepをしないとどうなるか
Sysprepを実行すれば問題ありませんが、実行しないとSIDが重複してしまいます。
SIDが重複するとKerberosやNTLM認証でエラーが発生します。
ある日、セキュリティ強化の一環としてアップデートが行われたのですがそれ以降はこのエラーが発生するようになりました。もともとSIDの重複は非推奨でしたが、該当アップデートで禁止された形です。
詳しくはこちら
対象OS
- Windows 11、バージョン 24H2
- Windows 11、バージョン 25H2
- Windows Server 2025
Sysprep時のエラー
Sysprepを実行する方法は以下が参考になります。(9番~)
実行時さまざまなエラーに直面することがあります。
さまざまなエラーが発生することがあります。
例えばBitLockerや一部のユーザーに導入されたストアアプリが干渉していることがあります。
原因調査には「setuperr.log」を確認するとよいです。※管理者権限が必要です。
System32\Sysprep\Panther\setupact.log
エラー毎の詳しい対応策は以下のブログが参考になります。
FSLogix
FSLogixとはプロファイル管理ソリューションで、仮想デスクトップ(VDI)やAzure Virtual Desktop環境でユーザープロファイルを効率的に扱うためのツールです。プロファイルをVHD(X)形式でコンテナ化し、ログイン時に高速マウントすることで起動時間短縮や一貫したユーザー環境を実現します。
詳しくはこちら
既知の問題
Learn 既知の問題に既に分かっている問題が列挙されているので確認することで、解決策が見つかる可能性があります。
影響を受けるFSLogixのバージョンが記載されているので、現在のバージョンと見比べます。
VHDファイルがマウントされない場合の対処法
ほぼこちらの記事の通りです。
AVDがこれまで正常に動作していたとしても、ある日マウントされないことがあります。
その場合はまず以下を確認します。
-
別のホストプールで同一ユーザーのアクティブなセッションが存在しているか確認する
既に他のセッションホストでプロファイル使用中の場合はエラーが発生します。 -
サインアウト後もVHDファイルが残っている
この場合は再起動すると回復します。
また、サインアウト後もVHDファイルが残るのはFSLogixのバージョンを確認してください。
古い可能性があります。
その他アプリが邪魔をしてしまってVHDファイルのマウント失敗が起きる可能性があります。
また、セキュリティソフト等が原因の可能性もあります。その場合はスキャン対象から外すように設定する必要が出てきます。
FSLogixのバージョン確認
FSLogixリリースノートにて現在リリースされているバージョンの確認が可能です。
また、Dai@茶ぼうずさんがアップデート内容を確認して以下に更新してくださっています。
バージョンアップしておいたほうがいい理由
例えば先ほどあった「サインアウト後もVHDファイルが残る」原因になりそうなアップデートがあったか確認します。
FSLogix 25.04では修正された問題にこう書いています。
FSLogix コンテナーはデタッチせず、ユーザーが新しいセッションにサインインできないようにします。
バージョンについてはLearnに記載されている通り、手動アップデートするしかないため都度確認する必要があります。
また、早期アクセス(事前に新しいバージョンを検証)したい場合は以下に参加する必要があります。
Microsoft Management Customer Connection Program
イベントログ・エラーコード確認
- Learn ログ確認方法を参照しながらイベントログ等を確認
- Learn エラーコード一覧よりエラー内容を確認
FSLogix Support Toolの活用
FSLogixにはサポートツールというものがあります。
FSLogix関連のログを採取できます。
詳しくは以下をご覧ください。
サポートへ問い合わせる際は、このツールでログを採取しておくとスムーズかもしれません。
最後に
FSLogix/Sysprepについて、遭遇したエラーを元に情報整理してみました。
何か誤り等があれば是非コメントいただけますと幸いです。


