Docker経験者向け・Kubernetesロードマップ
注意
本記事の内容は個人的な勉強・備忘録を目的としており、勤務先や関係者とは一切関係ありません。
この記事の想定読者
Docker で本番運用をしたことがあるエンジニア
K8s を「触り始めたが全体像がつかめない」「プロダクション運用の引き出しを増やしたい」という方
1. 全体像 ――“作って壊して”で手を動かす
『つくって、壊して、直して学ぶ Kubernetes入門』
ここで学ぶこと
学習テーマ | 具体的なアウトプット例 |
---|---|
Pod/Deployment/Service の最小構成 | kind クラスタ+Nginx Deployment |
kubectl とログ・リソース確認の癖づけ |
kubectl describe /logs /exec
|
OOM・CrashLoopBackOff 等の再現と対処 | メモリ制限をして意図的に OOM |
進め方のコツ
- 横着せず、ハンズオンを行う
- 公式ドキュメントを読んで、セクションのわからないところを学習する習慣作り
2. 基礎固め ――リソース定義を網羅的に理解
『Kubernetes完全ガイド 第2版』
- Controller:ReplicaSet / Deployment / StatefulSet の「違いと使い分け」を整理
- Storage:PVC+CSI の流れを理解し、クラウドEBSに接続する演習
3. ネットワーク ――パケットの流れを追いかける
『Docker & Kubernetes ネットワークのしくみ』
CNI / kube‑proxy / Service‑IP 生成アルゴリズムなど通信経路を図と tcpdump で追跡することで流れを理解する
この本で得る視点
- Pod ↔ Pod:同ノード⇄跨ノードでフローがどう変わるか
- Service ↔ 外部:iptablesに対する理解
- Cilium・Calico など CNI ごとの eBPF/ルーティング差分
4. マインドマップ ――知識を俯瞰して整理
『Kubernetesの知識地図 ――現場での基礎から本番運用まで』
概念図+チェックリストで「どこがわかった/まだ弱い」を可視化できる構成
今まで習った内容を復習しながら、便利なツールを探す
5. メトリクス ――Prometheus で「数値化」する
『Prometheus実践ガイド』
導入~PromQL・Alertmanager、さらには Thanos / Cortex 連携まで説明あり。
- ServiceMonitor / PodMonitor を使った label‑based な auto‑discovery
- 長期保存:EBS→S3 へ remote‑write する構成でストレージ運用コストを抑制
6. 可観測性 ――ログ・トレースまで統合
『Logs and Telemetry ―Using Fluent Bit, Kubernetes, streaming and more』
軽量エージェント Fluent Bit を軸に ログ/メトリクス/トレースの 3 本柱 を単一パイプライン化
学ぶこと | K8s 設定例 |
---|---|
Fluent Bit DaemonSet 展開 | values.admissionControl.create=true |
OpenTelemetry 連携 |
otel-collector を sidecar で注入 |
ルーティング & フィルタリング | マルチラインログを json 化 |
まとめ
- 壊して学ぶハンズオンで「触れる怖さ」を払拭
- 完全ガイド×ネットワークでリソース・パケットを両面理解
- 知識地図で俯瞰し、弱点をピンポイント補強
- Prometheus→Fluent Bitで Observability まで押さえ、実運用に耐えるスキルセットが完成
個人的にも、運用担当者としてここまでの学習は行いたいところです。今後とも頑張っていきます。