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■ はじめに

Autonomous AI Database Serverless 26ai、Oracle Data Science Agent がGA(General Available)になりました。

Data Science Agent は、Oracle Autonomous AI Database Serverless 26ai で利用できる、会話型のデータサイエンス支援機能です。

つまり、
データベースの中にあるデータに対して、チャットしながらデータ確認・前処理・特徴量作成・モデル学習・評価・推論SQL生成まで進められる機能
とまとめられます。

通常、データ分析や機械学習を始めようとすると、

  • どのデータを使うか確認する
  • 欠損値や分布を確認する
  • 前処理をする
  • 特徴量を考える
  • モデルを作る
  • 評価する
  • 推論結果を業務やアプリに組み込む

といった工程があります。

これらを進めるために、データベース、ノートブック、Python環境、可視化ツール、アプリケーション実装など、複数の環境を行き来することも多いと思います。

一方、Data Science Agent では、こうした流れを Oracle Autonomous AI Database の中にデータを置いたまま、自然言語の会話形式で進められます。

本記事では、Oracle 公式ブログとドキュメントをもとに、Data Science Agent とは何か何が嬉しいのかどんなことができるのか を整理します。

※ 本記事は 2026/7/7 時点で公開されている情報をもとに記載しています。
※ 公式情報をもとにした概要整理です。

■ この記事で分かること

  • Data Science Agent とは何か
  • どのようなデータ分析・機械学習タスクを支援できるのか
  • 「データベース内で機械学習する」ことのメリット
  • Conversation Objects Catalog や AI Profile の位置づけ
  • 利用開始にあたって必要なもの
  • どんな場面で使えそうか

■ Data Science Agentとは?

Data Science Agent は、Oracle Machine Learning(OML)UI に統合された、会話型のデータサイエンス支援エージェントです。

ユーザーはチャット形式で指示を出し、Data Science Agent はその内容に応じて、データ分析や機械学習の一連の作業を支援します。

たとえば、次のようなことを自然言語で依頼できます。

  • 関連するデータを探す
  • テーブルの中身を確認する
  • 欠損値や分布を確認する
  • 変数同士の関係を見る
  • 予測に使えそうな特徴量を探す
  • 特徴量を作る
  • 分類モデルや回帰モデルを学習する
  • モデルを評価する
  • 推論・スコアリング用のSQLを生成する
  • 予測確率の高い候補をランキングする

ポイントは、単なる「質問に答えるチャットボット」ではなく、Oracle Machine Learning と連携して、データベース内の実データに対する処理を進められる ところです。

Data Science Agent を使うには、利用するLLMをユーザー側で設定します。
LLM は OCI Generative AI、サードパーティAIプロバイダー、またはプライベートにホストしたモデルを利用できます。

■ ざっくり全体像

Data Science Agent の位置づけをざっくり整理すると、次のようなイメージです。

項目 内容
利用場所 Oracle Machine Learning UI
対象DB Oracle Autonomous AI Database Serverless 26ai
操作方法 チャット形式の自然言語
主な用途 データ探索、プロファイリング、前処理、特徴量作成、モデル学習、評価、推論
実行場所 データベース内
LLM ユーザーがAI Profileとして設定
裏側の仕組み Select AI Agent framework、Oracle Select AI、モジュール化されたツール群など

一言でまとめるなら、
「Oracle Database の中で動く、会話型の機械学習ワークフロー支援機能」
という理解が近そうです。

■ Data Science Agentでできること

Data Science Agent では、Oracle Machine Learning UI 上のチャット形式で、データ分析や機械学習に関する作業を自然言語で進められます。

主な機能は次のとおりです。

  • データの探索・確認
  • データのプロファイリング
  • 欠損や分布の確認
  • データ準備・変換
  • 相関や変数間の関係分析
  • 特徴量選択・特徴量エンジニアリング
  • 分類・回帰・クラスタリング・異常検知モデルの学習
  • モデル評価・比較
  • 推論・スコアリング
  • 推論用SQLの生成

Data Science Agent は、Oracle Machine Learning の in-database 機械学習機能を利用します。
そのため、データを外部環境へ移動せず、Autonomous AI Database 内で機械学習ワークフローを実行できる点が特徴です。

また、会話の文脈を保持するため、たとえばデータをプロファイリングした後に、その同じデータを使って特徴量作成、モデル学習、評価、推論SQL生成へ進めることができます。

■ 対応する機械学習タスク

Data Science Agent が対応する機械学習タスクとして、次が挙げられています。

  • Classification
  • Regression
  • Clustering
  • Anomaly Detection

また、サポートされるアルゴリズムとして、次の例が紹介されています。

  • XGBoost
  • Random Forest
  • Decision Tree
  • Neural Network
  • Naive Bayes
  • SVM
  • GLM
  • K-Means
  • Expectation Maximization
  • O-Cluster

モデル学習だけでなく、評価指標や結果の説明、複数モデルの比較にも対応します。

■ Conversation Objects Catalog

Data Science Agent では、会話で扱うデータベース・オブジェクトを Conversation Objects Catalog に関連付けられます。

対象となるオブジェクトは次の3種類です。

  • Tables
  • Views
  • Mining models

テーブルやビュー、OMLモデルを会話に関連付けることで、エージェントがそれらを直接検査、分析、変換、モデリングに利用できます。

なお、オブジェクトを関連付けていない場合でも、ユーザーの権限範囲内で、プロンプトに基づいて関連するオブジェクトを自動的に探索できます。

■ どんな仕組みで動くのか

Data Science Agent は、Oracle Select AI Agent framework を使ってオーケストレーションされます。

公式ブログでは、裏側の構成として次の要素が紹介されています。

  • Oracle Select AI Agent framework
  • プロファイリング、データ準備、モデル学習などを行うモジュール化されたツール
  • プロンプトライブラリ
  • UI表示用のレスポンススキーマ
  • Oracle Select AI によるSQL生成

ユーザーから見るとチャットUIですが、内部では各種ツールを使って、会話内容をデータベース内で実行可能な処理に変換している、という位置づけです。

■ 利用例

公式ブログでは、銀行の定期預金キャンペーンを例にした流れが紹介されています。

流れとしては、次のようなものです。

  1. 定期預金キャンペーンに関係するデータを探す
  2. 顧客属性、過去のキャンペーン結果、連絡履歴などを確認する
  3. データをプロファイリングする
  4. 分類モデルを作成する
  5. モデルを評価する
  6. 定期預金に申し込みそうな見込み顧客を予測確率順に表示する
  7. 推論に使えるSQLを確認する

この例では、ビジネス上の問いから、データ探索、プロファイリング、モデル作成、評価、スコアリングまでを、1つの会話の中で進める流れが示されています。

■ 利用開始に必要なもの

Data Science Agent を使うには、少なくとも次の準備が必要です。

  • Oracle Autonomous AI Database Serverless 26ai
  • Oracle Machine Learning が有効であること
  • 関連するスキーマやオブジェクトへの権限
  • AI credential
  • AI Profile
  • Oracle Machine Learning UI へのアクセス

AI Profile は、利用するAIプロバイダー、資格情報、モデル、温度、最大トークン数などを指定する設定です。

Data Science Agent では、LLMをユーザー側で用意します。
利用できるLLMとしては、サードパーティAIプロバイダー、OCI Generative AI Service、またはプライベートにホストしたモデルが挙げられています。

■ 利用開始の流れ

公式ブログでは、利用開始の流れとして次が紹介されています。

  1. DBMS_CLOUD でLLM資格情報を設定する
  2. Select AI の AI Profile を定義する
  3. Oracle Machine Learning UI コンソールを開く
  4. Data Science Agent ボタン、またはメニューから起動する
  5. 必要に応じて、Conversation Objects Catalog にテーブル、ビュー、モデルを登録する
  6. 会話を開始し、目的や進め方を伝える

Oracle Machine Learning UI には、Autonomous AI Database の Database Actions からアクセスできます。

■ 使うときのポイント

Data Science Agent を使う際のベストプラクティスは次のとおりです。

  • 最初は対話的に進め、仮定や生成されたステップを確認する
  • 繰り返し実行する作業は、ワークフローに自信が持ててから委任する
  • Conversation Objects Catalog の対象を絞る
  • 文脈をリセットしたい場合は新しい会話を始める
  • ログ、生成SQL、実行詳細を確認する
  • 会話履歴を使って、作業の再開や分析判断の記録に活用する

■ まとめ

Data Science Agent は、Oracle Machine Learning UI に統合された会話型のデータサイエンス支援機能です。

公式情報をもとに整理すると、主なポイントは次のとおりです。

  • Autonomous AI Database Serverless 26ai で利用できる
  • Oracle Machine Learning UI からチャット形式で利用する
  • データ探索、プロファイリング、データ準備、モデル学習、評価、推論SQL生成を支援する
  • 処理はデータベース内で実行される
  • Conversation Objects Catalog により、会話で扱う表、ビュー、モデルを関連付けられる
  • Oracle Select AI Agent framework、Oracle Select AI、各種ツール群を使って動作する
  • LLMはユーザー側で設定する
  • ログ、生成SQL、実行詳細、会話履歴により、処理内容を確認できる

データを外部環境に移動せず、Oracle Autonomous AI Database 内で会話形式のデータ分析・機械学習ワークフローを進められる点が、Data Science Agent の中心的な特徴です。

■ 参考

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