Oracle Cloud Infrastructure の Data Catalog を使って Autonomous Database(以下 ADB)からメタデータを収集する方法 をまとめます。
ポイント
Data Catalog で ADB のメタ情報を収集するためには、
Data Catalog から ADB へアクセスできるネットワーク設定 が必要です。
詳細はこちらのドキュメントに記載されています。
(Oracle Documentation)
ADB への接続方法は、以下の 2 パターン があります。
| パターン | 説明 |
|---|---|
| ACL(アクセス制御リスト) | ADB がパブリックアクセス可能な構成。ACL により Data Catalog からのアクセスを許可 |
| プライベート・エンドポイント | プライベート VCN 内のみアクセス可能な構成。Data Catalog に専用のプライベート・エンドポイントを作成して接続 |
設定の流れ
以下は、ADB から Data Catalog にメタ情報を収集する基本的な手順 です。
Step 1: Data Catalog インスタンスの準備
OCI コンソールから Data Catalog インスタンスを作成します。
Data Catalogの構築手順は以下のチュートリアルもご参考ください。
Step 2: ネットワーク構成の検討
ADB が パブリックアクセス構成か、プライベート接続構成か を確認します。
アクセスタイプが「許可されたIPおよびVCN限定のセキュア・アクセス」もしくは「プライベート・エンドポイント・アクセスのみ」の場合は、以下の手順で設定をします。
📌 ACL を使う場合
アクセスタイプが「許可されたIPおよびVCN限定のセキュア・アクセス」でADB の ACL を設定しアクセス制御している場合、CIDR 240.0.0.0/4を追加し Data Catalog からアクセス可能にします。
その他のアクション>ネットワーク・アクセスの更新をクリックします。
許可するCIDRに 240.0.0.0/4を追加する。
📌 プライベート・エンドポイントを使う場合
- Data Catalog の Private Endpoint(プライベート・エンドポイント) を作成
- 作成したプライベート・エンドポイントを Data Catalog にアタッチ
- ADB の VCN 内でプライベート URL を取扱い可能にする
→ これにより Data Catalog が ADB にアクセス可能になります。
具体的な手順は以下のQiitaで紹介しています。
Step 3: Data Asset の作成(ADB を登録)
次に、ADB を Data Catalog のデータ・アセット として登録します。
Data Catalog のホーム画面から 「Create Data Asset」 を選択し、以下を設定します。
| 入力項目 | 内容 |
|---|---|
| Name | データ・アセット名(任意) |
| Type |
Autonomous Data Warehouse または Autonomous Transaction Processing
|
| Database Name | ADB の DB 名 |
| Private Endpoint の使用 | プライベート構成の場合はチェック(事前に作成した Private Endpoint が必要) |
|
Step 4: 接続情報の登録
ADB に接続するための情報として:
- ウォレットファイル(WALLET)
- ユーザー名 + パスワード
を指定して接続を作成します。
接続テストで成功すれば Data Catalog から ADB のメタ情報を収集可能になります。
Step 5: 収集ジョブの実行
Data Asset を登録後、収集ジョブ(Harvest Job)を設定して実行します。
これにより ADB のメタ情報が Data Catalog 内に取り込まれ、検索できるようになります。
まとめ
Data Catalog を利用することで、Autonomous Database のメタ情報を
OCI 上で一元的に管理・検索できるようになります。
本記事では、Data Catalog で ADB のメタ情報を収集するために、
環境に応じて ACL を利用する方法 と プライベート・エンドポイントを利用する方法 、それぞれのアクセス設定を紹介しました。
メタデータを可視化することで、
- テーブル・カラム構造の把握
- ビジネス用語との紐づけ
- データ活用やガバナンスの土台作り
といった取り組みをスムーズに進めることができます。

