AGENTS.md は、AI のコーディングのエージェントにプロジェクト固有の指示を渡すための、ツールを横断する標準です。もとは OpenAI が始め、いまは Linux Foundation の Agentic AI Foundation が管理しています。2026 年の半ばの時点で、28 以上のツールと 6 万以上のリポジトリで使われていると報告されています。
ただ、「標準」と言っても、どのツールが何を読むか、複数のファイルが衝突したときにどれが勝つかは、ツールごとに違います。1 つの AGENTS.md を Claude Code・Codex・Cursor・Copilot で共有しようとすると、ここでつまずきます。各ツールの仕様をもとに、要点と落とし穴を整理します。
各ツールの仕様では、次のように分かれています。
| ツール | ネイティブに読むファイル |
|---|---|
| Claude Code |
CLAUDE.md(AGENTS.md も読むが、CLAUDE.md が本来の豊かな形式) |
| Codex CLI | AGENTS.md |
| Cursor |
.cursor/rules/*.mdc(AGENTS.md にも対応) |
| GitHub Copilot |
copilot-instructions.md(AGENTS.md にも対応) |
| Gemini CLI | GEMINI.md |
Codex・Copilot・Cursor・Windsurf・Aider・Zed・JetBrains など多くが AGENTS.md をネイティブに読みます。Claude Code も AGENTS.md を読むようになりましたが、CLAUDE.md が本来の形式(3 層のメモリのモデル)という位置づけは変わりません。Gemini CLI は今も GEMINI.md です。 |
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つまり、AGENTS.md は「普遍の土台」にはなりつつあるが、各ツールはそれぞれ固有のファイルも持っている、という二層の状態です。 |
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| 仕様では、優先の順位はこうです。 |
- より深い階層のファイルが、浅い階層より優先される。編集しているファイルに最も近い
AGENTS.mdが勝つ。 - 利用者がその場で打った明示の指示は、すべてのファイルより優先される。
- モノレポでは複数のファイルを持てる(OpenAI 自身の主要なリポジトリには 88 個あるそうです)。
ここが横断で共有するときの最初の落とし穴です。Claude Code はCLAUDE.mdを本来の形式として優先しがちなので、AGENTS.mdとCLAUDE.mdの両方を置くと、ツールによってどちらの指示で動くかがずれます。両方を置くなら、中身を食い違わせないことが要ります。
- 500 行を超えると、ほとんどが無視される。 大規模言語モデルの指示の追従の能力には限りがあって、絞った 50 行のファイルのほうが、肥大した 1000 行のファイルより効きます。横断で共有しようとして全ツール分の指示を 1 ファイルに詰め込むと、逆に効かなくなります。
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長いセッションでの沈黙のルールの脱落。 Claude Code では、セッションが長くなると
CLAUDE.mdの指示を無視する「中ほどで迷子になる」現象が報告されています。大事なルールは先頭に置き、新しい作業では新しいセッションを始めるのが、仕様の側の推奨です。 -
ツールごとの解釈の差。 同じ
AGENTS.mdでも、Cursor は.cursor/rules/*.mdcの YAML の前付けで glob で範囲を絞る仕組みを持ち、Claude Code は 3 層のメモリで読みます。形式の細部が違うので、片方で効く書き方が、もう片方では効かないことがあります。
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AGENTS.mdを土台にして、ツール固有の機能はツール固有のファイル(CLAUDE.mdの 3 層、Cursor の glob の範囲)に分ける。 - 1 ファイルは短く、絞る。500 行は超えない。大事なルールは先頭に。
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AGENTS.mdとCLAUDE.mdを併用するなら、中身を食い違わせない(symlink で 1 本化する方法もある)。
AGENTS.md を Claude Code と他のツールにまたがって両立させる具体の方法(5 つの型と、すぐ使えるテンプレート)を、AGENTS.md × Claude Code を両立する手引き(¥1,500、はじめにと第1章・第2章は無料で試し読みできます)に整理しています。買う前に、5,500件超の反応の整理(第1章)と3つの利用者の型の見分け方(第2章)を無料で読めるので、自分に合うか確かめてからにできます。複数のツールで同じ指示を再利用したい方向けの、ニッチですが競合の少ない一冊です。
無料の予防フックの集まりも公開しています:cc-safe-setup(GitHub・MIT)。
参考: deployhq「AI coding config files guide」、codersera「AGENTS.md vs CLAUDE.md vs Cursor Rules vs Copilot 2026」、morphllm「AGENTS.md Spec 2026」。
800時間の Claude Code 運用データから、トークン消費の削減・複数ベンダー(Claude / Codex / Gemini / Copilot)の並行運用・事故の検知と復旧・サブエージェントの沈黙の失敗対策など、主題別の手引きを公開しています。気になる人は著者の本の一覧から、価格と評価を見て選べます。