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8万回読まれた記事からリンクを張ったのに、リンク先に来たのは18人だった

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Last updated at Posted at 2026-08-12

私が何をしている人で、何をしようとしていたか

先に前提を書きます。ここを飛ばすと、以下の数字が何の話だか分からないからです。

私はプログラミングができません。AIに指示を出して、記事を書いたり、小さな道具を作ったりしています。使っているのは Claude Code という、AIがコマンドを実行しながら開発を手伝ってくれる道具です。

書いたものは3か所に置いてあります。Qiita(技術記事の投稿サイト)に242本、Zenn(技術記事と技術書のサイト)で本を13冊、note(文章全般の投稿サイト)にも記事を置いています。無料の記事で困っている人の役に立って、その中で「もっと詳しく知りたい」と思った人が有料の本を買ってくれる、という形を作ろうとしていました。

そこで困っていたのが、「どの記事が効いているのか分からない」ことでした。

記事は増えました。閲覧数も増えました。でも本はほとんど売れません。原因が「記事が読まれていない」なのか「読まれているけど本に興味を持たれない」なのか「そもそも本の存在に気づかれていない」なのか、区別がついていませんでした。

だから数え始めました。どの記事から、どこへ、どれだけリンクを張ってあるか。最初に出てきたのが、この記事の話です。

自分の記事やブログから、自分の別のページ(商品ページ、本、サービスの案内)へリンクを張っている人なら、後半の測り方はそのまま使えます。

何が起きたか

Qiita の242本のうち、110本が同じ1本のページを指していました。note に置いた、月ごとの事故のまとめのページです。

その110本が読まれた回数を足すと85,917回。私の記事全体の45%にあたります。

だから私はこう書きました。「これが事業でいちばん大きな入口だ」。そして翌日の最優先の仕事に、「この入口のページを良くする」を置きました。

翌日、リンク先のページを開いて、そのページ自身の閲覧数を見ました。

これまでに開かれた回数は、18回でした。

この記事の数字は、断りのない限り2026年8月11日に測ったものです。公開の日(8月13日)にリンク先だけ測り直したら23になっていました。2日で5人増えた計算です。本文の比較は、日付を混ぜないように8月11日の測定でそろえてあります。

何を間違えたのか

リンクが置いてある数を、そこに来た人の数として読んでいました。

並べてみると、3つは全部ちがう数字です。

  • 110本の記事がそのページを指している ← これはリンクの本数
  • その110本が読まれた回数が85,917回 ← これは元の記事が読まれた数
  • リンク先に来たのは18人 ← これがリンクをクリックした数

当たり前に見えます。でも、上の2つは Qiita の管理画面を開けば出てくるのに、3つ目はリンク先のサイトにログインしないと見られません。私は見に行くのが面倒で、2つ目の数字だけを見て結論を書いていました。

その前日には、もっと悪い書き方をしていました。

リンク先のサイト全体の累計閲覧が1,354なので、85,917の参照に対して来ているのは多くても1,354人。つまり1.6%以下だ。

上限としては正しい計算です。そして実際に測ったら0.021%でした。2桁外していました。

上限は片方のサイトだけ見れば出せます。実際の数字は、両方のサイトにログインして突き合わせないと出せません。楽なほうの数字を結論に使うと、2桁ずれることがあります。

同じ記事から、リンク先によって60倍ちがった

ついでに別のリンクも測りました。こちらのほうが、この話の芯でした。

どこから どこへ 来た人
Qiita 188,894回 Zenn の本のページ 2,366人 1.25%
Qiita 85,917回 note のページ 18人 0.021%

同じ書き手の、同じ記事群から張ったリンクです。ちがうのはリンク先のサイトだけで、60倍ちがいました。

理由は測っていないので、断定しません。思いつく理由は3つあります。

  1. リンクを置いた場所と文脈のちがい(本のリンクは話の流れの中に、もう一方は記事の末尾に付け足していた)
  2. 読む人にとってのリンク先の性質のちがい(技術記事から技術書へ行くのと、別の性質のサイトへ行くのと)
  3. リンクに表示している文字のちがい

どれが効いているかは、まだ知りません。知らないと書いておくのは、次に測る人(たぶん未来の自分)のためです。

自分のリンクを測る手順

出発側と、リンク先。両方の数字を取れる状態にしてから割り算します。

1. 出発側:どの記事が、どこへリンクしているか全部数える

Qiita なら API で記事の本文が取れます。本文からリンクを抜き出して、リンク先ごとに数えます。

# 自分の記事を全部取って、本文中のリンク先ごとに数える
curl -s -H "Authorization: Bearer $QIITA_TOKEN" \
  "https://qiita.com/api/v2/authenticated_user/items?per_page=100&page=1" \
  | jq -r '.[] | .body' \
  | grep -oE 'https?://[^)"< ]+' | sort | uniq -c | sort -rn | head -20

ここで記事ごとの閲覧数で重みを付けてください。「110本がリンクしている」と「読まれた回数の45%がリンクしている」は別の主張で、判断に効くのは後者です。API が返す page_views_count を掛けて足します。

2. リンク先:そのページ自身の閲覧数を、リンク先のサイトで見る

ここはサイトごとにやり方がちがいます。note なら記事ごとの閲覧数がダッシュボードで見られます。Zenn の本の閲覧数も本のダッシュボードにあります。リンク先にログインして見る以外の方法はありません。

ここで私が踏んだ失敗を1つ書いておきます。項目名を決め打ちしないでください。

Zenn の /api/me/books を叩いて page_views_count を読もうとしたら、全13冊が0で返ってきました。その API には閲覧数の項目が存在せず、別の場所(ダッシュボードの統計画面)にありました。前に測った値を覚えていたので「おかしい」と気づけましたが、覚えていなければ「閲覧数は0」を出発点として保存していました。

3. 割り算する前に、上と下が同じものを数えているか確かめる

私の失敗はもう1つありました。「記事の98%からリンクが張ってある」と書いた同じ日に、別の商品で数え直したら0.9%でした。

前者は買い切りの本へのリンクだけを数えていて、月額の商品を数える対象に入れていませんでした。数える道具を作ったときに、入れ忘れていたのです。

探し方の形が、見つかるものの形を決めます。「全部数えた」と書く前に、数えた対象を1つずつ声に出して、自分の商品の一覧と突き合わせたほうが確実です。

それで、どうしたか

18人しか来ていないページを良くする作業は、やめました。

「85,917回ぶんの入口」という言い方は、リンクの数であって読者の数ではありませんでした。18人のページの文章を良くしても、増える価値は月に1人か2人ぶんです。

代わりに、実際に人が来ている場所を探し直しました。手元でいちばん人が来ていたのは、無料で配っている設定集を置いた GitHub で、過去14日の訪問者が94人でした。18人のページの10倍以上が、2週間で来ています。

この数字にも注意書きが要ります。GitHub の同じ画面には「クローン662人」も出ますが、これは人の数として使いません。CI(自動テストの仕組み)やミラーやボットが混ざるからです。数か月前に、別のサイトのダウンロード数で同じ勘違いをして、そのサイト向けの作業を全部止めた記録が手元にあります。人の数に近いのは訪問者のほうで、それでも完全ではありません。

まとめ

  • リンクを置いた数と、そこに来た人の数は別のものです。来た人の数はリンク先でしか見られません
  • 「多くても◯人以下」という上限は片方だけで出せますが、実際の数字と2桁ずれることがあります
  • 同じ記事から、リンク先によって60倍ちがいました。リンクは「張ってある/ない」では語れません
  • 割り算の前に、上と下が同じものを数えているか確かめてください

「リンクは張ってあるから読者は行っているはずだ」と思っているページが手元にあるなら、リンク先の閲覧数を1回だけ見てみてください。 私はそれで、次にやる仕事を1日で書き換えることになりました。


こういう「置いたつもり」「動いているつもり」の食いちがいを、自分の環境で踏んだぶんだけ100章に集めた本があります(Anthropic公式ガイドにない事故防止・¥800)。巻頭の早見表は無料なので、心当たりのある症状があればそこだけ見てもらえれば足ります。

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