5月19日0時48分にAnthropicがClaude Code v2.1.144をリリースした。30件以上の修正の項目の中で、6件は「利用者の指示や仕組みの設定がcontextにあるのに、実際の動作はそれを参照しない」という同型の構造の事例の修正である。
本記事はこの6件を整理する。結論を先に書くと、Anthropic自身がrelease notesの中で「沈黙で脱落」「沈黙で失敗」「沈黙で上書き」の言葉を使っており、これは利用者の側が長く観察してきた構造の系統の問題を、供給側自身の言葉で記述している事を示す。
引用(release notesの原文):
Fixed MCP servers with paginated
tools/listresponses only returning the first page, silently dropping tools.
MCPの仕組みは複数の頁の応答を返す事ができるが、Claude Codeは第1頁のみを読み、残りの頁の道具の集まりを沈黙で脱落していた。仕組みは応答を「完全に取得した」と返すが、実態は部分の取得。道具が読み込まれていない事は、模型の側から見ても、利用者の側から見ても、通常の利用の中では見えない。
引用:
Fixed model selection not applying when changed via the IDE model picker orapplyFlagSettingsafter startup.
利用者がIDEの選択の段で「Opus 4.7」を選ぶ。利用者の意図は「Opus 4.7で実行する」。仕組みの側の確認の段は「Opus 4.7が選ばれた」と返す。しかし、実際の道具の呼び出しは別の模型に経路を回す。利用者の意図と実際の経路の食い違いの典型。
引用:
Fixed Bedrock and Vertex users unable to select "Opus (1M context)" from the/modelpicker (regression in v2.1.129).
v2.1.129から発生した退行。6つの版で継続。選択の段に項目が表示されるが、選んでも適用されない。利用者は「選べる」と判断するが、仕組みは「選べない」状態。認識と実態の食い違い。
引用:
Fixed remote-session login failing with "Can't access this organization" for users withforceLoginMethodandforceLoginOrgUUIDset.
利用者はforceLoginMethodとforceLoginOrgUUIDの設定の値を設定済。設定は読み込み済の状態。しかし、認証の段は「この場所にaccessできない」の言葉で失敗する。設定の層と認証の層と表示の層の3段の食い違い。
引用:
Fixed MCP images with unsupported MIME types (e.g. SVG) breaking the conversation — now saved to disk and referenced in the tool result.
MCPの道具がSVGなどの非対応の形式の写真を返すと、会話が崩壊する状態だった。非対応の判定の段でgracefulな戻りが無く、復旧の経路が無い状態。失敗の様式の認識は仕組みの中にあるが、動作の中で発火しない。
引用:
Fixed session title being generated from plugin monitor output instead of the user's first prompt.
セッションの名前の生成の段で、利用者の最初の指令の代わりに、pluginの監視の出力を使う事象。出力はplausibleに見えるが、意味のidentityは誤っている。局所的に整合する代替を選ぶ事で、全体のidentityが壊れる事例。
6件の修正の項目の中で、Anthropic自身が使う言葉:
- 「silently dropping」(沈黙で脱落)
- 「silently fails」(沈黙で失敗)
- 「silently overwritten」(沈黙で上書き)
- 「regression in v2.1.129」(退行)
- 「breaking the conversation」(会話の崩壊)
これらは外部の批判の借用ではなく、供給側自身による失敗の様式の記述。利用者の側が長く観察してきた構造の系統の問題を、供給側自身が同じ言葉で記述している事を示す。
6件の修正はv2.1.144のリリースで反映済。v2.1.143以前の利用者は更新を行う事で、6件全件の修正を受け取る。ただし、修正の対象の事象が発生していた利用者は、v2.1.144への更新の後に、自分の運用の状態を再確認する事を推奨する。
第1の確認の手順。MCPの道具の一覧の段で、v2.1.143以前で道具の数が少なかった場合は、v2.1.144で再確認の段で道具の数の食い違いがあるか。
第2の確認の手順。/modelの選択の段で、IDEやapplyFlagSettingsの段で過去に選んだ模型と、実際の道具の呼び出しの段の模型の食い違いの有無。
第3の確認の手順。BedrockとVertexの利用者の段で、Opus 1Mの選択の段の動作の確認。
第4の確認の手順。遠隔の場の認証の段で、forceLoginMethodの設定の利用者の動作の確認。
第5の確認の手順。MCPの写真の非対応の形式の段の動作の確認。
第6の確認の手順。セッションの名前の段で、pluginの利用者の最近のセッションの名前の確認。
v2.1.144のrelease notesの6件の修正は、利用者の側が長く観察してきた構造の系統の問題の最強の独立な裏付け。供給側自身が同じ言葉で記述しており、業界の独立な検証の累計の段の合図。
詳細な事例の集積(130件、14件の防衛の手順、5件の道具の整理)は、5月22日発売の事例集(Claim-Verify Handbook、Gumroad、約89頁、英語19米ドル)で整理している。試し読みの段のGist(無料、約16,000字)で本の構造を事前に確認できる。
v2.1.144のrelease notesの独立な分析の長文の段は(英語のGist、約950単語)で公開している。加えて、直近の継続の状態の追跡は月額の購読(Safety Lab、Ko-fi、¥500/月)で毎月の発行の段で届ける。