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「NURO光なのにWi-Fiが遅い...」を解決した話。古いONUを回避して自前ルーター(AX53)の速度を10倍以上にする

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Last updated at Posted at 2025-12-01

最近、ゲーミングミニPCを購入しました。
目的は Meta Quest 3 と連携させて、PCVRのゲームを遊ぶこと。
しかし、いざやろうとすると、SteamLink(無線での映像転送)がまともに起動すらしません。

原因はインターネット回線の速度ではなく、自宅内のWi-Fi環境(ローカルネットワーク)が貧弱すぎることでした。

この記事では、 「3年前に買ったものの効果がなく、無駄遣いだったと諦めていたルーター」 の設定を見直し、ボトルネックを解消するまでの試行錯誤を共有します。

結果として、追加投資ゼロで Wi-Fiの通信速度が「10倍以上」 になり、3年越しにルーターのポテンシャルを解放することに成功しました。

1. 現状の環境と「3年間の勘違い」

我が家のネットワーク環境は以下の通りです。

  • 回線: NURO光
  • ONU(ホームゲートウェイ): ZTE F660T
    • 使用歴10年。Wi-Fi最大450Mbps。
    • NURO支給品。原則として故障などの理由がない限り、速度アップ目的での無償交換は難しい。
  • 自前のルーター: TP-Link Archer AX53
    • 使用歴3年。Wi-Fi 6対応、最大2402Mbps。

❌ 過去の失敗:つなぐだけでは速くならなかった

実は3年前、NUROの遅さを改善しようと意気込んでAX53を購入しました。しかし、ONUにただ接続しただけ(2重ルーター状態)では速度が全く変わらず…。
「なんだ、ルーター買っても意味ないじゃん」 と落胆し、そのまま3年間放置していました。

しかし今回、改めて調査したところ、設定次第で化けることが判明しました。

2. あなたはどれ? ボトルネック診断チャート

まず、読者の皆さんがどういうアプローチを取るべきか、簡易的なチャートを作ってみました。まずは追加投資なしで試せる方法を探りましょう。

チャートで言うと、私は 以下の2つのルート両方 に該当してしまいました。

  1. 「自前ルーターはブリッジモード? → No」
    • ルーターの近くでも、AX53本来の速度が出ていない(2重ルーター問題)
  2. 「親機と子機を有線LANで繋げる? → No」
    • 自室(2階)までの距離があり、有線バックホールも引けない(物理的な距離の問題)

つまり、「処理能力の不足」「電波の届きにくさ」 という複合的な問題を抱えていたのです。
これが、次章の「2つのボトルネック」の特定へと繋がります。

3. 課題の切り分け:2つのボトルネック

現状を分析すると、大きく2つのボトルネックが見えてきました。

① ルーティング処理の限界(頭脳の問題)

大元のF660T(10年選手)が古すぎるため、NAT変換(IPアドレスの書き換え処理) やパケットのルーティング処理が追いついていません。
これはネットワークの「頭脳」のスペック不足です。

② Wi-Fi通信強度の減衰(足回りの問題)

ルーターは1階、自室は2階の対角線上にあります。物理的な距離と壁により、電波が届くまでに弱まってしまいます。


今回のアプローチ:
まずは0円でできる 「課題①(古いONUの処理能力不足)」 の解消に集中します。

4. 解決策:ブリッジモードではなく「DMZ」

通常、2重ルーターを解消するには自前ルーター(AX53)を「ブリッジモード(APモード)」にします。しかし、これでは 「処理の重いルーティング作業は、引き続き古いF660Tが行う」 ことになり、ボトルネックが解消されません(3年前の私はこれに近い状態で失敗しました)。

そこで採用したのが DMZ(DeMilitarized Zone) を使った擬似パススルー構成です。

  • F660T(古いONU): ルーティングやNAT処理を放棄させ、ただパケットをAX53に横流しするだけの「土管」にする。
  • AX53(自前ルーター): ルーターモードで稼働させ、ルーティング処理からWi-Fiまで全ての負荷を担当させる。

これなら、F660Tの古さに足を引っ張られず、AX53の性能をフルに発揮できるはずです。

5. 実行手順と重要な注意点

手順1:F660T(ONU)の設定

F660Tの管理画面(http://192.168.1.1) に入り、以下の設定を行います。

  1. DMZを有効化: 転送先ホスト(IPアドレス)に、AX53のWAN側IPアドレスを指定します
    スクリーンショット 2025-12-01 18.59.59.png

  2. 【重要】Wi-Fiを無効化:
    スクリーンショット 2025-12-01 19.04.16.png

    • F660TのWi-Fi機能は必ずOFFにしてください。
    • ONのままだと、AX53と電波帯域が競合し、電波干渉によって逆に通信が不安定になる可能性があります。

手順2:AX53(自前ルーター)の設定

続いてAX53の管理画面(http://tplinkwifi.net/) に入り、以下の設定を行います。

  1. ルーターモードに設定: ブリッジモードではなく、ルーターとして動作させます。
    スクリーンショット 2025-12-01 19.08.14.png
  2. インターネット接続設定(DHCPなど)を行います。

これで、古いONUは「ただ通すだけ」、新しいルーターが「全ての処理を行う」という分業体制が完成しました。

6. 結果:3年越しに真価を発揮

設定変更後、同じ条件で計測を行いました。

自室前後比較.png

ルーター付近前後比較.png

Wi-Fiリンク速度の比較

計測場所 Before (2重ルーター) After (DMZ構成) 改善倍率
2階自室 12 Mbps 201 Mbps 約16倍
ルーター付近 72 Mbps 558 Mbps 約7.7倍

インターネット実測値(下り)の比較

計測場所 Before (2重ルーター) After (DMZ構成) 改善倍率
2階自室 23 Mbps 134 Mbps 約5.8倍

最も改善したかった2階自室でのWi-Fiリンク速度は、12Mbpsから201Mbpsへと「約16倍」に向上しました。これでSteamLinkが起動すらしない状態からは脱却できました。

インターネットの実測値も23Mbpsから134Mbpsへと約6倍になり、4K動画の視聴なども余裕でこなせるレベルになりました。

ボトルネックは回線そのものではなく、「古いONUの処理能力」と「不適切な設定(2重ルーター)」 にあったことが数値からも証明されました。

まとめと今後の展望

今回の教訓は以下の3点です。

  1. 古いONUに「頭脳労働(ルーティング)」をさせるな
    • 10年前の機種は、現代の通信負荷に耐えられません。
  2. 「とりあえずつなぐ」だけでは性能は出ない
    • 適切なモード設定(DMZやブリッジ)を選ばないと、宝の持ち腐れになります。
  3. 電波干渉には要注意
    • 使わないWi-Fi(ONU側)は必ず停波しましょう。

これで 「課題①:ルーティング処理の限界」 は解決し、ネットワークの「頭脳」はある程度改善されました。

しかし、結果の表を見ると分かる通り、「課題②:Wi-Fi通信強度の減衰」 はまだ残っています。

  • 1階(ルーター付近): 558 Mbps
  • 2階(自室): 201 Mbps

ルーター付近では爆速ですが、2階に来ると速度が半分以下に落ちています。やはり物理的な距離と壁が影響しているようです。

次回は、この課題②を解決するために、1階から2階への通信強度を物理的に強化し、家中どこでも爆速Wi-Fi環境を作るための試行錯誤について書きたいと思います。

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