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統計検定1級(数理・社会科学)受験記

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Last updated at Posted at 2026-01-11

こんにちは!YTと申します。

有難いことに、2025年度の統計検定1級で数理・応用(社会科学)ともに合格をいただきました!統計検定は近年知名度・人気ともに上昇中である一方で、できて10年余りということもあり、まだまだ出回っている情報が少なめに感じます。特に統計応用の社会科学は選択している人が少ないのか、特に記事が少ないようです...

そこで統計検定1級、特に応用で社会科学を選ばれる方の助けになればと思い、記事を書かせていただきました。

0.統計検定とは?

「データに基づいて客観的に判断し、科学的に問題を解決する能力は、仕事や研究をするための21世紀型スキルとして国際社会で広く認められています。この国際的社会に通用する統計の知識・技能やその活用能力を評価・認定する検定試験が、日本統計学会によって開発された「統計検定」です。」(統計検定ホームページより)

上の通り、統計検定とはデータ分析を行うための統計の知識・技能を測る検定試験です。級は4級、3級、2級、準1級、1級の4つが用意されており、そのうち1級は最高難易度の試験とされています。他にも統計調査士、専門統計調査士、データサイエンス基礎・発展・エキスパートなどの試験もあるようです。おそらく2級は大学の授業などで推奨されることも多く、比較的メジャーではないでしょうか。

1級では科目が統計数理と統計応用に分かれており、応用は人文科学・社会科学・理工学・医薬生物学の4つから、受験時に選択します。試験時間は数理・応用それぞれ90分ずつで、受けた人なら分かりますが時間に余裕はほとんどないです。大問は数理・応用とも5つ用意されていて、そのうち3つを選択します。自分が解きやすそうな問題を選ぶことができます。

準1級以上では専門的な内容が問われます。よく言われることですが、準1級と1級は難易度というより、問われる技能の方向性が違うように思われます。私自身1級以外の試験を受けたことがないので変なことは言えないのですが、準1級は問題量の割に試験時間が短い、かつ幅広い知識が求められる代わりに、1つ1つの問題にヘビーなものは少ないです。1級は求められる知識が深く、また計算も大変な問題が多いですが、応用の分野は選択式かつ出る単元に偏りがあるので、準1級ほど幅広く学習しなくても良いです。ただ準1級でもヘビーな問題が出ないわけではないですし、1級も時間に余裕があるわけではなく、さらに今まで出してこなかった分野を変化球としてちょいちょい投げてきます。

ですので、1級よりも準1級の方が難しいと感じる人はいるでしょうし、当然逆も然りです。例えるなら共通テストで高得点を取る難しさと、私大入試・国立二次試験で合格点を取る難しさの違いでしょうか。1級の前に準1級で力試しをしようとする人はこの点に注意してください。

(追記:先日準一級も受けてきました。時間的な制約はもしかしたら1級と同じくらい?ただ出題範囲の広さは相当なものでした。結果は70/100で合格でした。割とギリギリですね(笑)。過去問すらろくに見ていないという言い訳はさておいて、確かに相性は関係するかもしれませんね。)

1. プロフィール・学習経験

1.1 プロフィール

職業:学生
大学学部:某国立大の文理融合型学部
現在:4年生・春からデータサイエンス系学部の修士課程に進学予定
統計検定の受験経験:なし(今回の1級が初)

1.2 学習経験

統計・データサイエンスの専門学部にいる訳でなく、1年生、2年生の夏までは統計にほとんど触れてません。高校時代は理系で、数学は一番得意な科目でしたが、データの分析、確率・統計は最後まで嫌いでした(笑)。高校の確率統計は、公式を暗記してテンプレ通り計算したけれど、結局何をしているのか分からない...みたいなイメージなんですよね。受験となるとその傾向は一層強かったように思います。この印象から、大学に入って一般教養でも統計学の授業は取ってませんでした。

ですが二年生で経済学を勉強し始めると、やがて計量経済学というものに出会い、統計学を勉強するようになりました。ご存じの方は分かると思いますが、計量経済学の理論は完全に統計学・機械学習なんですよね。経済学部でも全員がやるものではないかも(院まで行く人はほぼやる)。2年の後半からは経済学部の授業も覗くようになりました。

3年生に上がってゼミで計量経済の専門書(後述の⑧)を輪読するようになり、やがて統計学自体に興味が移っていきました。

4年生になると院試対策で数理統計学を勉強するようになり、ますます統計にハマっていきました。

なので検定1級の勉強を始めたのは25年9月の末で、これだけ見ると1ヶ月半で合格したように見えるかもしれませんが、事情はちょっと違います(笑)。実際の勉強期間は、院試の勉強時間も含めて半年ぐらいだと思います。本格的に対策する前でも知識0ではなかったことだけご留意ください。

2.勉強のスケジュール

4月まで

基本的に8月までは院試対策を中心に勉強を進めておりました。3月下旬から4月にかけては③を使用して線形代数や微積、またそれらを用いて統計学の復習を行い、⑨の章末にある導出を式で追うなどしていました。

4月の中旬からは⑥を進め、演習問題の結果をRで再現して時系列分野の演習をしていました。

5月~6月

5月から①に手を出しました。5月から6月にかけて①を2周ほど読み、演習問題も繰り返し解きました。また院試の面接用に研究計画書を作成したのですが、その際に⑤も参考にしました。

またここにきて統計検定の存在を思い出し、求められる対策も院試と大部分が重複することから、1級の受験を決めました。

7月

①の演習問題を2周解いた結果、方針を立てる段階でつまづくことは無くなりましたが、ここに来て計算ミスの多さに気づきました(笑)。そこで④を使用し、主に積分の計算や変数変換、級数展開を中心に計算練習を行いました。ここで計算を改めて訓練したことが、後々になって効いた気がします。

7月の末にもなると、院試が近づいてきたため過去問を解いていました。過去問の中身としては、前半は基本的な語句の説明問題と回帰分析の計算問題、後半は統計数理の過去問に似た計算問題でした。難易度的にも準1級から1級の間ぐらいだったと思います。回帰分析は⑨で習熟していたつもりだったのですが、行列を用いた推定量の導出などに慣れておらず、思ったよりも出来が良くありませんでした。そこで①や②を見比べながら、導出を書き出したりして復習を行いました。

8月

過去問演習の結果、語句問題が以外とできていないと気づき、①や⑨を参考に用語の定義、導出・使い方などをwordでまとめました。これも後々の検定の対策にも活きたように感じています。

また院試が8月末にあり、その1週間半前からは再度①の解き直しを行いました。

9月

上旬は院試の筆記試験が終わったこともあり、少し勉強はセーブして卒論に取り組んでいました。やったことは、面接対策で作った語句の定義まとめを見返したぐらいでしょうか。

下旬には院の合格をいただいたので、検定の対策を考え始めました。7月の時点と同じで、自分には計算力がないことを痛感していたので、改めて④の残りの章を用いて計算練習を行いました。

また過去問やネット記事をざっと見て、問題の形式や頻出分野を把握し、自分なりに対策法を練り始めました。この頃に1級の申込がありました。

10月

ようやく検定の対策を本格的に意識し始めました。が、上旬は卒論を進めていたため、過去問演習などには手が回らず、中旬から数理の過去問を2019~2023まで解き、下旬には間違えた問題の復習含めて終わらせました。院試対策をみっちり行なっていたおかげか、方針や計算でつまづくことは少なかったです。

下旬から応用の対策に移りました。まずは⑤を使用して分散分析や主成分分析、判別分析、クラスター分析など、出題範囲に含まれるものの知識が乏しい分野を大まかに学習しました。ただし分散分析については数理にも出題実績があり、数理の過去問演習の時点で出来がよくなかったため、入念に復習しました。後から思えば、決して時間に余裕があったわけではなかったので、社会科学で頻出の分野を優先すればよかったかもしれません。

その後に標本抽出法や経済指数、回帰分析、時系列分析、EMアルゴリズムなど、社会科学でメインの事項について勉強しました。9月に過去問を確認した時点で、標本抽出法や経済指数は頻出かつ問題パターンが決まっていることが分かっていたので、⑤や⑦でインプット+問題演習を繰り返し行いました。回帰分析も⑤や⑦で復習し、時系列分析は4月に学習したことを結構忘れていたので再度⑤や⑥、⑧を使用して復習しました。EMアルゴリズムは⑤を読んでも結局よく分からなかったので、生成AIに解説を出してもらいました。結局応用に関しては、過去問演習へ移る前に10月が終わってしまいました(泣)。

11月

実は11月初めも卒論や他の用事があり、検定の対策に時間を割けませんでした...

試験1週間半前になって応用の過去問に手をつけ始め、そして「意外と解けない」ことに気づきました(遅い)。正直結構焦りました(笑)。ですが冷静になってみると分かる問題も多く、改めて戦略を立て直しました。

まず、標本抽出法と経済指数は目論見通りパターンが決まっているので、この2つが出れば抑えにいこうと考えました。また時系列分析は問題自体の難しさも去ることながら、級数や積分、行列式をはじめ計算量が膨大な傾向にあるので、本番の優先順位は低くしました(来年からの研究分野なのに...)。回帰分析についても、計算が面倒な傾向にあるものの、時系列と違って電卓でカバーできるので、とにかく過去問で練習して慣れました。また回帰分析の中でも、2025年に出題された打ち切り分布などは、導出や計算が一般化線形モデルに似ているので、これから受けられる方は理工学の過去問などで練習しておくと良いでしょう。

試験3日前ぐらいには復習含めて2019~2023の過去問は解き終え、数理と同様に社会科学の重要ポイントをwordにまとめました。2日前に2024年の過去問を印刷し、本番さながらでテスト演習を行いました。時間が足りないと言われることも多いですが、自分の場合は過去問演習と上の戦略のおかげで、時間ギリギリぐらいに持っていくことができました(2024年の問題が解きやすかっただけかもしれません...笑)。

またこの2日前の演習で電卓を使う練習も行いました。以前に簿記2級を取ったことがあり、電卓の使い方には慣れていたつもりだったのですが、簿記より複雑な計算が要求されるため、意外と扱いに手こずります(笑)。恥ずかしい話、このタイミングまでスマホを電卓代わりに使っていたため、ルートが計算できる電卓を準備しておらず、近所の文具店に駆け込みました...皆さんは前もって準備しておきましょう(笑)。なお関数電卓は使用NGなので要注意!

3.試験本番

いざ本番の日がやって来ました。過去問演習の結果もあり、特に応用には自信がなく、数理だけでもと思い受験に臨みました。会場に着くと自分より年上の方(多分30代?)が多く、驚いた記憶があります。受験者の年齢分布を見ても20代後半から30代が一番多いようです。スケジュールは午前が数理、午後が応用でした。

3.1 統計数理

まずは数理。ネットにもある通り、2025年は今までと少し毛色が違うように感じました。自分は大問2→1→4の順に解きました。

大問2は見た感じ一番解きやすく、途中極限の使い方などが大学受験ぽいなと思いながら解いていました。最後信頼区間の式の整理に時間を使いながらも何とか完答(ここまで25分ぐらい?)。

続いて1へ。ネットでは多項分布が云々とか議論もありましたが、自分はそんなこと気も付かず普通に解き進めてしまいました。終盤のAICの導出と計算には一瞬面食らいましたが、院試対策のおかげで何とか思いだし、愚直に電卓で計算を進めました。ただこの問題はちょっと酷な気もします...計算に相当時間かかりましたが何とか完答(ここまで65分ほど)。

最後は大問4へ。ここに来て時間が押してきて焦ってきました。序盤はサイズ(定義が書いてありますが)、検出力を正しく理解していればただの計算問題。中盤、「考えうる全ての非確率化検定について、棄却域、サイズ、検出力...」とあり、まさか全ての棄却域を並べて各々確率を計算するのか?とビビりましたが、有意水準が0.125の検定を考えろという指示を思い出し一安心。ここでも仮説検定の正確な理解が試されました。終盤、ここに来てあまり触れていなかった確率化検定が登場!時間が残り10分だったこともあり、観念しようかと思いましたが、検定関数の定義がヒントになり何とか答えを出す!

そしてここでタイムアップ。結局4の最後は手をつけられず終わりました。

3.2 統計応用(社会科学)

お昼休憩を挟んで午後の応用。昼休みに周りから「数理難しかったね」との声が聞こえ、やはり傾向は変わったんだなと感じました。

いよいよ試験開始。1の標本抽出法が目に入り、早速取り組みました。解いてみると、これ過去問と同じや!(調べると2021年でした)と。しかし計算が合わない...落ち着いて見直すと、超初歩的な計算ミスをしていました。すぐに修正して完答(ここまで25分。)。

続いて3の回帰分析へ。全体として制限従属変数がテーマでした。前半は、最小二乗法の公式が頭に入っていれば問題なく対応できたでしょう。後半は、今まで見ることの少なかった打ち切り回帰の問題です。ただロジスティック回帰が頭にあれば同じ要領で解き切ることができたでしょう。計算量も少なめです。

最後は2の混合分布へ。過去問でやったゼロ過剰モデルが難しかったので、不安を覚えながら解き進めました。序盤はただの計算問題で難なくパス。中盤の解析的に解けない最尤推定量を求める問題は、ニュートン法でとりあえずお茶を濁しました(笑)。終盤の検定の説明は、序盤は視力検査?でp=1/2は即答。後半はよく分からなかったので、"適合度検定"の単語を入れて文章を埋める...

軽く見直してタイムアップ。地味に1でミスの修正などに時間を食ってしまったのが痛かったです。後日解答が出されましたが、私は何だか怖くて自己採点しませんでした(笑)。

4.結果

試験から1ヶ月ほど経って、合否がwebページに掲載されていました。結果は何と数理最優秀賞、応用優秀賞で合格でした!

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やはり数理は難化したようですね...合格率も下がっていたようです。応用はおそらくそのままか、やや易化したのでしょう。個人的には数理より手応えは良かったんですが、多分3の出来が良くなかったと思われます(笑)。

5.主に使用した教材

(注意)数理・応用とも過去問は言わずもがななので載せていません。数理・応用それぞれ使用時間の多い、かつオススメ順に並べてます。

5.1 統計数理

1 久保川達也「現代数理統計学の基礎」(共立出版)
2 竹村彰通「現代数理統計学」(学術図書出版社)
3 田中久稔「計量経済学のための数学」(日本評論社)
4 加藤文元「チャート式 大学教養 線形代数・微分積分」(数研出版)

① 久保川達也「現代数理統計学の基礎」(共立出版)

この本は元々院試対策で読んだ本でした。本の内容としては数理統計、具体的には確率論の基礎や各種確率分布、点推定、仮説検定、区間推定、そして回帰分析・分散分析が扱われています。

この本の特徴は、なんといっても章末問題の豊富さでしょう。問題数にすると100問近く収録されており、難易度もやや高めです。全部やり切れば数理の過去問は相当できるようになるはずです。解答も著者の方のHPやこちら

で公開されているほか、Gemini等の生成AIを使えば容易に作成できます。

ただ問題数が多いので、手を出すなら早めが良いと思われます(私は院試対策もあったので5月ごろから使用)。
また、同じ著者の方からより検定対策向きの本
(「データ解析のための数理統計入門」

)が出されています。難易度的には大差ないものの、演習問題はやや易しく、また応用向けの内容が強化されているようです。

② 竹村彰通「現代数理統計学」(学術図書出版社)

こちらも①と同様、数理統計学の教科書です。中身のレベルは①より若干高く、①の前半部分をより詳しく解説しています。また2025年の数理で出題された確率化検定など、①に載ってない事項も扱っていたりします。こうした部分をちょいちょい調べたりするなど、つまみ食いする使い方が良いでしょう。

③ 田中久稔「計量経済学のための数学」(日本評論社)

この本は統計学というより数学を復習するための本です。線形代数と微積がコンパクトにまとまっています。「はじめに」にもありますが、この本の特徴は統計学によく使う事項以外をバッサリとカットしているところです。逆に射影など、普通の教科書であまり扱われていない部分は詳しく解説されており、線形代数や微積が統計学にどう応用されるのかが理解できる本と思います。

さらにこの本では、線形代数・微積以外にも測度論の導入部分の解説がされています。検定は1級でも測度論の知識が要求されることはありませんが、時間がある方は読んでみると面白いです(笑)。

④ 加藤文元「チャート式 大学教養 線形代数・微分積分」

③にも演習問題はついてますが、どうしても一個一個の分野の演習量が不足しがちです。私は①などをやった後に、重積分の変数変換、行列式の計算など単元別に演習を行いました。

5.2 統計応用(社会科学)

5 日本統計学会「統計学実践ワークブック」(学術図書出版社)
6 沖本竜義「計量・ファイナンスデータの計量時系列分析」(朝倉書店)
7 日本統計学会「統計学」(東京図書)
8 薮友良「入門 実践する計量経済学」(東洋経済)
9 西山慶彦ほか「計量経済学」(有斐閣)

⑤ 日本統計学会「統計学実践ワークブック」(学術図書出版社)

正直言って、統計応用対策の大半はこの本で行いました(笑)。本来この本は準1級の対策本ですが、1級の対策にも有効です。内容面では、社会科学に頻出の標本抽出法、時系列解析、線形回帰、打ち切り回帰、EMアルゴリズムなどを"程よく"網羅しており、(と言っても時系列解析は状態空間モデルやペリオドグラムなんかにも触れてます)効率よく学習を進めることができます。形式面でも、教科書形式の解説・例題 → 準1級の過去問 の順で進めることができ、演習を積みながら知識をインプットできます。

またこの本は統計検定に留まらず、統計学のあらゆる分野の入門に有効な本だと思います。私は主成分・因子分析や分散分析、ベイズ法などの統計学の基本を学習する際にもフル活用し、院試対策に重宝しました。ですので、統計検定を受験されない方にもこの本はオススメです!(日本統計学会の回し者ではありません)

⑥ 沖本竜義「計量・ファイナンスデータの計量時系列分析」(朝倉書店)

この本は時系列分析の理論に特化した本で、ある程度の統計の知識は前提になっています。逆に初級レベルの統計と、多少の線形代数の知識があれば読み進められます。全て読み切る必要はなく、1章~3章と5章、7章3節までを読めば検定試験には十分な知識が得られるかと思います。特に7章3節のボラティリティのモデル化は今年の時系列分野のテーマで、かつ⑤ではあまり扱われていないテーマなので、この本で勉強していた人は有利だったかもしれません。

ただ検定の時系列の問題には計算力が求められる物も多く、この本はそうしたニーズには答えてくれないので、計算練習は④などで積む必要があります。その代わりに、データセットを用いた分析課題が豊富に掲載されています。RやPythonを用いて結果を再現したりすることは、実証分析やプログラミングの訓練になるのは勿論、内容の復習にも非常に効果的です。

⑦ 日本統計学会「統計学」(東京図書)

日本統計学会が出している唯一の公式の1級対策本です。当然ながら1級の出題範囲を網羅しており、内容の説明も正確かつ簡潔です。また章末には1級形式の演習問題が掲載されており、演習も積みながらインプットできます。

ただ上に挙げた記事でも紹介されているのですが、正確・簡潔がゆえに初学者にはやや分かりにくい部分があったり、また応用分野の説明は本当に"簡潔"で、用語の解説しかないようなパートも多いです。演習問題も1級レベルなので、当然インプットしたばかりの人には厳しい問題もあります(そもそも1級レベルの演習は過去問で積めば良い?)。

私の使い方としては、⑤で紹介されていない経済指数の学習に使いました。あとは分散分析や主成分分析のパートを⑤と比較しながら読んだ?ぐらいです。

⑧薮友良「入門 実践する計量経済学」(東洋経済)

この本は計量経済学の授業の教科書として使用した本です。内容としては学部レベルの計量経済学が説明されており、⑤⑥⑦にない内容としてはパネル分析や操作変数法が扱われています。ロジスティック回帰や時系列分析の章もあり、⑤⑥⑦と見比べるのも良いでしょう。個人的には操作変数法の説明がわかりやすかったです。

ただパネル分析や操作変数法は出題実績に乏しいので、優先順位は低い?かもしれません。

⑨ 西山慶彦ほか「計量経済学」(有斐閣)

こちらは主に大学のゼミで使用した本であり、検定試験とは直接関係ないかもしれませんが、私が統計を勉強するきっかけになった本なので入れてみました。扱っている分野には⑧とほぼ同様です。ただ⑧より高度な内容も多く、かつ大部なのでここまでやる必要はないかもしれません。

また繰り返しですが、操作変数やパネル分析などは出題実績に乏しいので、優先順位は低いでしょう。

5.3 特に参考にしたwebページ

↑1級の実施要項が掲載されています。実施の情報は変化する可能性がありますので、必ず最初に確認しておきましょう。また最新年度の過去問はここから無料でダウンロードできます。

↑応用の全分野を合格された方の記事です。社会科学の受験記はあまりないので、受験期には重宝させていただきました。

他にも多数の記事を参照させていただきました。

6.検定を受けて

半分院試のついでに受けた統計検定1級でしたが、個人的には受けて良かったと思います。

対策をしたおかげで統計学全般に対する見識が深まったと感じますし、論文を読む時も前より深く理解できるようになった(気がします)。問題自体も、名だたる先生方が作成されていて非常に良質ですし、大学生の方は大学受験や期末試験の対策のノリで臨まれると良いかもしれません。逆に数学要素が強いので、数学に触れてこなかった、あるいは社会人で数学に触れる機会が減ってしまった方には結構大変かもしれません。その意味で、社会人でこの資格取られた方はスゴイです。

この資格が将来に活きるかは分かりません。が、ネットや周りの社会人に聞く感じ、役に立たないというわけでもなさそうです。統計学はたまたデータサイエンス自体、解析ソフトの使い方が分かれば、理論の知識がなくても解析"自体"はできてしまいます。ですが、中で何が行われているか分からない、いわゆる「ブラックボックス」になりがちです。理論を理解した上で日々の統計解析に臨まれると、実務の幅も広がるのではないでしょうか。

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