こんにちは、神崎 蓮です。
大手IT企業でアプリ開発をやっていた頃から独立して、ソロデベロッパー(個人開発者)になって4年が経ちました。
個人開発をしていると、誰もが一度はこんな体験をしたことがあるんじゃないでしょうか?
「神アイデア思いついた!AIにコード書かせて3日で爆速リリースだ!」
↓
「結果:ダウンロード数、累計12件(うち自分と家族で4件)」
……はい、僕も昔は何度もやらかしました(涙)。
いくらSwiftUIやClaude/ChatGPTを使って爆速で高品質なアプリを作れる時代になったとしても、「そもそも誰もお金を払いたがらない市場(レッドオーシャン、あるいは無人島)」でアプリを出してしまったら、100%爆死します。
この記事では、僕が個人開発で新しいアプリの企画(テーマ選定)や市場調査をするときに実践している「失敗しないリサーチの手順」と、iTunes RSS APIを使って競合データをサクッと自動取得するPythonスクリプトをご紹介します。
専門知識がなくても1時間くらいでサクッと試せる内容にしているので、ぜひ次のアプリ開発の参考にしてみてください!
1. 個人開発者が「絶対にやってはいけない」企画の立て方
まず、ありがちな失敗パターンから。
- 自分が欲しいだけの超ニッチなツールを作る(需要が少なすぎて誰も買わない)
- 大企業が牛耳っている領域に正面突破する(例:既存のタスク管理アプリ、ToDoアプリなど)
- アイデア段階でプロトタイプを作り始めてしまう(市場確認ゼロで1ヶ月過ごす)
個人開発者(solo-dev)の最大の強みは「小回りの早さとニッチなスキマ市場を突くこと」です。
大手が手を出さない、でも「毎月チャリンチャリンとお金を払ってくれる一定数のファンがいるスキマ領域」を探すのが勝ちパターンになります。
2. 失敗しないリサーチの4ステップ
僕が新しいアプリを企画する時は、コードを1行も書く前に必ず以下の手順で市場を見ています。
Step 1: 仮説を立てる(こんな課題あるのでは?)
「最近、動画の文字起こしをサクッとローカルでやりたいニーズ増えてないか?」みたいなざっくりしたひらめきでOKです。
Step 2: App Store / Google Playでカテゴリ上位・キーワード検索
実際にストアで関連キーワードを検索し、どんなアプリがすでに存在するかを確認します。
Step 3: 競合アプリの「ランキング」と「マネタイズ構造」の確認
ここが一番重要です。
- ダウンロード数や収入ランキングに入っているか?
- 無料アプリか、月額サブスクか、買い切りか?
このステップでは、既存の分析ツールをサクッと使うのが手軽です。
僕自身は、全体的なダウンロード排行や収入排行、パブリッシャー(発行商)のランキングを手軽に確認できるApparkという無料の移動アプリデータ分析ツールをよく覗いています。無料なのにApp StoreとGoogle Play両方のデータをカバーしていて、競合のモニタリングやランキング傾向をざっくり把握するのに重厚すぎずちょうど良い使い勝手です。(※ただしASOや広告出稿の分析機能はないシンプルなツールなので、あくまで全体の市場感や競合のランキング状況を見る目的で使っています)
「あ、このジャンルって実は無料アプリばかりで課金モデルが成立してないな」とか「ダウンロードは少ないけど収入ランキングの上位にいる(=単価が高いサブスクが売れてる)」といった傾向が見えてきます。
Step 4: 競合のレビュー(不満点)を抽出する
ストアのレビュー欄で「★2〜★3」の評価を読み込みます。
- 「〇〇の機能は良いのに、UIが重すぎる」
- 「オフラインで使えないのが不便」
- 「〇〇機能のアップデートで改悪された」
この「不満点(ペイン)」こそが、あなたの新アプリの目玉機能になります。
3. 【実践コード】iTunes Search APIで競合データを自動分析する
「ストアで1つずつ検索して調べるのが面倒…」という方のために、Pythonで指定したキーワードの上位アプリ情報を取得し、JSON / CSV化する軽量スクリプトを作成しました。
Appleが公式で提供している無料の API ([https://itunes.apple.com/search](https://itunes.apple.com/search)) を使っているので、APIキーなども不要で誰でもすぐに動かせます。
Pythonスクリプト (app_research.py)
import json
import urllib.parse
import urllib.request
import pandas as pd
def search_app_store(term, country="jp", limit=20):
"""
App StoreのAPIから指定キーワードのアプリ情報を取得する関数
"""
base_url = "[https://itunes.apple.com/search](https://itunes.apple.com/search)"
params = {
"term": term,
"country": country,
"entity": "software",
"limit": limit
}
url = f"{base_url}?{urllib.parse.urlencode(params)}"
req = urllib.request.Request(
url,
headers={"User-Agent": "Mozilla/5.0"}
)
try:
with urllib.request.urlopen(req) as response:
data = json.loads(response.read().decode("utf-8"))
results = data.get("results", [])
app_list = []
for item in results:
app_info = {
"Title": item.get("trackName"),
"Developer": item.get("artistName"),
"Price": item.get("price", 0),
"Rating": item.get("averageUserRating", 0),
"Reviews": item.get("userRatingCount", 0),
"Primary_Genre": item.get("primaryGenreName"),
"Bundle_ID": item.get("bundleId"),
"URL": item.get("trackViewUrl")
}
app_list.append(app_info)
return pd.DataFrame(app_list)
except Exception as e:
print(f"Error fetching data: {e}")
return None
if __name__ == "__main__":
# 調査したいキーワードを指定 (例: "ポモドーロ タイマー")
keyword = "ポモドーロ タイマー"
print(f"『{keyword}』の市場データを取得中...")
df = search_app_store(keyword, country="jp", limit=15)
if df is not None and not df.empty:
# レビュー数が多い順にソート
df_sorted = df.sort_values(by="Reviews", ascending=False)
print("\n--- 取得結果(上位15件) ---")
print(df_sorted[["Title", "Price", "Rating", "Reviews"]].to_string(index=False))
# CSVファイルとして保存
df_sorted.to_csv("app_research_result.csv", index=False, encoding="utf-8-sig")
print("\n`app_research_result.csv` に保存しました!")
実行方法
pip install pandas
python app_research.py
取得例(ターミナル出力イメージ)
『ポモドーロ タイマー』の市場データを取得中...
--- 取得結果(上位15件) ---
Title Price Rating Reviews
Focus To-Do: ポモドーロタイマー 0.0 4.6 12400
Focus Plant - 集中力 タイマー 0.0 4.7 3500
TickTick: 習慣トラッカー 0.0 4.5 2800
...
このコードを実行してCSV出力すれば、「平均評価が高いのにレビュー数が少ない穴場ジャンル」や「有料アプリでも売れている価格帯」を一覧で確認・分析できるようになります。
4. まとめ:作る前に「勝ち筋」が見えている状態を作ろう
AIの登場によって、コードを書く時間(開発コスト)は格段に下がりました。
だからこそ、個人開発者が次に勝負すべきは**「何を作るか(企画とリサーチ)」**の精度です。
- 手動&ツール(Appark等)でざっくり全体のランキング・収入傾向を掴む
- スクリプトを回して個別アプリの評価や価格帯をリスト化する
- ユーザーの不満(★2〜3のレビュー)から新アプリの勝ち筋を見つける
この一連のリサーチをしてから開発に入るだけで、せっかく作ったアプリが誰にも使われないという悲劇を激減させることができます。
みなさんの個人開発ライフのヒントになれば嬉しいです!
それでは、良い開発ライフを!