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サクっと作った英語学習サービスがバズって1週間以内にやったこと

Last updated at Posted at 2022-01-21

要約

Qiita記事がトレンドインすると、瞬間的にWebサービスへのアクセス数が急増するが、数日でアクセス数は元に戻ってしまう。
そこで以下の施策を速攻で打ってバズっているうちに有益な学びを得るべきと考え、本記事はそれを実践した結果を実データと合わせて説明している。

  • 事前登録フォームを作って興味を持ってくれた人と繋がる
  • Twitterやはてぶのコメントからどうして興味を持ってくれたのか考察する
  • 有料機能を作って単なるバズなのか、本当にニーズがあるのか判断できるようにする

バズる1週間前にやっていたこと

3日でツールをサクッと作った

英語面接や仕事で海外の人とやりとりをするときに「ちょっと難しい質問」をされると、途端に5歳児になってしまう自分が恥ずかしくなり、DeepLで英語の勉強をするツールを作った
自分が使うだけのつもりだったので、アカウント機能などはなく、コアな機能1つを実装しただけで、休日3日程度で作った。

作ったもの

人に見せたけど反応はあまり良くなかった

自分で使ってみて思っていた以上に学習効果が高かったので友人に見せたが、あまり興味を持ってもらえなかった
Twitterやnoteでも共有をしたが、2,3人が使ってくれただけだったので、ダメかあと思った。

供養のつもりで記事を書く

せっかく作ったので供養のつもりで、英語面接で5歳児みたいなことしか言えないからカッとなってWebサービス作った という記事を書いた。
内容はサービスを作った経緯と、使い方と、ちょっとした技術的な内容。

想定外にバズった

投稿してからすぐに凄まじい勢いでシェアされた。

  1. Qiita 1000LGTM
  2. はてぶ 1543ブックマーク
  3. Gigazineで記事にしてもらえた
  4. Twitterのフォロワー数が20人から720人に増えた
  5. 作ったサービス2.2万UU/12万PVのアクセス

バズった要因については、コメントなどから自分で考察するに、

  • 無職やめ太郎(本名)さんがRTしてくれた
  • タイトルの「英語面接」「5歳児」というワードが刺さった
  • 「AIが人間に英語を教える」というのがキャッチーだった
  • DeepLを英語学習に取り入れるアイディアが面白かった
  • ログイン不要で気軽に試せて、数問解いただけで効果を実感できるのがよかった

「英語で話すと5歳児になってしまう気持ちがわかる」というコメントがたくさんあったので、半分くらいはタイトルのキャッチーさが占めているように感じます。何事も第一印象で興味を惹きにいくことは重要かと思います。

バズった1週間でやったこと

ここからが本編になります

1日目 事前登録フォームを設置する

まずLGTMが20くらいついてすぐにやったことは、事前登録ボタンの配置です。
目立つところに事前登録ボタンを配置し、リンク先にGoogleFormを設定しました。

スクリーンショット 2022-01-21 0.09.21.png

GoogleFormには以下の質問項目を入れました。

  • 名前
  • 連絡先
  • 許容できる連絡頻度
  • サービスに期待すること

この事前登録ボタンを配置したのはすごくよかったです。具体的によかったことを2つあげます。

よかったこと① サービスに興味を持ってくれた人のコンタクト先が手に入る

スクリーンショット 2022-01-21 0.15.50.png
※ Englisterの実際のGoogle Analyticsスクリーンショット

バズでやってきたユーザはすぐにいなくなります
自分は何度かQiitaでデイリートレンドに入ったことがありますが、そこで紹介したWebサービスへのアクセス数は必ずといっていいほど1日ごとに半減します。1週間程度で外部からのアクセスはほぼゼロになります。これはもはや法則と言っていいくらい毎回そうなります。
興味を持ってくれた人とのコネクションが完全に失われてしまうのです。せっかくその後にサービスを改善をしてもそれを伝える術がないのはもったいないと思います。
連絡先をもらうことで、サービスに大きな更新をした際に再度見てもらえる機会を得ることができます

よかったこと② 具体的にどんなことが期待されているか分かる

スクリーンショット 2022-01-21 0.11.20.png
※ Englisterに実際に寄せられたコメント

事前登録者は全部で800名いたのですが、そのうち282名は何かしらのコメントを残してくれました。
このコメントリストが非常に示唆的で、ユーザが何を期待して何を求めているか分かります
サービス改善をするときはこのリストをみて機能追加を決めていきました。

補足

事前登録ボタンは目立つところに置いていたのですが、目立たないところに**「有料機能」ボタン**も配置していました。
これもGoogleFormにつながっていて以下の質問を聞きました。

  • 有料でも使いたいか
  • 欲しい有料機能はあるか

「なんとなくいい」と「お金を払ってでも使いたい」の間にある大きな壁を越えられるかのアンケート調査を目的としていました。

2日目 記事への反応を収集する

Qiitaの実際の記事へのコメントは0件なのですが、Twitterおよびはてなブックマークには多くのコメントが寄せられがちです。
エゴサーチをしてコメントを収集しました。

コメントを収集する際は、ざっくりとしたカテゴリ分類をして、後から以下のような分析ができるようにしました。

  • なぜバズったのか
  • 刺さるターゲットはどこなのか
  • 他に刺さりそうなターゲットはどこなのか
  • 今後の機能開発方向性
  • どういう機能が不足しているか
  • どういう機能があればもっと喜ばれるか

Twitterやはてなブックマークのコメントは、ポジティブなコメントもネガティブなコメントもあるので非常に参考になります。

1日目~6日目 Twitterで毎日機能追加をレポート

バズってから今日まで毎日何かしらの機能追加を実施して、Twitterで進捗報告をしました。
何を優先して開発するか というところも戦略的に考えてやっていたので説明したいと思います。

1日目 ランディングページの改善

テキトーだったLPを改善して、クチコミでアクセスしてきた人にも分かるようにしました。

2日目 アカウント機能の作成

最も要望の多かった学習履歴の実装のために、アカウント機能を作成しました。

3~5日目 有料機能の実装

Englisterのニーズが**「本当にお金を払ってもいいレベルなのか」を検証するため**に、課金機能の実装をいかにスピーディにできるかに賭けていました。

6日目 休憩

平日は会社員として働きつつ、休日は丸一使って上記の開発を根を詰めて開発していたので流石に疲れました。

Twitterで進捗報告をするのはオススメ

機能開発の進捗は今日もまだ続けているのですが、次のようないいことがありました。

  • フォロワーから反応がもらえる
  • 毎日やらなきゃと思える(モチベアップ)
  • スクショや動画にしたときにインパクトのある機能を開発しようという気持ちになる

7日目 事前登録者にメールを出してニーズ検証

じっくりテストをして課金機能でバグがないかチェックをした上で、有料機能ができたことを事前登録者800名にメールを送りました。
興味を持ってくれた人の何人が**「お金を出してでも使いたいのか」**を検証しにいきました。

スクリーンショット 2022-01-21 0.55.01.png

上記が実際のリリースから今日まで(約3週間)の総売上になります。総額としては大した金額ではないかもしれないですが、課金をしてでも使いたいと思ってくれる人がいることがわかりました。

その後について

バズから1週間を経過すると、記事からのアクセス流入は激減します。
ユーザのフィードバックや行動データを収集できる機会は圧倒的に減ることになります。
ある意味では、焦らず落ち着いてサービス改善に取り組める時間が訪れることになります。

アクティベーションとリテンションの強化

1-bPvD5wkungW-9hrCVckaBA.png

サービスについて考えるとき、自分は上の図の顧客ファクトリーで考えるのが好きです。
どれだけ①Acquisitionで人を呼び込んでも、②Activationや③Retentionが低ければ、穴の空いたバケツに水を注ぐ状態になります。

よってユーザ数が落ち着いてきたタイミングで、アクティベーションとリテンションの改善をする機能追加を始めました。
具体的には以下を実施しました。

  • アクティベーション強化
  • LP改善
  • トライアル問題の改善
  • ユーザ登録を促すポップアップの作成
  • リテンション強化
  • 音声認識 / 音声再生
  • フレーズ機能
  • Discordコミュニティの作成

あとはflutterでアプリを作りたいが、やったことがないしアプリ作り直しになるからちょっと腰が重い。。

納得できるまでプロダクトが磨き上がったら

ここから先はまだ見ぬ領域ですが、以下のようなことができるのではないかと想像しています。

  • バケツの穴が納得できるくらい小さくなってユーザ定着が見込めると判断できたら、小規模なユーザの呼び込みを実施して定着するか調査する
  • ユーザが定着したら売上を作る
  • さらなる売上創出のため塾や学校などへのtoB展開や別言語対応をして海外展開するなどの顧客ピボットを検討する

まとめ

バズってから1週間というボーナスタイムに自分がやってよかったことをまとめた。

  • 事前登録フォームを作って興味を持ってくれた人と繋がる
  • いなくなってしまう前に連絡先を入手しておく
  • コメント欄を置いておくとたくさんコメントもらえる
  • Twitterやはてぶコメントからどうして興味を持ってくれたのか考察する
  • なぜ興味を持ってくれたのか、何を求められているかが機能改善につながる
  • 有料機能を作って単なるバズなのか、本当にニーズがあるのか判断できるようにする
  • 「お金を払ってでも使いたいのか」は重要な指標。最初の1週間で一番最初に開発してよかった。

Twitterではまだ毎日進捗を報告しているので、よければフォローお願いします!!

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