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ハッカソンで救急搬送された話 —— 「マネジメント負債」と「身体というリソース」の限界

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この記事は Progate Path コミュニティ Advent Calendar 2025 9日目の記事です。

はじめに

2025年11月、私は「58ハッカソン@関西学院大学」に出場しました。結果から言うと、プロジェクトは完遂できず、私は宿で倒れて救急搬送されるという、エンジニア人生で最も過酷な経験をしました。

幸い身体に大きな異常はありませんでしたが、この失敗から得た「マネジメント」と「セルフケア」に関する教訓は、全てのエンジニアに共有すべき重いものだと感じています。

チーム構成と技術選定

チームは5人構成で、技術スタックは以下のように選定しました。

  • メンバー構成:
    • 筆者: PM、テックリード、FEチームリーダー、メイン実装
    • Aさん: FE(スタイリング苦手)
    • Bさん: BEリーダー、メイン実装
    • Cさん: BE、デザイン
    • Dさん: BE
  • 技術選定:
    • Backend: Flask (メンバー3人がPythonを使えたため)
    • Frontend: Tailwind CSS + Alpine.js (学習コスト低減のため)

JSを書けるのが自分一人、Git未経験者が複数人という状況下で、私は「自分が動けばなんとかなる」という過信を抱いたままスタートを切りました。

崩壊のタイムライン

ハッカソン期間中、私の心身は段階的に蝕まれていきました。

  1. 初期(1〜3日目): 睡眠時間を削り作業。不眠状態に陥り、寝ようとしても脳がコードを書き続け、リラックスできなくなる。
  2. 中期(4日目~): ストレスによる嘔吐。食欲不振だが、ストレス解消のために無理やり食べ物を詰め込むという矛盾した行動をとる。
  3. 終盤(最終日前夜): 宿で徹夜のコーディング。朝6時に再度嘔吐。
  4. 強制終了: 限界を感じて仮眠をとるも、チェックアウト時間になっても意識が戻らず(反応がなく)、同室の参加者により救急搬送。

診断結果は「内科的異常なし」。精神的な極限状態による身体のシャットダウンでした。

なぜ失敗したのか:3つの分析

1. 「マネジメント負債」の可視化不足

本来、PM・テックリード・実装者の役割は分担すべきものです。私はこれらを一人で抱え込み、コンテキストスイッチのコストを無視しました。「自分がやった方が早い」という思考は、チームを「自分がいなければ何も進まない」というSPOF単一障害点)に陥らせました。

2. 身体からの警告を「正常系」と誤認した

  • 不眠や焦燥感 → 「やる気がある」
  • 夢でのコーディング → 「ゾーンに入っている」

これらは本来 CRITICAL ERROR として処理すべきアラートでしたが、私は WARNING 程度にしか捉えていませんでした。人間の身体は無限のリソースではありません。

3. 技術レベルの不一致と教育コストの軽視

チーム内にGit未経験者がいる中で、教育コストをスケジュールに組み込まず、機能削減の判断も遅れました。報連相の習慣がない環境では、進捗確認そのものが高コストなタスクとなり、さらに私のリソースを削っていきました。

得られた教訓

この経験から、以下の3点を強く心に刻んでいます。

  1. 「機能削減」は勇気ある決断である
    ハッカソンのような短期間プロジェクトでは、教育よりも「今あるリソースでできること」への機能削減を優先すべきでした。
  2. 撤退も戦略の一つ
    「完走すること」を目的にしすぎた結果、健康という最も重要な資産を危険にさらしました。時には「諦める」という選択肢をテーブルに乗せる勇気が必要です。
  3. 身体のアラートを無視しない
    エンジニアにとって、脳と身体は唯一のハードウェアです。ハードウェアが故障すれば、どんなに優れたソフトウェアも動きません。

最後に

プロジェクトとしては失敗でしたが、この経験を通じて「人間の限界」と「チームビルディングの本質」を学ぶことができました。

もし今、無理なスケジュールや属人化に苦しんでいる方がいたら、私の二の舞になる前に、一度立ち止まって「機能削減」や「役割分担」を検討してみてください。

健康な身体があってこその、楽しい開発です。

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