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CentOS 7のパブリックミラーサイトのディレクトリ構成

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この投稿ではCentOS 7のパブリックミラーサイト(一例として、 http://mirror.centos.org/centos/7/ )のディレクトリ構成を説明する。

各ディレクトリの説明

centosplus

CentOSPlusリポジトリを含むディレクトリ。このリポジトリにはbaseリポジトリやupdatesリポジトリに含まれるパッケージの一部へCentOS独自の拡張パッチを当て機能拡張したパッケージが配置されている。デフォルトではyumのリポジトリとしては無効になっているので、利用するには明示的に有効にする必要がある。

cr

CR(continuous release)リポジトリを含むディレクトリ。このリポジトリには次期ポイントリリースに含まれるパッケージが配置されている。この配置が行われるのは次期ポイントリリースの数日前であり、事実上、リリース候補版に相当する。ポイントリリースが行われた後はここに配置されたパッケージは移動させられ、なくなることになる。CentOS 7ではデフォルトではyumのリポジトリとしては無効になっているので、利用するには明示的に有効にする必要がある。CentOS 6までは無効ではなく、リポジトリ設定さえされていなかった。

extras

CentOS Extrasリポジトリを含むディレクトリ。このリポジトリにはRHELで提供されているが十分にテストされていないパッケージが配置されている。つまりどういうことかと言うと、updatesリポジトリ(や、大抵のbaseリポジトリ)にあるパッケージは、通常は新しいパッケージが提供されてもバックポートによる対応となるため、バージョン番号が上がることはなくパッチ番号が増えるだけだが、extrasリポジトリに置かれるのは進化が速すぎる等の理由でバックポートによる対応ができないので、都度新しいバージョンを提供することにしたパッケージである。デフォルトでyumのリポジトリとして有効になっている。

fasttrack

CentOS-Fasttrackリポジトリを含むディレクトリ。このリポジトリは次期ポイントリリースに含まれる予定のパッケージを何らかの理由で先行して公開するためのものであり、CRと違って常設である。デフォルトではyumのリポジトリとしては無効になっているので、利用するには明示的に有効にする必要がある。

isos

このディレクトリにはCentOSのインストールイメージとなるISOファイルを配置する。ポイントリリースごとに中身は固定であり変更されない。CentOS 7においては現在のところ以下のようなISOファイルが配置されている。

  • DVD.iso

Everything.isoからDVD1枚に収まるように、使用頻度が低いと思われるパッケージを取り除いたものである。CentOS 6におけるDVD1.isoに相当する。

  • Everything.iso

CentOSのインストーラに、そのポイントリリースで提供されるすべてのbaseリポジトリに含まれるパッケージを同梱したものである。CentOS 6におけるDVD1.isoとDVD2.isoをまとめて1つのISOファイルにしたもの、と考えることができる。

  • GnomeLive.iso

デスクトップ環境をGNOMEにしたライブイメージ(インストールせずにOSを起動可能にしたイメージ)である。

  • KdeLive.iso

デスクトップ環境をKDEにしたライブイメージである。

  • Minimal.iso

Everything.isoから「最小限のインストール」に含まれるパッケージ以外を取り除いたものである。OSインストール時に使用すると必ず「最小限のインストール」となる。

  • NetInstall.iso

Everything.isoからすべてのパッケージを取り除いたものである。OSインストール時にはパッケージ参照元としてインターネット上のパブリックミラーが選択される。

  • livecd.iso

GnomeLive.isoからCD1枚に収まるように、使用頻度が低いと思われるパッケージを取り除いたものである。

os

このディレクトリに配置されるのはEverything.isoの中身そのものであり、OSインストール時にはパッケージ参照元として利用可能である。ポイントリリースごとに中身は固定であり変更されない。またbaseリポジトリを兼ねる。baseリポジトリに含まれるのはそのポイントリリースで標準として提供されるパッケージである。これらのパッケージはRHELでも提供されているが、CentOSではRed Hatの商標関係などを取り除いたり、Red Hatの何かが参照先となっている箇所を変更したりしている。baseリポジトリはデフォルトでyumのリポジトリとして有効になっている。

updates

updatesリポジトリを含むディレクトリ。このリポジトリには次期ポイントリリースまでに提供された、baseリポジトリのパッケージに対するアップデートが配置されている。デフォルトでyumのリポジトリとして有効になっている。

おわりに

このページはCentOS 7のCRにパッケージが公開されたのを記念して書いてみた。
つまりこれを書いた2015-03-18時点でCentOS 7.1.1503のリリースがもう近づいている、ということである。
ただ、 http://seven.centos.org/2015/03/centos-7-next-release/ にはCentOS 7.1.1503は3月18日から20日のリリース予定となっているが、CRのパッケージ公開が13日から14日予定だったのが遅れたので、リリースも多少遅れるかもしれない。

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