LoginSignup
7
5

More than 5 years have passed since last update.

CentOS 7のパブリックミラーサイトのディレクトリ構成

Posted at

この投稿ではCentOS 7のパブリックミラーサイト(一例として、 http://mirror.centos.org/centos/7/ )のディレクトリ構成を説明する。

各ディレクトリの説明

centosplus

CentOSPlusリポジトリを含むディレクトリ。このリポジトリにはbaseリポジトリやupdatesリポジトリに含まれるパッケージの一部へCentOS独自の拡張パッチを当て機能拡張したパッケージが配置されている。デフォルトではyumのリポジトリとしては無効になっているので、利用するには明示的に有効にする必要がある。

cr

CR(continuous release)リポジトリを含むディレクトリ。このリポジトリには次期ポイントリリースに含まれるパッケージが配置されている。この配置が行われるのは次期ポイントリリースの数日前であり、事実上、リリース候補版に相当する。ポイントリリースが行われた後はここに配置されたパッケージは移動させられ、なくなることになる。CentOS 7ではデフォルトではyumのリポジトリとしては無効になっているので、利用するには明示的に有効にする必要がある。CentOS 6までは無効ではなく、リポジトリ設定さえされていなかった。

extras

CentOS Extrasリポジトリを含むディレクトリ。このリポジトリにはRHELで提供されているが十分にテストされていないパッケージが配置されている。つまりどういうことかと言うと、updatesリポジトリ(や、大抵のbaseリポジトリ)にあるパッケージは、通常は新しいパッケージが提供されてもバックポートによる対応となるため、バージョン番号が上がることはなくパッチ番号が増えるだけだが、extrasリポジトリに置かれるのは進化が速すぎる等の理由でバックポートによる対応ができないので、都度新しいバージョンを提供することにしたパッケージである。デフォルトでyumのリポジトリとして有効になっている。

fasttrack

CentOS-Fasttrackリポジトリを含むディレクトリ。このリポジトリは次期ポイントリリースに含まれる予定のパッケージを何らかの理由で先行して公開するためのものであり、CRと違って常設である。デフォルトではyumのリポジトリとしては無効になっているので、利用するには明示的に有効にする必要がある。

isos

このディレクトリにはCentOSのインストールイメージとなるISOファイルを配置する。ポイントリリースごとに中身は固定であり変更されない。CentOS 7においては現在のところ以下のようなISOファイルが配置されている。

  • DVD.iso

Everything.isoからDVD1枚に収まるように、使用頻度が低いと思われるパッケージを取り除いたものである。CentOS 6におけるDVD1.isoに相当する。

  • Everything.iso

CentOSのインストーラに、そのポイントリリースで提供されるすべてのbaseリポジトリに含まれるパッケージを同梱したものである。CentOS 6におけるDVD1.isoとDVD2.isoをまとめて1つのISOファイルにしたもの、と考えることができる。

  • GnomeLive.iso

デスクトップ環境をGNOMEにしたライブイメージ(インストールせずにOSを起動可能にしたイメージ)である。

  • KdeLive.iso

デスクトップ環境をKDEにしたライブイメージである。

  • Minimal.iso

Everything.isoから「最小限のインストール」に含まれるパッケージ以外を取り除いたものである。OSインストール時に使用すると必ず「最小限のインストール」となる。

  • NetInstall.iso

Everything.isoからすべてのパッケージを取り除いたものである。OSインストール時にはパッケージ参照元としてインターネット上のパブリックミラーが選択される。

  • livecd.iso

GnomeLive.isoからCD1枚に収まるように、使用頻度が低いと思われるパッケージを取り除いたものである。

os

このディレクトリに配置されるのはEverything.isoの中身そのものであり、OSインストール時にはパッケージ参照元として利用可能である。ポイントリリースごとに中身は固定であり変更されない。またbaseリポジトリを兼ねる。baseリポジトリに含まれるのはそのポイントリリースで標準として提供されるパッケージである。これらのパッケージはRHELでも提供されているが、CentOSではRed Hatの商標関係などを取り除いたり、Red Hatの何かが参照先となっている箇所を変更したりしている。baseリポジトリはデフォルトでyumのリポジトリとして有効になっている。

updates

updatesリポジトリを含むディレクトリ。このリポジトリには次期ポイントリリースまでに提供された、baseリポジトリのパッケージに対するアップデートが配置されている。デフォルトでyumのリポジトリとして有効になっている。

おわりに

このページはCentOS 7のCRにパッケージが公開されたのを記念して書いてみた。
つまりこれを書いた2015-03-18時点でCentOS 7.1.1503のリリースがもう近づいている、ということである。
ただ、 http://seven.centos.org/2015/03/centos-7-next-release/ にはCentOS 7.1.1503は3月18日から20日のリリース予定となっているが、CRのパッケージ公開が13日から14日予定だったのが遅れたので、リリースも多少遅れるかもしれない。

7
5
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
7
5