IETF125 HackathonにGatherTownからリモート参加してみた
はじめに
こんにちは!暗号のおねぇさんことGMOコネクト(GMOインターネットグループ エキスパート)の酒見です。
IETF125(2026年3月、深圳・中国)のHackathonに、今回はリモートで参加しました。
ここ最近は物理参加が続いていたのですが、今回は久々のリモート参加ということで、IETFが提供しているバーチャル会場「GatherTown」を使ってみました。
この記事では、GatherTownを使ったリモートHackathon参加の体験をレポートします。
IETFとHackathonについて
IETF(Internet Engineering Task Force)は、インターネットの技術標準を策定する国際的なコミュニティです。年に3回の会合が開催され、世界中からインターネットが大好きなエンジニアが集まります。
Hackathonは、IETF会合の最初の週末(土日)に開催されるイベントで、Internet-Draft(標準化文書のドラフト)の執筆やランニングコードの実装を行います。プロジェクトごとにテーブルが分かれており、参加者は自分のプロジェクトのテーブルに集まって活動します。
今回のIETF125 Hackathonは3月14日〜15日に開催され、583名が登録(現地474名、リモート109名)、57プロジェクトが参加しました。IETF125全体では1,692名が登録し、58カ国/地域から参加者が集まりました。ホストはCNNIC(中国互联网络信息中心)です。
今回取り組んだこと
今回のHackathonでは、主に以下の作業に取り組みました。
- Secure Hybrid Network Monitoring関連: Internet-Draftの修正、デモの改修
- Pairing-friendly curves(draft-irtf-cfrg-pairing-friendly-curves)関連: issueの確認、Internet-Draftの更新
チームメンバーの菅野さんも一緒に、オフィスのある渋谷セルリアンタワーに集まって、集中して作業しました。リモート参加とはいえ、オフィスに集まったことで、こじんまりとディスカッションしながら進められたのはよかったです。
GatherTownってなに?
GatherTownは、2Dのバーチャル空間上でキャラクター(アバター)を動かしながら、他の参加者とコミュニケーションできるツールです。IETFでは、リモート参加者向けにGatherTownの会場が用意されています。GatherTownへの接続方法など、IETFミーティングで使用されるツールの詳細はMeeting network and technologyを参照してください。

GatherTown全体マップ — IETFの各エリアやHackathonへの入口が見える

Hackathonのテーブル — プロジェクトごとにテーブルが分かれている。Hack Demo Happy Hourのときの様子ですが、GatherTownにはひとが...
GatherTownのよかったところ
参加している気分になれる
キャラクターを動かしながら会場をうろつけるので、物理参加に近い「その場にいる感」があります。デザインもかわいいので、歩き回るだけでも楽しいです。
Hackathonのテーブル構成がリアルと同じ
Hackathonもリアル会場と同じく、プロジェクトごとにテーブルが分かれています。自分のプロジェクトのテーブルに集まれるので、作業に集中しやすい構成でした。
近づくだけで会話・画面共有ができる
他の参加者のキャラクターに近づくと、自動的に音声通話や画面共有ができるようになります。複数人でも可能なので、プロジェクトメンバーでのディスカッションにも使えます。Zoomのようにわざわざ会議リンクを共有する必要がないのは、気軽でよいですね。
GatherTownの困ったところ
まだ使っている人が少ない
認知度がまだ広くないのか、GatherTown上の参加者は多くありませんでした。せっかくの交流機能も、人がいないと活きてきません。リモート参加者がもっと使うようになれば、盛り上がると思います。
まわりのプロジェクトの様子がわかりにくい
リアル会場では、隣のテーブルの様子をちらっと見たり、ホワイトボードの内容が目に入ったりと、自然に他のプロジェクトの雰囲気を感じ取れます。GatherTownだと、キャラクターが集まっている様子は見えるものの、具体的に何をしているのかまではわかりません。この「偶発的な情報収集」がないのは、リモートならではの課題だと感じました。
リモート参加で感じたこと
しばらく物理参加が続いていたので、今回のリモート参加で改めて「リアルの力」を実感しました。
リアル参加の場合、いつでも周りの参加者と気軽に議論できますし、分野が近くなくても話しかけやすい雰囲気があります。ドリンクや食事の提供もあり、長時間の作業でも快適です。
一番のダメージは、やはり他の参加者と気軽にコミュニケーションが取れないことでした。いつもなら、知り合いと会場でばったり会って、近況を聞いたり、彼らの技術動向をキャッチアップしたりできるのですが、今回はそれができず、少し寂しかったです。
一方で、時差がほとんどなかったのは助かりました。ヨーロッパやアメリカ開催の場合は時差ボケとの戦いになりますが、今回は深圳開催(日本との時差1時間)ということもあり、その影響なく過ごせました。リモートなので日本時間で活動できるのは大きなメリットです。
Hack Demo Happy Hourにも参加してみた
Hackathonの最後には、各プロジェクトの成果を発表する「Hack Demo Happy Hour」があります。人数が少なかったこともあり、GatherTownからこのHappy Hourにも参加してみました。
作成したデモやInternet-Draftは、今後公開予定です。
まとめ
GatherTownは、リモート参加でもHackathonの雰囲気を味わえる良いツールだと感じました。アバターで会場を歩き回り、近くの人と自然に会話できるUIは、従来のビデオ会議にはない体験です。もっと多くの人が使うようになれば、リモート参加のクオリティはぐっと上がると思います。
ただ、やっぱりIETFの醍醐味は、現地で人と会って話すことだと思います。廊下での立ち話から生まれるアイデアや、食事を共にしながらの議論は、リモートでは代替できません。
次のIETF126が今から楽しみです。今度は現地で参加したいです!
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