Claude Code を使っていると、こんな場面に出くわします。「公式アカウントのレート制限に引っかかる」「コストを抑えたい」「別の互換APIを試したい」。
実は Claude Code は、環境変数を差し替えるだけでOpenAI互換のサードパーティAPIやゲートウェイ経由で動かせます。この記事では、その設定手順を公式の仕様に沿って整理します。
結論(先に要点)
- 鍵になる環境変数は
ANTHROPIC_BASE_URL(リクエストの送り先)と認証ヘッダ1つ - 認証は2系統:
ANTHROPIC_AUTH_TOKEN(Authorization: Bearer)かANTHROPIC_API_KEY(X-Api-Key) - 設定方法は2つ:シェルの
export、またはsettings.jsonのenv - 戻すのは
unset一発。リスクは低い
こんな人向け
- 公式以外のエンドポイントで Claude Code を動かしたい
- レート制限やコストで別の選択肢を探している
- 環境変数の意味をちゃんと理解して設定したい
押さえる環境変数(公式定義)
まず、何を設定するのか。公式ドキュメントの定義はこうです。
| 変数 | 役割 |
|---|---|
ANTHROPIC_BASE_URL |
APIの送り先を上書き(プロキシ/ゲートウェイ経由にする) |
ANTHROPIC_AUTH_TOKEN |
Authorization ヘッダの値(自動で Bearer が前置される) |
ANTHROPIC_API_KEY |
X-Api-Key ヘッダとして送られるキー |
ANTHROPIC_MODEL |
使うモデル名 |
ゲートウェイ系は ANTHROPIC_AUTH_TOKEN(Bearer)を使うことが多く、Anthropic式の直接認証は ANTHROPIC_API_KEY(X-Api-Key)を使う、という住み分けです。
⚠️ 公式の注意点:
ANTHROPIC_API_KEYをセットすると、ログイン中でもサブスクリプションではなくそのキーが使われます。元に戻すにはunset ANTHROPIC_API_KEY。
Step 1. シェルで設定する(その場で試す)
一番手軽なのは、シェルで環境変数を export してから起動する方法です。
macOS / Linux / WSL:
export ANTHROPIC_BASE_URL="https://your-gateway.example.com"
export ANTHROPIC_AUTH_TOKEN="your-token"
export ANTHROPIC_MODEL="your-model-id"
claude
Windows PowerShell:
$env:ANTHROPIC_BASE_URL = "https://your-gateway.example.com"
$env:ANTHROPIC_AUTH_TOKEN = "your-token"
claude
毎回のセッションで有効にしたいなら、export 行を ~/.zshrc や ~/.bashrc に追記します。
💡 サードパーティAPIの一例として、複数モデルを1つの窓口にまとめられるゲートウェイ EvoLink などがあります。
ANTHROPIC_BASE_URLをそのエンドポイントに向け、ANTHROPIC_AUTH_TOKENにキーを入れれば動きます。設定の考え方は他の互換APIでも同じです。
Step 2. settings.json で永続化する
毎回 export するのが面倒なら、settings.json の env キーに書く方法があります。こちらは起動方法に関係なく効きます。
{
"env": {
"ANTHROPIC_BASE_URL": "https://your-gateway.example.com",
"ANTHROPIC_AUTH_TOKEN": "your-token",
"ANTHROPIC_MODEL": "your-model-id"
}
}
置き場所でスコープが変わります。
| ファイル | 適用範囲 |
|---|---|
~/.claude/settings.json |
自分の全プロジェクト |
.claude/settings.json |
プロジェクト全員(gitに入る) |
.claude/settings.local.json |
このプロジェクトの自分だけ |
⚠️ セキュリティ注意:
ANTHROPIC_AUTH_TOKENやANTHROPIC_API_KEYを.claude/settings.jsonに直書きするとgitに入ってしまいます。個人のキーはsettings.local.jsonに置き、.gitignoreに追加してください。
Step 3. 接続を確認する
起動したら、ちゃんとそのエンドポイント経由になっているか確認します。環境変数は起動時に読まれるので、変更したら claude を立ち上げ直してください。
echo $ANTHROPIC_BASE_URL # 送り先を確認
claude
起動後、簡単なプロンプト(「1+1は?」など)を投げて応答が返れば疎通OKです。
Step 4. 複数の設定を管理するなら CC Switch
サードパーティAPIを使い始めると、「公式」「ゲートウェイA」「ゲートウェイB」と設定を切り替えたくなる場面が出てきます。毎回環境変数を書き換えるのは面倒だし、ミスのもとです。
そこで便利なのが CC Switch(コミュニティ製の第三者ツール)。Claude Code / Codex / Gemini CLI などの設定プロファイルを、デスクトップアプリからワンクリックで切り替えられます。複数のエンドポイントを行き来するなら導入する価値があります。
⚠️ CC Switch は公式ツールではありません。導入時は最新の機能・対応状況をGitHubで確認してください。
ハマったポイント
サブスクに戻したいのにAPIキーが使われ続ける
ANTHROPIC_API_KEY をセットしていると、ログイン中でもそちらが優先されます。サブスクに戻すには明示的に解除します。
unset ANTHROPIC_API_KEY
MCP のツール検索が効かない
公式仕様で、ファーストパーティ以外のホストに ANTHROPIC_BASE_URL を向けると、MCPのツール検索がデフォルトで無効になります。プロキシが tool_reference を転送する構成なら、ENABLE_TOOL_SEARCH=true を追加します。
export ENABLE_TOOL_SEARCH=true
元に戻す(ロールバック)
サードパーティ設定をやめて公式に戻すのは簡単です。設定した環境変数を解除するだけ。
unset ANTHROPIC_BASE_URL
unset ANTHROPIC_AUTH_TOKEN
unset ANTHROPIC_MODEL
settings.json に書いた場合は、該当の env エントリを削除します。リスクが低いので、気軽に試して合わなければ戻せます。
注意:規約とコンプライアンス
サードパーティAPIを使う際は、利用するサービスの規約と、Anthropic 側の規約の両方を確認してください。「絶対にBANされない」といった保証はありません。あくまで自己責任で、正当な範囲での利用が前提です。
まとめ
冒頭の「レート制限」「コスト」「互換APIを試したい」——これらは環境変数の差し替えで対応できます。
-
ANTHROPIC_BASE_URLで送り先を変える - 認証は
ANTHROPIC_AUTH_TOKEN(Bearer)かANTHROPIC_API_KEY(X-Api-Key) - その場なら
export、永続化ならsettings.jsonのenv - 複数管理は CC Switch、戻すは
unset
設定自体は変数1〜2個で済みます。まずはシェルで試して、よければ settings.json に移すのがおすすめです。
参考(公式ドキュメント)