はじめに
完全オンラインでComputer Scienceの学位が取得できるUniversity of the Peopleについて紹介します。
University of the Peopleとは
完全オンラインで学位(経営、コンピュータサイエンス、健康科学、教育)を取得できるアメリカの大学で、2009年に設立されました。教育の機会を広く世界中の多くの人々に提供するという理念の下、学費が非常に安いのが特徴です。
University of the Peopleに入学した理由
理系ながら情報系ではない私は、ITについて体系的に勉強したいと思っていました。
せっかくなので英語で勉強できたらいいなと思い調べていると、オンラインでもコンピュータサイエンスの学位が取れる海外の大学をいくつか見つけました。
その中でもUniversity of the Peopleは
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単位認定制度がある
日本の大学で取得した単位も、指定の手続きを踏めば単位認定可能。 -
学費が安い
卒業までに$4,860 ≒ 70万円程度(2023年7月3日現在)
単位認定し、取得する科目が減ればその分安くなる。 -
自分のペースで進められる
リアルタイムでの授業はない。
1週間のサイクルで課題の提出期限が決められているため、それに向けてスケジュールを立てられる。
の点で他の大学よりも良さそうだなと感じました。
自分でお金を払って大学で勉強することで、学習習慣も自然と身につくのではないかという思いもあり、社会人2年目(2021年4月)に入学を決めました。
Computer Science学部の科目
Computer Science学部では、ITの基礎からプログラミング、数学統計学、機械学習、英語、その他一般教養科目を履修することができます。
科目例
- プログラミング基礎(Python、Java)
- Webプログラミング
- データベース
- OS
- 数学・統計学
- 機械学習
- 英語ライティング
授業の進め方
年間5学期あり、1学期(9週間)で1~3科目を履修することができます。
1学期での取得可能科目数はGPAによって決まるため、複数科目を履修するためには一定以上GPAを維持する必要があります。
授業は基本的に講義形式ではなく、毎週与えられた資料や動画から知識を得たり、自分で調べたりしながら課題に取り組んでいきます。科目の最終評価には講師だけでなく、生徒同士の相互評価が反映される課題もあります。
ウィークリータスク(1~8週目)
1~8週目は、以下のようなタスクがあります。
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Reading Assignment
毎週のテーマに沿った資料が用意されています。後々提出する課題に関わる内容のため、きちんと確認する必要があります。 -
Discussion Forum
与えられたテーマについて自分の意見をまとめて、掲示板に投稿します。
投稿後、他の生徒の意見に3回以上コメントし、ディスカッションを行います。 -
Writing Assignment (Programming Assignment)
与えられたテーマについてのエッセイや、プログラミングの課題を提出します。
翌週、生徒同士で評価を行います。 -
Learning Journal
今週学んだことを自分の文章でまとめたり、与えられた課題についてエッセイを書いたりします。 -
Graded Quiz
科目内で2回程度、中間テストがあります。試験監督はありません。
科目の難易度や知識レベルにもよりますが、今まで受講してきて1科目週10-20時間程度必要かなと思っています。
大学の公式のアナウンスでは、1科目週15時間以上の学習時間が必要と言われています。
期末テスト(9週目)
9週目は期末テストです。テスト期間内であれば、自分の好きな時間にテストを受けることができます。
科目によっては、遠隔で監視されながらテストを受けることもあります。
学士号取得要件
学士号の取得要件を主要なもののみ記載します。
- 必修科目を含め120単位(40科目)以上を取得していること。
別大学で取得した単位の認定制度あり。 - 50学期以内にすべての必要要件を満たす。
入学のために必要なこと
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英語能力証明
一定の英語力があることを証明するために、大学指定の検定・テストのスコアを提示する必要があります。
私は自宅で受験できるDuolingo English Testを受験しました。
スコアを持っていない場合、最初の1学期に英語のクラスを受講し基準を満たせば、入学が認められます。 -
入学申込金($60)
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学費は不要(科目の評価を受ける時に$120を支払う)
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入学時期は任意
2年経過しての感想
2021年4月に入学したので、入学してから2年が経ちました。毎週の課題は資料を読み込んだり、ある程度の分量の文章を書いたりと、気合を入れて取り組む必要があると感じています。無理せず仕事との両立を図るため、基本的に1学期1科目ずつ受講しています。
Javaやデータベースの科目は直接業務にかかわる内容だったため、現場でも非常に役立ちました。ただ、今まで様々な科目を受講してきて一番成長を感じているのは、英語で説明するスキルです。毎週エッセイの課題をこなし、他の生徒と意見交換をすることで、分かりやすく論理的に書くトレーニングをする機会が嫌というほどあるおかげだと思います。講師からも課題のフィードバックをもらえるので、反省点を次に生かすことができています。
また、相互評価の課題ではいろいろな国の生徒とのやり取りがあり、個性や説明の仕方、英語の使い方などに違いがみられて面白いです。エッセイの書き方が上手だなという人とコミュニケーションをとったり、やり方を参考にしたりしています。相互評価でポジティブなメッセージがもらえるとやはり嬉しく励みになります。
まとめ
完全オンラインで学位が取得できる大学、University of the PeopleのComputer Science学部について簡単に紹介しました。基礎から学びたい方、英語で学びたい方、学習習慣を身に着けたい方におすすめです。