【Obsidian × Cursor】メモ管理の沼から抜け出し、AIで自分専用のエコシステムを構築する方法
散らかったメモと、定着しない管理ルール
最近、ObsidianをCursorなどのAIエージェントを用いて管理する手法が注目を集めています。直近では「OpenClaw」などが流行しており、「これなら身の回りの情報をすべて管理できそう!」と私も期待しました。しかし、セキュリティリスクや、手元のPCスペック不足でコマンドが通らないといった問題があり、Mac Miniの導入など環境が整うまでは一旦見送ることにしました。
思い返せば、大学に入ってからというもの、私の情報収集はとても雑になっていました。ここ4年ほどNotionやObsidianを試行錯誤したものの、安定したノート管理が全く定着しなかったのです。
一言で言えば、私は「脱いだ服をその辺にポイッと投げてしまう」ようなズボラなタイプです。自分で決めたルールすら守れず、メモが散らかってしまうのが私の本質でした。 よく「文章が読みにくい」と言われるのですが、これは「頭に浮かんだ順番でそのまま書いていること」と、「思考が連鎖して話が着地しないこと」が原因です。つまり、「メモのルールに従うこと」も「単一のノートで集中的に管理すること」も、私にとってはひどく苦手な作業だったのです。
そこで導き出した、私にとって理想のメモツールの要件は以下の2点です。
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適当に書いたメモが自動で整然と並ぶ(意識せずにルールに従える設計)
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分散した小さなメモの管理を、すべてコンピュータに丸投げできること
ここからは、私がどのような手順を経て今の自動化システムに至ったのかを語っていきます。
Notionでのメモ管理がキツかった理由
Notionでの管理がなぜキツかったかというと、「メモを管理すること」自体に躍起になり、肝心のメモを読まなくなってしまったからです。 フォルダ分け、タグ付け、要約、外部サイトの埋め込み(Embed)などを駆使し、一見「それっぽく」管理はできていました。

//やたらとカッコつけたがるホーム。「混じることを恐れるな」って何だこれ。そもそも100ページしか集められていない癖に!恥ずかしいっ。
//Notion AIに要約させた文章。英文記事向けに翻訳機能も使ったが、そもそも見づらい。
しばらくしてNotion AIが導入され、要約機能やデータベースへの自動抽出には感動しました。しかし、AIが自動翻訳しただけの文章を読む気力は湧かず、関連キーワードをチラ見する程度。せっかくのメモも「集めること自体が目的」になっていました。
Obsidianは自由だ!
そんな時に出会ったのがObsidianです。ローカルで管理できる安心感と、手持ちのMacBookの容量に余裕があったことから使い始めました。
Notion以上の自由度にはとても感動しました。何から何までカスタマイズでき、Graphビューを使えばメモ同士のつながりを視覚的に管理できます。スマホ時代にあえてローカルでデータを管理する感覚が新鮮で、ファイル名の命名規則やフロントマター(メタデータ)のテンプレート作成など、メモの中身よりも「環境構築」が最高に楽しかったのです。
しかしお察しの通り、Obsidianでも「ツールをいじること」に熱中してしまい、情報を自分のモノにするという本来の目的を見失ったまま、気づけば3年が経過していました。
Cursorによる自動化の感動と、再び陥った罠
メモ管理も4年目に突入し、「そろそろツールを変えるか」と思っていた矢先に現れたのがCursorです。(最初は「カーさん」と呼んでいました。)
当初は、自分が書いたメモにAIが勝手に介入してくる感覚や、少し不自然な日本語に対して抵抗感を抱きました。しかし、自然言語から法則性のあるカレンダーURLなどを生成できる点には画期的なポテンシャルを感じました。 例えば「3/3に友達と遊ぶ」と入力するだけで、Googleカレンダーの登録リンクに変換するルールを設定しておけば、ワンクリックで予定を追加できます。予定を忘れやすい私には非常に効果的で、繰り返しのタスクを自動化する技術の革新を感じました。

さらに、Cursorのエージェント機能を使えば「ファイルの移動や整理」まで操作できることを知ります。ズボラな私にとって、散らかったファイルを自動で綺麗に並べ替えてくれる機能は大歓喜ものでした。 しかし結果的に、Cursorで編集すること自体に満足してしまい、またしても「ツールを使うこと」が主目的になってしまったのです。最終的にどちらのツールも使わなくなり、Geminiとの会話だけが唯一のメモ手段になってしまいました。
バイブコーディングで自分専用のエコシステムを作る
ある日、Geminiと会話していて「テキストを打つこと自体が面倒くさい」と感じました。 もともとスマホのフリック入力が苦手だったため、「スマホのボイスメモを自動で文字起こしし、GitHub経由でObsidianに連携するシステム」を作れば良いと思いついたのです。これなら、思いついたときにスマホに向かって話しかけるだけでメモが完成します。
早速作業に取り掛かりました。GeminiのAPIと相性の良いGoogle Apps Script(GAS)を採用し、コーディングはすべてGeminiに任せる「バイブコーディング」を実践。ものの1日で、ボイスメモをテキスト化する仕組みが完成しました。「えー」「うーん」といったフィラーも自動で削除され、非常に読みやすい文章が生成されます。
これをきっかけに、「要約や文章の整形など、何度もAIにお願いしている作業はすべて自動化してしまおう」と考えました。 ただし、ここで気をつけたのは**「自分の意識外で行われている作業を自動化しても意味がない」**ということです。例えば、「世間のトレンドを知れたら便利そう」と自動化しても、普段からトレンドを追う習慣がなければ生成されたメモは絶対に読みません。
そのため、「普段から意識して繰り返し行っていること」に絞って自動化を施すことにしました。今回は、私が構築した3つの自動化ツールを紹介します。
1. links2notes
さまざまなWebコンテンツからObsidian用のMarkdownノートを自動生成するツールです。
- 対応ソース: YouTube、Spotify、一般的なWebページに対応。URLからタイトル、公開日、概要などを自動取得します。
- AI要約機能: 取得した内容をもとに、Gemini APIを利用してAIによる要点解説を自動生成します。
- 出力形式: Obsidianのフロントマターが付与されたMarkdownファイルを生成し、指定のディレクトリに自動保存します。
- 利用方法: CLIからの実行のほか、APIサーバーとしても稼働。専用のChrome拡張機能やAndroidアプリを使い、外出先からワンタップでURLを送信し、PC側でノートを自動生成する仕組みを作りました。
2. today2notes
前日の記録やインプットを集約し、AIを用いて「本日のデイリーノート」を自動生成するPythonスクリプトです。
- データの収集: 前日のデイリーノート、FleetingNotes(メモ)、WebClips、AudioNotes、Kindleハイライトなど、あらゆるインプット情報を収集します。
- AIによる抽出: 集めたデータをGeminiに読み込ませ、「今日すべきこと」「深掘りしたいトピック」「フォローアップ事項」を抽出します。
- ノートの生成: 抽出結果をもとにテンプレートを適用し、本日のデイリーノートを生成します。毎朝自動で実行されるよう設定しています。
3. calendar2notes
Googleカレンダーの予定をObsidianに取り込むためのツールです。
- 予定の取得: iCalデータを読み込み、「昨日00:00」から「2ヶ月後の23:59:59」までの予定を取得します。
- Markdown出力: 取得した各予定を1つのMarkdownファイルとして出力。フロントマターに日時やカレンダー名を記載し、本文に詳細を書き込みます。
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同期と連携: カレンダー上の変更(削除や繰り返し予定)を正確に反映し、定期実行で常に最新の予定を同期します。これが
today2notesに読み込まれることで、日々のタスク管理と連携します。
これらはすべて、Cursorを使ったバイブコーディングにより短期間で仕上げました。まだ外部公開できる状態ではありませんが、エコシステムが整ったら徐々に環境を公開していければと考えています。 今後は、X(旧Twitter)のようなUIで「つぶやき」をメモ化するスマホアプリや、ObsidianのデータをナレッジとしてAIに質問できるアプリなど、**「メモをするだけでなく、活用するシステム」**を構築していく予定です。
もし、あなたがメモツール選びに迷っているなら、「自分はメモの『管理手法』で悩んでいるのだろうか?」と一度振り返ってみてください。 メモは「管理」するよりも、それを「活用」できる環境を自分に合わせて用意することが最も重要です。
集めたメモで、あなたの人生がより良いものになりますように。

