はじめに
OCI(Oracle Cloud Infrastructure)でインスタンスを作成する際、本来は予約済みパブリックIPアドレスを割り当てるつもりだったのに、誤ってエフェメラルIPアドレス(一時的なIP)を付与してしまうことがあります。
本記事では、そのような場合に既に予約済みのパブリックIPアドレスへ置き換える方法を紹介します。
1.予約済パブリックIPアドレスの作成・取得
まずは、使用する予約済みパブリックIPアドレスを作成しておきます。
OCIコンソール画面左上のハンバーガーメニューから「ネットワーキング」→IP管理内の「予約済パブリックIP」を選択します。

「パブリックIPアドレスの予約」から以下の項目を入力して作成します。
- 予約済パブリックIPアドレス名:任意(例:
Reserved_IP) - コンパートメント:任意
- IPアドレス・ソース:
Oracle
作成後、Oracleが保持するプール内にあるパブリックIP(ここでは131.186.59.60)が予約されます。

IPv4アドレスは有限リソースのため、使用が終わった予約済みIPは不要時に解放することを推奨します。
2.エフェメラルIPアドレス→予約済みIPアドレスへ置き換え
続いて、誤ってエフェメラルIPアドレスを付与したインスタンスを、予約済みIPアドレスに置き換える手順です。
(1)現在のIPタイプを確認
コンピュート・インスタンスの詳細画面を開き、「ネットワーキング」内の「アタッチされたVNIC」の3点リーダーから「詳細を表示」を選択します。

「プライマリIP情報」の「パブリックIPアドレス」項目で、そのIPが「エフェメラル」か「予約済」かを確認できます。

(2)エフェメラルIPをデタッチ
Public IP typeを「パブリックIPがありません」に変更して更新します。
これにより、現在のエフェメラルIPアドレスが一時的にデタッチされます。

変更後、パブリックIPアドレスの状態は「未割当て」になります。

(3)予約済IPアドレスをアタッチ
再度3点リーダー内の「編集」を選択、今度は「予約済パブリックIP」を選択します。
予約したパブリックIPアドレス(例:Reserved_IP)を指定して「更新」を行います。

変更後、パブリックIPアドレスの状態が「予約済」となれば設定完了です。

まとめ
OCIではエフェメラルIPアドレス(自動割り当て)と予約済IP(静的割り当て)を柔軟に切り替えることができます。
運用環境や固定通信要件がある場合は、予約済IPアドレスを活用することで安定したアクセス制御が可能になります。
参考ドキュメント


