米Red Hat社は現地時間7月9日、開発者向けに提供する無償プログラム「Red Hat Enterprise Linux(RHEL) for Developers」の新しいサブスクリプションメニューとして「RHEL for Business Developers」の提供を開始したと発表しました。
本サービスでは、Red Hat Developer Programに登録したユーザーは、1ユーザーあたり最大25までの物理、仮想、またはクラウドベースのRHELインスタンスを利用可能となります。
公式プレスリリース(Red Hat)
そこで、今回はBusiness Developerを使用したイメージの作成方法、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)を例に、クラウド上にサーバを構築、RHELサブスクリプションを登録する方法についてご紹介します。
前提と準備
- 対象OS:RHEL 9.x
- クラウド環境:OCI
- 利用方法:BYOI(Bring Your Own Image)方式でRHELイメージをアップロード
- 利用者:Red Hat Developer Program に登録済みで、Business Developers サブスクリプションが有効なユーザー
OCIではRed Hat公式のRHELプラットフォーム・イメージは提供されていないため、自分でRHELイメージをアップロードし、サブスクリプションを登録する必要があります。
RHELイメージの取得
はじめに、RHELイメージの取得を行います。
以下のURLにアクセスを行い、「Access now」を選択します。
Red Hat Enterprise Linux for Business Developers
イメージの選択画面が表示され、ここでは以下の項目を入力、「Next」を選択します。
以下をそれぞれ選択します。
組織IDとアクティベーションキーが自動で生成されますので、必要に応じて控えておき、「Next」を選択します。
以降の各画面では、必要に応じてカスタマイズを行います。
最終確認画面で内容に問題がなければ「Create blueprint」を選択し、イメージを作成します。
次に「Build images」を選択するとイメージのビルドが始まります。
処理には最大20分ほどかかる場合があります。
ビルドが完了したら、「Object Storage URL」をコピーしておきます。
RHELサーバを構築
続いて、OCI上でカスタムイメージを使用してRHELサーバを構築します。
OCIコンソール左上のハンバーガーメニューからコンピュート内の「カスタム・イメージ」を選択します。
「イメージのインポート」を選択し、以下の項目を入力します。
-
名前:任意(例:
rhel9-image
) - オペレーティング・システム:RHEL
- オブジェクト・ストレージURL:コピーしたURLをペースト
- イメージ・タイプ:QCOW2
-
起動モード:準仮想化モード(他はデフォルト)
インポートが開始されるとステータスが「インポート中」となり、完了すると「使用可能」に変わります。
イメージが使用可能になったら、以下のドキュメントを参考にインスタンスを作成します。
コンピュートの作成(Oracle公式)
イメージ選択時は、「マイ・イメージ」から先ほど作成したカスタムイメージを指定します。
動作確認
作成後、OSにログインして以下コマンドでリポジトリの利用有無を確認します。
dnf repolist
以下の実行結果が出た場合、正常通り利用することが可能となり、RHELサーバの作成は全て完了となります。
[cloud-user@rhel9 ~]$ dnf repolist
Not root, Subscription Management repositories not updated
repo id repo name
rhel-9-for-x86_64-appstream-rpms Red Hat Enterprise Linux 9 for x86_64 - AppStream (RPMs)
rhel-9-for-x86_64-baseos-rpms Red Hat Enterprise Linux 9 for x86_64 - BaseOS (RPMs)
筆者の環境では、subscription-manager register を使用したサブスクリプション登録のプロセスは確認できませんでした。
環境やアカウント設定によっては、手順が異なる場合があります。