はじめに
macOSでコンテナ環境を構築する際、『Docker Desktop』が一般的ですが、ライセンスやリソース消費が気になるケースがあります。
この記事では、軽量な代替ツール『Colima』をHomebrewでセットアップし、docker compose (v2) 記法を有効化、さらに brew services でPCログイン時に自動起動させるまでの手順をまとめます。
Docker / Colimaとは?
■ Docker 🐳
「Docker」は、アプリケーションを「コンテナ」と呼ばれる隔離された環境にパッケージングし、実行するためのプラットフォームです。これにより、「自分のPCでは動いたのに、サーバーでは動かない」といった環境差異の問題を解決できます。開発から本番環境まで、同じコンテナを動かすだけでよくなります。
■ Colima(VM)
「Colima」は、Container Linux on MacOS の略で、macOS上でコンテナを実行するための環境を最小限のリソースで提供するツールです。
Docker Desktopの代替として機能し、CLIベースで軽量に動作するのが特徴です。内部的にはLinuxの仮想マシンを起動し、その上でDockerランタイムを動かしています。
環境
- macOS (Homebrew導入済み)
セットアップ手順
1. 必要なツールのインストール
colima 本体、docker CLI、および docker compose (v2) プラグインをインストールします。
brew install colima docker docker-compose
docker-compose パッケージが v2 プラグイン(docker compose ... コマンドを実現するもの)を提供しています。
2. Docker Compose v2 プラグインの設定
docker CLIがv2プラグインを認識できるよう、~/.docker/config.json に設定を書き込みます。
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/.dockerフォルダを作成するmkdir -p ~/.docker -
~/.docker/config.jsonに設定を書き込むecho '{ "cliPluginsExtraDirs": [ "/opt/homebrew/lib/docker/cli-plugins" ] }' > ~/.docker/config.json
注意
既存の config.json がある場合は、上記コマンドで上書きせず、手動でキーを追加してください。
3. (オプション) Colimaのリソース設定
brew services はデフォルト(2CPU, 2GB RAM)で起動します。リソースを変更したい場合は、サービス登録前に一度手動で起動・停止し、設定ファイル(~/.colima/default/colima.yaml)を作成しておく必要があります。
- 例:CPU 4コア、メモリ 8GBで起動させる場合
colima start --cpu 4 --memory 8)
デフォルト設定でよければ、この手順は不要です。
4. Colimaの自動起動サービス登録
brew services を使って、macOSログイン時にColimaが自動起動するように設定します。
brew services start colima
5. 動作確認
docker compose (v2) と Colima VM の動作を確認します。
docker compose version
docker ps
docker compose version がバージョン情報を返し、docker ps がコンテナ一覧(ヘッダーだけでもOK)を表示すれば成功です。
おわりに
これで、ターミナルを開けばすぐに docker コマンドが叩ける快適な環境が整いました。
(おまけ)日常的な使い方
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自動起動の停止:
brew services stop colima -
自動起動の再起動:
brew services restart colima -
VMのリセット:
brew services stop colima(再度colima deletebrew services start colimaが必要)