この記事は、ALGYAN主催の EnOcean IoT開発コンテスト を機会に作った作品の流れで作り始めたもので、そのときの作品についてはこちらの 記事(EnOceanIoTシステム開発コンテストの参加レポート) を参考に。
#この記事で説明すること
EnOceanの受信側をM5Stackなどで手軽に使えるようにしてみたよという話。なので、いろいろ作っている方の素材になればいいかなぁという程度の話です。
#EnOceanとは
とりあえず、EnOceanって何?って話もあると思うので、簡単に。
私の認識で非常に簡単に説明してみると、「エナジーハーベストの技術を使って、(基本的に)バッテリーが不要でセンサ情報を無線で飛ばせるもの」みたいな感じです。詳細はもっとすごいと思いますので、詳しくは以下のリンクを見て下さい。
センサ側が電池不要というのがかなり大きなメリットであると感じていて、IoT関連で使っている人もそれなりにいると思います。トイレの利用状況の可視化などで使われる例をよく見かけます。(ただ、ちょっとお高いイメージはあります)
https://www.enocean.com/jp/
#今回のポイント
EnOceanデバイスの送受信で手軽に組み込み系でも使えるのが、『TCM410J』というモジュールです。更に、シリアル通信で制御できるのでかなり簡単に使えます。その為、通常のマイコンボードでもArduinoでも手軽に使えます。なので、これがM5Stackなどで画面付きで作品が作れると面白いと思って、トライしてみました。
###以前にESP8266に無理やり繋いだ例
ちょっと以前のトライになります。このときは、EPS8266を使ってます。試行錯誤もあったので、とりあえずGNDを全部繋いでみたり、あまり綺麗ではない感じですが、この辺りで手軽に使えることを実感しました。ちなみに、これはドアの開閉情報に応じてLEDを光るようにして使っていました。
###今回M5Stackで使えるようにした例
TCM410JのIO電圧が3.3V系なので、Groveインターフェイスのポートを使うのではなく、ピンヘッダ部分からで3.3Vを供給するようにしました。
裏面:端子処理も最低限にして、シンプルになりました。チップ抵抗なども使ってシンプルにしています。これでも十分動きます。
###更にM5Stack/M5Stickでもっと手軽に使えるようにした例
基板を起こして、5V電源からLDOで3.3Vを作って、それで動作するようにしています。
これで、M5Stack/M5StcikなどのM5系で使えるようになりました(M5Stack/M5Stickは動作確認済み)
コネクタ部分が無理やり部品を実装していたり、電源供給が分かるようにLEDを搭載したりなどは、基板改版をして対応していくことにしました。(Eagleユーザーでしたが、KiCadに乗り換えましたw)
###他の人にも使ってもらえる環境を整える
試してみたい人が使えるように購入できるような環境も準備しています。上記の基板から以下の変更を加えています。
・電源供給が分かるように点灯LEDを追加
・5V/3.3Vを抵抗載せ替えで切り替えられるように追加
スイッチサイエンスの販売サイト
また、実際に使ってもらった様子も知り合いがツイートしてくれています。
こちらでは、micro:bitとATOM Matrixで使ってみてくれています。こんな感じで使えます。
ついでに #M5Matrix でも試した。UARTで受信するだけなので楽だった。 pic.twitter.com/wsOjvlSCS9
— 五味 (@GomiHgy) December 17, 2020
#最後に
個人的にはちょっと値段が高いと思っているEnOceanデバイスですが、M5系を使えば受信側もそれなりの値段で手軽に使えるようになってきているかなと思います。あと、基板を作ったやつは近々販売する予定ですので、興味のある方はそれを待ってもらうか、個別に連絡してもらっても大丈夫です。
一応、NT加賀2020では手売りする予定ですので、良かったら~
(12/26追記)
販売の用意が進んでいます。しばらくお待ちください。