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After Effects スクリプトを TypeScript で作ろう【完全初心者ガイド】

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Last updated at Posted at 2026-04-17

After Effects スクリプトを TypeScript で作ろう【完全初心者ガイド】

対象読者: プログラミング経験ゼロ〜少しある方。After Effects は使えるけど自動化には踏み出せていない方。


はじめに

After Effects で同じ作業を繰り返していませんか?
たとえば「選択したレイヤー全部にウィグルをかけたい」とか「100 枚の画像を一括で整列したい」とか。

実は After Effects には ExtendScript という自動化の仕組みがあります。
しかし ExtendScript は古い JavaScript(ES3)ベースで、そのまま書くのは現代の感覚からすると非常につらい。

このテンプレートを使えば:

  • TypeScript(モダンな型付き JavaScript)でスクリプトを書ける
  • Array.map()for...of、テンプレートリテラルなどの便利な構文が使える
  • GitHub Copilot(AI)に「こんなスクリプト書いて」と頼める
  • ビルド一発で After Effects が読める .jsx ファイルが出力される

それでは環境構築から始めましょう。


STEP 1: 必要なツールをインストールする

1-1. VSCode(エディタ)

コードを書くためのエディタです。無料で使えます。

  1. https://code.visualstudio.com/ にアクセス
  2. 「Download for Windows」をクリックしてインストーラをダウンロード
  3. インストーラを実行(すべてデフォルトのままで OK)

インストール後、VSCode を起動して日本語化しておくと使いやすいです:

  1. VSCode を開く
  2. 左のサイドバーにある四角いアイコン(Extensions)をクリック
  3. 検索ボックスに「Japanese」と入力
  4. 「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」をインストール
  5. VSCode を再起動

1-2. Git(バージョン管理ツール)

コードの変更履歴を管理するツールです。GitHub と連携するために必要です。

  1. https://git-scm.com/ にアクセス
  2. 「Download for Windows」をクリックしてダウンロード
  3. インストーラを実行

インストール中の選択肢: すべてデフォルトのままで問題ありません。

インストール確認:

git --version
# git version 2.x.x と表示されれば OK

1-3. GitHub CLI(GitHub 操作ツール)

GitHub をコマンドラインから操作するツールです。クローンや認証が楽になります。

  1. https://cli.github.com/ にアクセス
  2. 「Download for Windows」をクリック
  3. インストーラを実行(デフォルトのまま)

インストール確認:

gh --version
# gh version x.x.x と表示されれば OK

1-4. Node.js(JavaScript 実行環境)

ビルドツールを動かすために必要です。バージョン 20 以上をインストールしてください。

  1. https://nodejs.org/ja にアクセス
  2. 「LTS(推奨版)」をクリックしてダウンロード(執筆時点: v22.x)
  3. インストーラを実行(デフォルトのまま)

インストール確認:

node --version
# v22.x.x と表示されれば OK(20以上であればOK)

1-5. pnpm(パッケージマネージャ)

Node.js のパッケージを管理するツールです。npm より高速でディスク容量も節約できます。

Node.js 16.9 以降には Corepack というツール管理機能が同梱されています。これを使うのが最も簡単な方法です。

Node.js をインストールした後、コマンドプロンプトまたは PowerShell で:

corepack enable pnpm

インストール確認:

pnpm --version
# 10.x.x と表示されれば OK

Corepack とは: Node.js に同梱されたパッケージマネージャ管理ツールです。npm install -g と異なり、グローバルインストールなしでパッケージマネージャを切り替えられます。


STEP 2: GitHub アカウントと GitHub Copilot について

GitHub アカウントを作る

  1. https://github.com/join にアクセス
  2. メールアドレス、パスワード、ユーザー名を入力して登録
  3. メール認証を完了させる

無料プランで GitHub Copilot はどこまで使える?

2026年現在、GitHub は無料アカウントでも GitHub Copilot が使えます

2026年4月26日 追記
現在 GitHub Copilot は Pro / Pro+ の新規契約を停止しています。
サブスクでがっつりやりたいという方は、代替として ChatGPT / Claude などがおすすめです。
それぞれ、Codex / Claude Code というサービスで、コーディングをサポートしてくれます。

初心者にとって: 無料プランで十分スタートできます。慣れてきて毎日使うようになったら有料プランを検討しましょう。


GitHub Copilot は VSCode に組み込み済み

VSCode 1.99(2025年3月)以降、GitHub Copilot は VSCode にデフォルトで組み込まれています。拡張機能を別途インストールする必要はありません。

ただし、チャット機能を使うには GitHub アカウントでのサインインが必要です。

サインイン手順:

  1. VSCode 左下のアカウントアイコン(または右下の Copilot アイコン)をクリック
  2. 「Sign in to use GitHub Copilot」をクリック
  3. ブラウザが開くので GitHub アカウントでログイン
  4. VSCode に戻ると Copilot Chat(吹き出しアイコン)が使えるようになる

サインインしないと: コード補完もチャットも使えません。必ずサインインしてから次のステップへ進みましょう。


GitHub CLI でサインインする

後でリポジトリをクローンするために必要です。

gh auth login

対話形式で以下を選択します:

? Where do you use GitHub? → GitHub.com
? What is your preferred protocol for Git operations? → HTTPS
? Authenticate Git with your GitHub credentials? → Yes
? How would you like to authenticate GitHub CLI? → Login with a web browser

ブラウザが開くので、表示されるコードを入力して認証を完了させます。


STEP 3: リポジトリを作ってクローンする

3-1. テンプレートからリポジトリを作る

  1. https://github.com/YukiWorks432/extendscript-ts-template にアクセス

  2. 緑色の「Use this template」ボタンをクリック

  3. 「Create a new repository」を選択

  4. リポジトリ名を入力

    リポジトリ名のコツ: このテンプレートは After Effects だけでなく Illustrator・Photoshop など複数のアプリのスクリプトをまとめて管理できます。my-ae-scripts のようにアプリ名を入れると後で管理しにくくなるので、my-adobe-scriptsadobe-automation などアプリを限定しない名前にしておくのがおすすめです。

  5. Private / Public を選ぶ(どちらでも OK)

  6. 「Create repository」をクリック

これで自分専用のリポジトリが作られました!


3-2. ローカルにクローンする

作成したリポジトリのページで、クローン用のコマンドをコピーします:

  1. リポジトリページの緑色の「< > Code」ボタンをクリック
  2. GitHub CLI」タブを選択
  3. 表示されたコマンド(gh repo clone ...)をコピー
例: gh repo clone tanaka/my-adobe-scripts

次に、コマンドプロンプト(またはPowerShell)を開き、クローン先のフォルダに移動してからコマンドを貼り付けて実行します。

クローン先フォルダについて: gh repo clone を実行したカレントディレクトリの中にリポジトリ名のフォルダが作られます。
たとえば C:\Users\ユーザー名\Documents で実行すると C:\Users\ユーザー名\Documents\my-adobe-scripts にクローンされます。
管理しやすい場所(ドキュメントやデスクトップなど)に cd コマンドで移動してから実行しましょう。

cd C:/Users/ユーザー名/Documents
gh repo clone tanaka/my-adobe-scripts

コマンドプロンプトの開き方: Windowsキー + R → cmd と入力して Enter、または スタートメニューで「コマンドプロンプト」と検索します。

クローンが完了したら、フォルダに移動します:

cd my-adobe-scripts

3-3. VSCode で開く

code .

これで VSCode がプロジェクトを開きます。


STEP 4: 依存関係をインストールする

VSCode のターミナルを開いてください(Ctrl + ` または Ctrl + @)。

pnpm i

数十秒で完了します。これで TypeScript のコンパイラや Rollup(バンドラー)などが使えるようになります。


(オプション)ESLint と Prettier の拡張機能を入れる

コードの品質チェック(ESLint)と自動整形(Prettier)を VSCode で使えるようにしておくと便利です。

  1. VSCode の拡張機能パネル(左サイドバーの四角いアイコン)を開く
  2. 以下の 2 つをインストール:
    • ESLint」(dbaeumer.vscode-eslint
    • Prettier - Code formatter」(esbenp.prettier-vscode

保存時に自動整形を有効にする(Ctrl+S で整形):

VSCode の設定(Ctrl + ,)を開き、右上の「{}(設定を JSON で開く)」アイコンをクリックして、以下を追加します:

{
  "editor.formatOnSave": true,
  "editor.defaultFormatter": "esbenp.prettier-vscode",
  "[typescript]": {
    "editor.defaultFormatter": "esbenp.prettier-vscode"
  }
}

これで TypeScript ファイルを Ctrl+S で保存するたびに自動整形されます。


STEP 5: GitHub Copilot にスクリプトを作ってもらう

このテンプレートには .github/ フォルダ内に Copilot 用のスキル定義が含まれています。これにより、Copilot が「スクリプト追加」の手順を自律的に実行できます。

5-1. Copilot Chat に一言頼むだけ

VSCode 左サイドバーの Copilot Chat(吹き出しアイコン)を開き、チャットモードを「Agent」に切り替えてから、以下のように入力します:

/add-script 選択中のレイヤーの Position にウィグルエクスプレッションを適用するスクリプトを作って

Copilot が自律的に以下をすべてやってくれます:

  1. 足りない情報(アプリ・スクリプト名など)を質問してくれる
  2. pnpm new でファイルを生成する
  3. スクリプトの実装まで書いてくれる

Agent モードとは: Copilot がファイル操作やターミナルコマンドを自律的に実行するモードです。チャットモードのドロップダウンから「Agent」を選んでください。

AI を使わずに手動でスクリプトを作る場合

手順 1: ファイルを生成する

ターミナルで以下のコマンドを実行します(スクリプト名は任意):

pnpm new -- --app=aeft --name=WiggleApplier --license

もしくは対話式に進めることもできます。

pnpm new

> 対象アプリを選択してください(aeft, ilst, phxs)
aeft
> スクリプト名を入力してください:
WiggleApplier
> ライセンス表記を含めますか? (y/N)
n

src/aeft/WiggleApplier/index.ts が自動生成されます。

手順 2: コードを書く

生成された src/aeft/WiggleApplier/index.ts を VSCode で開き、下の「生成されるコードの例」を参考にして実装を書きます。

  • import "../../init" は必ず先頭に残してください(ポリフィルの読み込みに必要)
  • entry("スクリプト名", () => { ... }) の中に処理を書きます
  • After Effects のオブジェクト・メソッドは AE スクリプティングガイド で確認できます

5-2. 生成されるコードの例

Copilot が以下のようなコードを src/aeft/WiggleApplier/index.ts に生成します:

// shimを実行するために、initのimportが必須です。
import "../../init";

import { entry } from "../../lib/lib";

entry("WiggleApplier", () => {
  const comp = app.project.activeItem;
  // アクティブなコンポジションが選択されていない場合は終了
  if (!(comp && comp instanceof CompItem)) {
    alert("コンポジションを選択してください。");
    return;
  }

  const selected = [...comp.selectedLayers];
  // 選択レイヤーがない場合は終了
  if (selected.length === 0) {
    alert("レイヤーを選択してください。");
    return;
  }

  // 選択中のすべてのレイヤーにウィグルエクスプレッションを適用
  for (const layer of selected) {
    const position = layer
      .property("ADBE Transform Group")
      ?.property("ADBE Position") as Property | null;

    if (!position) continue;

    // エクスプレッションを設定(wiggle(周波数, 振幅))
    position.expression = "wiggle(3, 30)";
  }

  alert(`${selected.length} 個のレイヤーにウィグルを適用しました。`);
});

5-3. コードの意味を理解する

コード 意味
import "../../init" ES5/ES6 のポリフィルを読み込む(必須)
entry("WiggleApplier", () => { ... }) エラーハンドリングと Undo グループをまとめてくれる便利関数
app.project.activeItem 現在 After Effects で開いているアイテム
comp.selectedLayers コンポジション内で選択中のレイヤー一覧
position.expression = "wiggle(3, 30)" エクスプレッションを設定(周波数 3Hz、振幅 30px)

STEP 6: ビルドする

pnpm build

成功すると dist/aeft/WiggleApplier/WiggleApplier.jsx が生成されます。

エラーが出た場合は Copilot Chat に「このエラーを修正して」と貼り付けると直してくれます。

AI を使わずにエラーを修正する場合

ビルドエラーが出たときは、エラーメッセージに含まれるファイル名・行番号を確認して該当箇所を修正します。

よくあるエラーと対処法:

エラー 対処
TS2339: Property 'xxx' does not exist 型定義が見つからない。as any でキャストするか、Types-for-Adobe でプロパティ名を確認する
TS2304: Cannot find name 'xxx' AE のグローバルオブジェクト名が間違っている。スクリプティングガイドで正式名称を確認する
TS1005: ',' expected など構文エラー 該当行の括弧・カンマ・クォートの対応を確認する

修正後は再度 pnpm build を実行してエラーが消えることを確認してください。


STEP 7: After Effects で使う

  1. After Effects を起動します
  2. メニューから「ファイル → スクリプト → スクリプトファイルを実行...」を選択します
  3. 先ほど生成された dist/aeft/WiggleApplier/WiggleApplier.jsx を選択します
  4. コンポジションでレイヤーを選択した状態でスクリプトを実行します
  5. 選択したレイヤーの Position にウィグルエクスプレッションが適用されます!

毎回メニューから選ぶのが面倒な場合:
WiggleApplier.jsx を After Effects の Scripts/ScriptUI Panels/ フォルダにコピーすると、メニューに常駐させることもできます。


よくあるエラーと対処法

pnpm: コマンドが見つかりません

Node.js のインストール後にターミナルを再起動してから、再度 corepack enable pnpm を実行してみてください。
それでもダメなら管理者権限でコマンドプロンプトを開いて実行してください。

ビルドエラー: TS2339: Property 'xxx' does not exist

型定義が不足しているサインです。Copilot Chat に「このエラーを型アサーションで回避して」と頼んでみてください。
または as any を一時的に付けてビルドを通すことができます。

After Effects でスクリプトを実行しても何も起きない

  • コンポジションが開かれているか確認してください
  • レイヤーが選択されているか確認してください
  • After Effects のメニュー「編集 → 環境設定 → スクリプトとエクスプレッション」で「スクリプトによるファイルおよびネットワークへのアクセスを許可」にチェックが入っているか確認してください

gh repo clone でエラーが出る

gh auth login でログインできているか確認してください:

gh auth status

その他

その他わからないエラーが発生した場合は、リポジトリのissueに投稿してみてください。
extendscript-ts-template/Issues


次のステップ

環境構築とスクリプト作成ができたら、次はこんなことを試してみましょう:

  • 複数のスクリプトを管理する: pnpm new でどんどんスクリプトを追加できます
  • 共通処理をライブラリ化する: src/aeft/lib/lib.ts に共通関数をまとめられます
  • Illustrator / Photoshop 向けも作る: --app=ilst--app=phxs で他アプリ向けも同じ手順で作れます
  • VSCode の推奨拡張機能を使う:
    • ExtendScript Debugger: スクリプトを VSCode からデバッグ実行できる(Adobe 公式)
    • ESLint: コードの問題をリアルタイムで検出
    • Prettier: コードを自動整形

まとめ

やったこと コマンド
環境構築 VSCode / Git / GitHub CLI / Node.js / pnpm をインストール
リポジトリ作成 GitHub の Use this template → Code > GitHub CLI → gh repo clone
依存関係インストール pnpm i
スクリプト作成(AI) Copilot Chat(Agent モード)で /add-script ... と入力
ビルド pnpm build
AE で実行 ファイル → スクリプト → スクリプトファイルを実行...

このテンプレートを使えば「コードは書けないけど After Effects の自動化はしたい」という方でも、AI の力を借りて実用的なスクリプトを作れます。

ぜひ自分の作業フローを自動化してみてください!


参考リンク

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