はじめに
こんにちは!ポーラ・オルビスホールデ
ィングスのITプロダクト開発チームでエンジニアをしている中村です。
AWS re:Invent 2025もあっという間に4日目を迎えました。今回は、イベントの注目ポイントの一つであるExpoについてお話を伺える「Expo Retail Booth Tour」に参加してきましたので、そこで見た興味深いコンテンツについてご紹介します。
Expo とは?
Expoは、re:Inventの中でも特に盛り上がるエリアで、「明日のテクノロジー」を体験できる展示会場です。AWSの最新サービスのデモブースや400社以上のパートナー企業が集まり、実際に手を動かして試したり、専門家と直接対話したりできます。
会場はVenetianの2階Bホールで、期間中はウェルカムレセプションやハッピーアワーなどのネットワーキングイベントも開催されています。
気になったコンテンツの紹介
それでは、Expo Retail Booth Tourで特に印象に残った3つのコンテンツについてご紹介します。
Rebalance Supply Chain with AI Agents
このデモでは、Amazon Bedrock AgentCoreを活用したサプライチェーン管理の自動化が紹介されていました。複数の専門AIエージェントをスーパーバイザーAIが統括し、トラックの遅延や気象問題など、サプライチェーンで発生する予期せぬトラブルに自動対応します。スーパーバイザーエージェントが各専門エージェントに指示を出して最適な解決策を提案し、人間は承認ボタンを押すだけで計画が実行される仕組みです。
特に面白いと感じたのは、AIエージェントが提案する解決策について、実行コストと回避できる損失額の両方を可視化してくれる点です。
従来は「天候不良時はこのロジック」「トラック遅延時はこのロジック」といったように、個別にロジックを作り込む必要がありました。しかし、Amazon Bedrock Agentsでは汎用的なエージェント実装で様々なユースケースに対応できるため、開発コストを大幅に削減できます。実際にAmazon社内では3,000〜4,000ものAIエージェントが既に稼働しているとのことです。
Build a Software Defined Factory with AI
製造業向けのAIエージェント活用事例で、在庫管理・製造計画・発注プロセスを包括的に最適化するソリューションです。
このシステムの特徴は、予測分析と意思決定支援の統合です。例えば「ある商品が3日後に不足する見込みです。発注をお勧めします」といった在庫予測通知を送るだけでなく、過去の取引実績、価格、納期、品質データを総合的に分析し、最適なサプライヤーまで提案してくれます。これにより、調達担当者は複雑な比較検討作業から解放されます。
Smart Waste Intelligence
AWSではサステナビリティ分野にも注力しており、環境配慮型のソリューションが展示されていました。
このシステムでは、ゴミをカメラにかざすだけで、AIが「プラスチック」「紙」「アルミ缶」など、どのゴミ箱に捨てるべきかを瞬時に判定します。Raspberry Piという小型コンピュータで動作するコンパクトな実装ながら、Amazon Rekognitionなどの画像認識AIを活用した実用的なシステムです。
re:Invent会場内にもゴミ分別システムが特定の場所に導入されており、実機を体験することができました。カメラにごみを映すと、対象のゴミ箱を提案してくれます。日本ではまだ見かけたことがなかったこともあり、AIによる環境問題へのアプローチを実感できる良い機会となりました。
さいごに
今回のExpo Retail Booth Tourを通じて、AI技術がサプライチェーン管理から製造現場、さらには環境問題まで、幅広い業界課題を解決する可能性を実感しました。特に印象的だったのは、複雑なロジックを汎用的なエージェント実装で対応できる柔軟性と、Amazon社内で既に数千規模で稼働している実用性の高さです。
従来は高度な専門知識を持つ人材でなければ実現できなかった業務が、AIの活用によって広く実現可能になる時代が到来していることを肌で感じました。当社においても化粧品をお客様にお届けするサプライチェーンは極めて重要であり、これらの技術を取り入れることで業務効率化や顧客体験の向上につながる可能性があると考えています。
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