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「チェックリスト」というメチャ便利でメチャ危険なツール

Last updated at Posted at 2024-07-08

なぜチェックリストが必要なのか

業務に慣れていくにつれて担当するプロジェクトが増え、複数のタスクを同時に進行する場面が増えてきます。タスクが複雑化するにつれて、対応漏れなどのヒューマンエラーのリスクも高くなります。ヒューマンエラーによるミスや漏れが発生すると、対応コストやコミュニケーションコスト、場合によってはプロジェクトそのもののスケジュールが遅延する事態にまで発展します。

今回は、そのようなインシデントを防ぐのに有効なツールである「チェックリスト」について

  • メチャ便利なポイント
  • メチャ危険なポイント
  • チェックリストとの付き合い方

の三つに分けてご紹介します。

メチャ便利なポイント

作業内容とそのステータスが一目でわかる

当然ですが、プロジェクトごとに納期が存在します。そういった状況下で「自分はにどのような作業があるのか」「どれを優先して対応すべきなのか」といったスケジュール管理進捗率を把握しておくことは非常に重要です。チェックリストによって、プロジェクトごとの作業内容が明確になるため、どのタスクのウェイトが重いかを把握しやすくなり、優先すべきタスクが浮き彫りになります。
また、納期までのスケジュールと作業内容が明確なのであれば、マイルストーンを設置することも可能です。マイルストーンと現在の進捗状況を照らし合わせて、ある程度の調整が行えるようにもなります。

マイルストーン(milestone):中間目標地点。スケジュールの中での工程ごとの区切り。

確認コストの削減

運用の方法にもよりますが、基本的に会話のログは肥大化し、過去のやり取りは埋もれてしまいます。
作業開始時や各環境反映時、作業中に気になることがあるたびにログを遡って確認することは効率が悪く、その都度確認に時間もかかってしまいます。
チェックリストを用いることで作業内容に関する確認が一目でわかるようになり、作業の経緯などを確認する際にだけログを遡ることで確認コストを削減できます。

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対応漏れを防げる

「チェックリストがあってよかった」と思うシチュエーションはヒューマンエラーによる対応漏れを防げた場合が多いです。完璧に対応できたと思っていても、意外と抜けている箇所や忘れられている箇所は存在します。チェックリストがあれば作業項目を一つずつ照らし合わせて確認できるため、対応漏れを防ぐことができます。
ただし、後述するメチャ危険なポイントには注意が必要です。

メチャ危険なポイント

項目を精査しないと確認コストが上がる

以下のような項目はエンジニアにとって重要ですが、デザイナーやディレクターにはほとんど必要ありません。

  • コードが正常にインデント、リファクタリングされているか
  • 変数名、関数名、コメントアウトのフォーマットが統一されているか
  • diffを確認し、適切な差分が検出されているか
  • 実行時にコンソールエラー等が出ていないか

デザイナーはデザイン通りのレイアウトになっているか、ディレクターは要件を満たしているかなど、担当によって確認するポイントが異なります。チェックリストに項目として存在している限り、それが自分の担当領域と関連性がなかろうと確認せざるをえなくなり、結果としてその分の確認コストが増大します。
エンジニアのみが見ておくべき、留意しておくべき項目はチェックリストに含めたままではノイズとなるため、プロジェクトメンバーにチェックリストを共有する際は項目の精査が必要です。

チェックリストを放置するとむしろ対応漏れしやすくなる

チェックリストは自分の作業内容とそのステータスをリスト化したものです。しかし、一度チェックリストを作成したからといって放置することは非常に危険です。
プロジェクトを進める中で、先方とのやり取りや追加要望などによって作業内容が増減することは決して珍しくありません。もしその際にチェックリストを更新しなかった場合、その間の追加部分はチェックリストからは漏れ、結果として対応漏れに気付かず、チェックリストはクリアしているから漏れがあるとも思わず慢心するという、むしろチェックリストが存在することによるヒューマンエラーが発生しかねません。
チェックリストが不完全であったためにインシデントが発生し、それに対応コストがかかってしまうようでは本末転倒です。

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チェックリストとの付き合い方

ここまでの説明だと「ハイリスクハイリターンでは」と思われるかも知れませんが、適切な付き合い方をすることによってリスクを最小限にすることが可能です。以下は私が考える適切なチェックリストとの付き合い方です。

自分用とは別でプロジェクトメンバー用を作る

先ほど、チェックリストを共有する際は項目の精査が必要とお話しさせていただきましたが、では、どのようにチェックリストを作成し、精査すれば良いのでしょうか?
結論から言うと全ての項目が含まれた自分用のチェックリストを作成し、そこから項目を精査したプロジェクトメンバー用のチェックリストを作成するのが作成手順として良いと思います。

作業内容が更新されるたびにチェックリストも更新する

チェックリストは完成しないものという考えを持つことが大事です。
作業内容の増減に合わせてチェックリストを更新することは必須です。
また、

  • 過去の状態を保持しておく必要がほとんどない
  • どのチェックリストが最新かわからなくなる

上記の理由から、作業内容が増減するたびにチェックリストを一から作りなおすのではなく、一つのチェックリストを更新し続ける方針が良いと思います。
チェックリストは対応するプロジェクトの小課題や課題本文に記載しておくと、そのプロジェクトとチェックリストの紐付けがよりわかりやすくなります。

それでも過信しない

チェックリストはあくまでも自分のタスクをわかりやすくするためのものであり、クリアすれば何も問題がないと断定できるものではありません。上記までの対応を完璧に運用できたとしても、各環境への反映時や先方への展開時などの重要な場面では、念の為ログを確認したり作業内容を今一度洗い出すことで万が一のミスも防ぐことができます。

まとめ

今回は私が考えるチェックリストの便利なポイントと注意点、それらを踏まえた付き合い方についてご紹介させていただきました。チェックリストをうまく活用して制作物の精度を上げていきましょう!

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