2021年4月18日(日)に実施された「令和3年度春期 ネットワークスペシャリスト試験(NW試験)」に合格しました!勉強方法や特に勉強になった過去問などを紹介したいと思います。
経歴
- 社会人4年目
- Cisco L2スイッチ設計・構築(1年)
- Python アプリ開発 (2年)
- 保有資格
- 応用情報技術者試験
- CCNA
- AWS SAA など
ネットワークスペシャリスト試験とは
情報処理技術者試験は、「情報処理の促進に関する法律」に基づき経済産業省が、情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定している国家試験です。ネットワークスペシャリスト試験は、情報処理技術者試験の「高度な知識・技能」区分に位置します。
試験は年に1回実施されます。ネットワークスペシャリストは令和3年度から春期(4月)実施に変更となったので注意が必要です。※令和1年度までは秋期実施でしたが、令和2年春期試験が中止となったため、半年ずれています。
試験時間・出題形式
午前Ⅰ・Ⅱ、午後Ⅰ・Ⅱの4つに分かれています。午前がマーク式、午後が記述式です。また午後Ⅰは2/3問、午後Ⅱは1/2問を選択する形式となっています。
午前Ⅰ | 午前Ⅱ | 午後Ⅰ | 午後Ⅱ | |
---|---|---|---|---|
試験時間 | 9:30~10:20(50分) | 10:50~11:30(40分) | 12:30~14:00(90分) | 14:30~16:30(120分) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 多肢選択式(四肢択一) | 記述式 | 記述式 |
出題数 | 30問 | 25問 | 3問 | 2問 |
解答数 | 30問 | 25問 | 2問 | 1問 |
受験者数と合格率の推移
受験者数は年々減少しており、令和3年度は受験者数が8420人と1万人を割っています。過去10年でみると、受験者数は半分になっています。近年はインフラ基盤のクラウドへの移行が進み、低レイヤを意識しなくても簡単にネットワークの構築・設計ができてしまうので、NWに関心のある人が減ってきているのかもしれません。
合格率は毎年14~15%をうろついていましたが、今年度は過去10年で最低の12.8%だったそうです。
試験結果
無事一発合格できました。以前受験した応用情報技術者試験は、午後試験が63点でぎりぎりでしたが、ネスぺは余裕をもった合格で安心しました。
以下は午前Ⅰ・Ⅱ、午後Ⅰ・Ⅱ試験の度数分布表です。今年度の合格者が1107人で、午後Ⅱ試験が80点なので120位ぐらいだとすると、合格者の中でも上位10%弱には入るのかなと思います。かなり自信がつきました!
勉強内容
- 徹底攻略 ネットワークスペシャリスト教科書を読む。
- IPAのホームページに掲載されている過去問を解く。
IPAのホームページで解答例も公開されています。参考書と過去問の難易度差がかなりありますので、参考書をそこそこ読み終わったら、過去問演習に入ったほうがいいと思います。自分は過去10年分×3回は解きました。参考書に記載のない知識も問われることがあり、地道にググって調べていました。市販の解説付きの問題集も販売されていますが、個人的に解説付きだと考えることを放棄してしまう癖があるので購入しませんでした。
受験するメリット
ネットワークの知識が身につく
ネットワークの資格なので当たり前かもしれませんが、ネットワークの知識が身に付きます。自分は案件としてはL2スイッチの設計・構築ぐらいしか経験がないのですが、上位のLayer3~7のプロトコル仕様や、あらゆるNW設計パターン、問題解決手法を学ぶことができました。
クラウドサービスの裏側を推測できるようになる
自分はクラウドの部署に所属しており、クラウドサービスとしてAWSを使うことがあります。以前からAWSの裏側を知りたいと思っており、ネットワークスペシャリスト試験の過去問でいくつか参考になった問題がありましたので、以下の表にまとめます。(※あくまでクラウドサービスの裏側ではこういった技術が使われているのではないかと推測できるということであり、実際どうなっているかはわからないものがほとんどですが。。)
年 | 区分 | 内容 | AWSサービス名 |
---|---|---|---|
H24 | 午後Ⅰ問1 | サーバ負荷、セッション数などに基づくDNS名前解決 | Route 53 |
H25 | 午後Ⅱ問2 | ネットワーク仮想化技術を使った社内クラウドシステムの構築 | VPC, EC2 |
H27 | 午後Ⅰ問1 | シングルサインオン(SSO)の通信フロー | AWS SSO |
H29 | 午後Ⅰ問3 | 社内オンプレとクラウドサービス間の接続 | インターネットVPN, DirectConnect |
H29 | 午後Ⅱ問1 | クラウドサービスを利用したCDN, DNSの設計構築 | Cloudfront, Route 53 |
H30 | 午後Ⅱ問1 | MQTTを使用したPublish/Subscribe型の通信フロー | SNS |
最後に
ネスぺに無事合格できましたが、特定のベンダ製品やクラウドサービスなどの知識は出題されないので、ネットワークエンジニアとして設計・構築を実務で行う場合は、ベンダ知識も学んでいく必要があります。そのため、資格を取得したことに慢心せず、ネスぺに合格してようやくネットワークエンジニアの入り口に立ったというぐらいの謙虚な気持ちでいたいと思います。
また、午前Ⅰ再試験はなかなかつらいので、午前Ⅰ免除期間のうちに他のスペシャリスト試験(情報処理安全確保支援士かデータベーススペシャリスト?)を受けようと思います。