0
0

More than 1 year has passed since last update.

【Abaqus】使い方講座その4「複合材サンドイッチパネルの3点曲げ」

Last updated at Posted at 2022-09-02

はじめに

使い方講座その4です。
他の回は以下のサイトにまとめています。
https://qiita.com/yuki_2020/items/d613eedb149cbbd16ce8#%E4%BD%BF%E3%81%84%E6%96%B9%E8%AC%9B%E5%BA%A7%E9%80%A3%E8%BC%89

今回は以下の動画を紹介したいと思います。
内容としては、炭素繊維のスキンと均質なフォーム材からなるサンドイッチパネルを3点曲げする解析です。

学べる事

  • パートへの色の付け方
  • フェイスのオフセット
  • 材料方向の割り当て
  • 表示グループの作成

前提知識

以下のサイトの「線形解析」は暗記してください。

また、こちらの記事もかなり参考になります。

パート

フォーム

押し出し

サイズはどうでもいいですが、今回は300x20x80で作成
3次元 変形体 ソリッド 押し出し
で作成しました。
image.jpg

色の変更

「カラーコードダイアログ」を選択すると
image.jpg
「カラーコード」というウィンドウが出てくるので、「右によりカラーコード」から「パート」を選択
image (1).jpg

先ほど作ったパートの「カラー」の部分をクリックして右下の「色の編集」をクリック
出てきた「色の選択」のウィンドウから黄色を選ぶ
image (2).jpg

出来上がりがこちら
image (3).jpg

スキン

1:00~

サイズはどうでもいいですが、今回は300x2x80で作成
同様に、3次元 変形体 ソリッド 押し出し で作成しました。

フォームと同じく色を変更して、今回は灰色にしました。
image (4).jpg

アセンブリの作成1

2:15~

フォームとスキンを先に配置します
今回はディペンデントを選択

右上の「アセンブリデフォルト」となっているタブを「パート」とすることで先ほど指定した色に変更することができます。
image.jpg

その後スキンとフォームの頂点を使用して移動させて以下のように配置します。
image (1).jpg

配置の仕方について、詳しく知りたい人はこちらを読んでください
https://qiita.com/yuki_2020/items/126c484d36901203cb71#%E3%82%A2%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AA%E3%81%AE%E4%BD%9C%E6%88%90

動画ではスキンを回転させずに平行移動だけで配置していますが、後で作成する「材料方向の割り当て」で厚さ方向に対称に設定していないため、上下のスキンで材料方向が対称になっていない可能性があります。
こちらは調査中です。

スキンの分割

3:36~

今回、スキンを1つだけ作りましたが、実際には異なる角度の複合材が4層重なって1枚のスキンとなっています。
そのため4層分作っていこうと思います。

「パート」に戻り、「フェイスのオフセット」を選択します。
image (2).jpg

「オフセットするフェイスを選択してください」と表示されるので、表面のスキンを選択します。
image (3).jpg

その後「フェイスのオフセット」というウィンドウが出てくるので、「オフセット」内の「距離」を選択して、まず0.5とします。
image (4).jpg

okを押すと、新たに面が作成されます。
今回は4層作成したいので、距離0.5だけでなく1.0、1.5も同様の手順でおこないます。(厚さ2.0より)
出来上がったものがこちらです。(見た目を「パートデフォルト」に変更しています。)
image (5).jpg

さらに見た目を「要素特性」に変更すると、このようにサーフェスが内部に生成されたことがわかります。
image (6).jpg

スキンのデータム座標系の作成

4:30~

次に、各層における積層方向を指定します。
「データム座標系の作成:3ポイント」を押すと、
image (7).jpg

このようなウィンドウが出てくるので、「座標系タイプ」は「直交」のまま、「続ける」を選択
image (8).jpg

その後、スキンの端の真ん中の点の、
名称未設定 1.jpg

一番上の点を選択するとxyzの座標系が表示されます。
image.jpg

そして何も触らず入力せずに下にある「データムの作成」をクリックして完了です。
image (1).jpg

特性

5:00~

スキン

動画では、材料ライブラリを使用していますが、初期ダウンロード状態では入っておらず、今回は手動で入力します。

特性では「機械的」→「弾性」→「弾性」を選択し、
image.jpg

そして複合材の場合、タイプを「工学的定数による異方性」として各種剛性やポワソン比を入力します。
以下をコピペしてください。(タブ区切り)

150000	9000	9000	0.34	0.34	0.4	5000	5000	5000

image.jpg

なお、なお、今回は寸法をmmで入力しているため、剛性の単位はMPaとして入力しています。

また、今回の座標系は以下のようになっていると予想されます。
test1_2.png

その後「要素特性の作成」ではソリッドの均質を選択し、
image (1).jpg

先ほどの作成した特性を割り当てます。
image (1).jpg

その後「要素特性割り当ての編集」でスキン全体をドラッグアンドドロップの四角い枠で囲って今作った要素特性を割り当てれば完了です。
緑色になるはずです。

積層ごとの割り当て

6:10~

次に、スキンの各層の材料方向を割り当てます。
「材料方向の割り当て」を選択し、
image (2).jpg

まず一番上の層を選択します。
image (3).jpg

「完了」を押すと「座標系を選択してください」と出てくるので、表示されている「データム座標系リスト」を選択
名称未設定 2.jpg

すると「データム座標系リスト」というウィンドウが出てくるので、先ほど作成した座標系を選択
名称未設定 3.jpg

okを押すと「材料方向の編集」という画面が出てくる。
「追加の回転方法」を「軸2」に変更し、「追加の回転」は「角度」を選んで角度をしていすると、スキン上に現れている座標軸も対応して回転していることがわかる。

image.jpg

動画では「追加の回転方法」をデフォルトの「軸3」のままにしているが、おそらく「軸2」の間違いであると思われる。

今回は、上から順に0/45/-45/90という角度で材料方向を設定する。

最終的に、abaqusの画面の左にあるツリー表示の部分の
モデル→model-1→パート→composite→方向
の部分で確認することができる。(名前の付け方によって違う可能性あり)
image (1).jpg
image (2).jpg

フォーム

8:36~
フォームは材料特性で、「機械的」→「弾性」→「発泡超弾性(hyperfoam)」を選択
image (3).jpg

「試験データを使用する」にチェックを入れ、「一定のPoisson比を使用」は0に、
そして「試験データ」から「単軸試験データ」を選択。
image (4).jpg

以下をコピペすればよい(タブ区切り)

0	0	0
-2.19	-0.0159	0
-4.28	-0.0341	0
-5.04	-0.0444	0
-5.04	-0.0694	0
-5.42	-0.121	0
-5.51	-0.156	0
-5.7	-0.209	0
-5.8	-0.255	0
-6.46	-0.307	0
-6.46	-0.343	0
-7.03	-0.365	0
-7.22	-0.387	0
-7.79	-0.425	0
-8.46	-0.462	0
-9.41	-0.492	0
-10.8	-0.541	0
-12.7	-0.588	0
-15.5	-0.626	0
-17.3	-0.65	0
-20.2	-0.677	0
-22.8	-0.699	0

image.jpg

その後「要素特性の作成」ではソリッドの均質を選択し、
先ほどの作成した特性を割り当てます。
image (1).jpg

圧子

9:55~

次に、圧子と支点の円柱を作成します。

動画では最初変形体として作って、後からツリー内で離散化剛体に変更しています。
本記事でははじめから離散化剛体で作成します。

今回は、離散化剛体を選択
image.jpg

R7.5の円をスケッチして奥行きは80にする。

線の作成

「フェイスのパーティション:スケッチ」を選択して、円形の面を選択する。
image.png

エッジは適当に輪郭線を選択すればよい
image (2).jpg

「直線の作成:結合」を使用して、十字に線を引く。
ちなみにEscapキーで新しい線を引けます。
image (1).jpg

image.jpg

次に、「データム軸の作成:主軸」を選択して「z軸」を選択すると、円柱に円がひかれる。
image (1).jpg

その後、「セルのパーティション:エッジの押し出し/スイーブ」を選択。
image (2).jpg

先ほど作成した十字の部分が4分割されているので、同一直線状の2本をshiftを押しながら選択する。

image (3).jpg

その後「どのようにスイーブしますか」と出るので、「方向に沿って押し出し」を選択して
image (4).jpg

先ほど作成したデータム軸を選択する。
image.jpg

「パーティションの作成」を押して完成

もう一つの線に対しても同じことをする。
2回目以降は「分割するセルを選択してください」と出るので全体を選択する。出来上がったものが↓である。
image (1).jpg

そして「シェルの作成:ソリッドから」を使用してソリッドからシェルに変換する。
やり方はこちらを見てください。
https://qiita.com/yuki_2020/items/126c484d36901203cb71#%E3%82%BD%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%89%E3%81%8B%E3%82%89%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%81%AB

最後に、参照点を円柱の面の中心に作成する。
↓画像は、「ビューカットマネージャ」より断面を見ている
image (3).jpg

アセンブリ2

12:10~

次に、圧子を配置します。
https://qiita.com/yuki_2020/items/126c484d36901203cb71#%E3%82%A2%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AA%E3%81%AE%E4%BD%9C%E6%88%90
を参考に、「インスタンスの移動」を選択して中心に圧子を置きます。

その後、「データムポイントの作成:2ポイント間の中間」を使用して、支点を置くための点を作成します。
image (4).jpg

1つ目は右下のこの点を選択
image (5).jpg

もう一点はパネル中心の同じ高さの点を選択すると、↓のような点が作成されます。
名称未設定 1.jpg

端の点と新しく作った点を使って同様のことを2回繰り返し、反対側も同じことをして圧子を配置します。
image (6).jpg

ステップ

14:30~

ステップの作成から、「Static, General」を選択
image (2).jpg

続けるを押し、「基本」のタブでNlgeomをオンに、自動安定化は「散逸エネルギ比を指定する」を選択。(動画では最初自動安定化話にしているが、20:29あたりでこちらに変更している)
image (3).jpg

「インクリメント」のタブでは、
最大インクリメント数を100→100000に増やし、

時間増分値は
初期値を1→0.1
最小を1E-05→1E-020
に変更
image (7).jpg

相互作用

順番前後させます。

相互作用特性の作成

15:30~
「相互作用特性の作成」から、「接触」を選択
image (6).jpg

「機械的」→「接触接線方向の挙動」
image (7).jpg

「摩擦の定式化」でペナルティを選択し、摩擦係数は0.4に設定
image (4).jpg

「機械的」→「接触方向挙動」を選択
image (9).jpg

特に触らずに決定
image (10).jpg

相互作用の作成

「相互作用の作成」から、「ステップ」を先ほど作ったstep-1にし「異なるサーフェス間の接触(Standard)」を選択
image (14).jpg

上のバーから「表示グループの作成」を選択
image.jpg

「アイテム」内の「パート/モデルインスタンス」を選択し、圧子(今回はload-1)を選択して、「置換」を押すと、圧子のみの表示となる。
image (1).jpg

圧子全体を選択し、見えている「ブラウン」を選択
image (2).jpg

「Choose the secondary type」と出るので、「サーフェス」を選択
image (17).jpg

上のバーから「すべてを置換」を押して全体を表示させ、圧子の接触先のスキン表面を選択
名称未設定 2.jpg

「相互作用の編集」では先ほど作成した相互作用特性を指定する以外は触らない

image (5).jpg

同様の「異なるサーフェス間の接触(Standard)」を、下の支点と下のスキン表面に対しても行う。
image (6).jpg

さらに、フォーム上面とスキンの間に対しても「異なるサーフェス間の接触(Standard)」を指定する。
動画ではまずフォームのみ表示して選択して
image (7).jpg
スキンだけを表示して選択していた。
image (8).jpg

そして動画ではなぜか「相互作用の編集」でサーフェスの入れ替えを押して、「main suefes」をスキン側に設定していた。
image.jpg

最後に、フォームの下面と下面スキンは結合をする。
「拘束の作成」から「結合」を選択
上面のスキンと同じ要領でフォームの下面と下面スキンのサーフェスを選択する。
また、同じく「相互作用の編集」でサーフェスの入れ替えを押して、「main suefes」をスキン側に設定していた。ほかは触らない。
image (2).jpg

荷重

17:50~

境界条件

支点

ステップは「initial」である。

まず支点側を固定する。
「境界条件の作成」から、「対称/反対称/完全固定」を選択
image (11).jpg

支点にあるPRという参照点を二つとも選択する。
Shiftを押しながらクリックすることで複数選択をすることができる。
名称未設定 3.jpg

その後「ENCASTRE」で完全固定する。
image (13).jpg

支点は剛体なので、この一点を完全固定するだけで支点全体を固定することができると思われる。

圧子

18:05~
ステップは「initial」である。

「変位/回転」を選択
image (14).jpg

同じく圧子の参照点RPを選択
今回は、y軸方向に圧子を動かすため、initialの状態で「U2」以外を選択
image.jpg

次に「step-1」で圧子が下りるように変更する。
まず「境界条件マネージャ」から先ほど圧子の境界条件を作成した「BC-2」の「Step-1」の「継承」となっている部分を選択して編集する。
image (1).jpg

U2を-7とする。
image (3).jpg

メッシュ

18:45~

圧子

「メッシュコントロール」で、アルゴリズムをデフォルトの「Advancing front」から「Medial axis」に変更する。
メッシュを切った時の違いはこんな感じ
image (4).jpg

剛体である圧子はデフォルトで「4辺形支配」であり、「離散化剛体要素」である。

スキン・フォーム

特に変更点はない。
デフォルトで線形の6面体要素であるC3D8Rである。

出来上がったものがこちら
student editionように節点数を1000節点に抑えているので、かなり粗くメッシュを切っています。
image (6).jpg

ジョブ

特に変更する点はなし。

結果

今回はうまくできました。

image (7).jpg

結果表示の色々

21:36~

圧子が動いていく様子を見たいときは、「アニメーション:スケールファクタ」を選択し、「アニメーションオプション」より速さを変えることができる。
image (8).jpg

「表示グループの作成」を使用すれば、一部のみ見ることもできる。
image (9).jpg

おまけ

20:35~
この動画では、「ステップ」の上のタブ内の「その他」→「一般解放コントロール」→「編集」→「step-1」でいろいろせてしていますが、しなくてもうまくいきます。
知りたい人は動画を見てください。

最後に

複合材サンドイッチパネルの3点曲げのやり方を紹介しました。
今回だけでも、サーフェスの結合やパートを複数層にする方法、材料方向の割り当てなどどいろいろ紹介できたと思います。

今回で使い方講座はその4になりましたが、2~4の3点まげをやるだけでもかなりAbaqusが使えるようになった気がします。

また新しい内容があったら連載したいと思います。

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0