この記事は ZOZO アドベントカレンダー Series7 の 3 日目の記事です。
はじめに
はじめまして、ゆうき(@tanayu7777)と申します。
以前、開発チームにスクラムマスターとしてスクラム開発を導入する機会があり、その際に効果的だった取り組みについてまとめました。
尚、本記事では、スクラム開発の基本概念や役割についての説明は割愛し、導入時に特に効果を発揮した取り組みに焦点を当てて解説します。スクラムの基礎知識についてはスクラムガイドをご参照ください。
スクラム導入の前提条件は以下の通りです。
- 筆者以外のチームメンバーはスクラム開発の経験がない
- チームは主にバックエンドと SRE 領域の開発を担当
- 私自身は前職でスクラム開発を経験済み(Certified ScrumMaster® 資格取得)
スクラムを導入する理由
まず、チームメンバーに「なぜスクラムを導入するのか」「導入によるメリットは何か」を説明し、共通認識を持つことが重要です。事前にスクラムの概要を説明した上で、以下の導入にすることのメリットを共有しました(スクラムガイドを参考)。
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透明性の確保:「誰が」「いつまでに」「どの目標の達成のために」「何の作業をしているか」が明確になる
- 早期にズレやミスを発見できる
- 情報共有が活発になり、属人化を防止できる
- 各メンバーが短いサイクルでのコミットメントを持ち、「何を」「いつまでに」行うべきかが明確になる
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検査と適応のサイクル:短いスプリント(約2週間)で目標や成果物、開発体制を振り返り、改善できる
- 潜在的な問題を早期に検知できる
- プロダクトやプロセスの改善ポイントを特定できる
以上の点をチーム内で合意し、全員が納得した上でスクラム開発を進める体制を整えました。また、プロダクトオーナー(PO)の役割を担うプロジェクトマネージャー(PM)にも同様の説明を行い、合意を得ています。
スクラムの導入方法
次に、スクラムをどのように導入するかをチームと共有しました。具体的な準備事項や変更点が不明確だと混乱を招く可能性があるため、以下の2つの取り組みを行いました。
1. スクラム導入までのロードマップ作成
「いつまでに」「何を準備・用意する必要があるか」を示したロードマップを作成し、チームに共有しました。これにより、導入までのタスクとスケジュールが明確になり、見通しを持つことができると考えました。
2. 開発プロセスの変更点の説明
スクラム導入によって既存の開発プロセスがどのように変わるのかを、下記の図を用いて説明しました。各セレモニーが開発プロセスのどの段階で、どのような役割を果たすのかを具体的に示しました。
これらの取り組みにより、チームメンバーはスクラム導入までのプロセスを明確に理解し、混乱を避けることができたと考えています。
おわりに
上記の取り組みを通じて、チームメンバーが納得し、混乱せずに比較的スムーズにスクラム開発を導入できたと感じています。スプリントを重ねるごとにチームは成長し、自己組織化が進んでいることを実感しています。
スクラム導入を検討されている方やチームの参考になれば幸いです。