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【API 型定義 × UI 設計の最適解 #2】RTK Query × TypeScript 実践:型安全とパフォーマンスを両立する実装テクニック

Last updated at Posted at 2026-01-12

はじめに

前編「【API 型定義 × UI 設計の最適解 #1】Hooks 時代のコンポーネント設計」では、データ取得をコンポーネントに寄せる「Co-location(コロケーション)」戦略について触れました。

本記事では、その設計を TypeScript 環境で実践する際の**「具体的な実装テクニック」**にフォーカスします。
特に、RTK Query で定義された型情報を活かすための方法を中心に解説します。

※ 本記事では例として openapi-typescript による自動生成型を扱いますが、手書きの型定義ファイル (types.ts) を運用している場合でも、本質的なメリット(二重定義の回避)は同じです。


課題:Props 境界で「型」が切れる問題

親コンポーネントでデータを取得し、子コンポーネントへ Props で渡す「従来型」の実装では、以下のような問題が起きがちです。

// API型定義 (自動生成, または共有の型定義ファイル)
type User = { id: string; name: string; age: number; ... };

// 子コンポーネント
// ❌ 課題: ここで改めて型を手動定義する必要がある
type UserNameProps = {
  name: string; // ここで API 型との "紐" が切れる!
};

const UserName = ({ name }: UserNameProps) => <p>{name}</p>;

API 側で name の型が変わっても、UserNameProps は追従できず、型の不整合(バグの温床)が発生します。


解決策:コロケーション × 型推論の最大活用

この問題に対する有力なアプローチは、「値を使うコンポーネント自身で API Hooks を呼ぶ(コロケーション)」 ことです。

基本パターン

// UserName.tsx
import { useGetUserQuery } from "./api";

export const UserName = ({ userId }: { userId: string }) => {
  // ✅ API 定義から生成された型がそのまま推論される
  // user: User | undefined
  const { data: user } = useGetUserQuery(userId);

  if (!user) return null;

  // ここでは user.name は API 定義通りの型であることが保証される
  return <p>{user.name}</p>;
};

これにより、手動で Props の型を書く必要がなくなり、API 定義の変更がコンポーネント内部まで自動的に伝播します。


パフォーマンスの最適化:selectFromResult

「末端のコンポーネントごとに Hooks を呼ぶと、無駄な再レンダリングが起きるのでは?」という懸念には、RTK Query の selectFromResult オプションが有効です。

selectFromResult とは

Hooks の戻り値をメモ化し、「本当に必要なデータが変わった時だけ」 コンポーネントを再レンダリングさせる機能です。

export const UserName = ({ userId }: { userId: string }) => {
  const { name } = useGetUserQuery(userId, {
    // ✅ data 全体が更新されても、name が変わらない限り再レンダリングされない
    selectFromResult: ({ data }) => ({
      name: data?.name,
    }),
  });

  return <p>{name}</p>;
};

親で巨大なオブジェクトを取得して Props で渡すと、無関係なプロパティ(例: updatedAt)が変わるだけで子コンポーネントも再レンダリングされてしまいますが、この方法ならコンポーネント単位で最適化が可能です。

リクエストの重複について

RTK Query は優秀なキャッシュ機構を持っているため、同じ引数で複数のコンポーネントから同時に Hooks を呼んでも、発行されるネットワークリクエストは 1 回だけです。
そのため、「リクエスト数が増える」という心配は無用です。


「Props を使う場面」の明確化

コロケーションを推奨するとはいえ、Props が完全になくなるわけではありません。以下のようなケースでは Props が適しています。

  1. ID や検索条件: データを特定するためのキー(userId など)。
  2. UI の状態: isActive, isOpen などの制御フラグ。
  3. イベントハンドラ: onClick, onClose など。
  4. 再利用性の高い汎用コンポーネント: <Card>, <Avatar> のように複数の API で使い回すコンポーネント。特定の Hooks に依存できないため、Props で受け取る。

「API から返ってきた生データ」を Props で渡す頻度を減らす、というのがここでのポイントです。


型安全な実装のための Tips

ローカル変数の型注釈は書かない

VS Code などのエディタは非常に賢いため、Hooks の戻り値から型を推論してくれます。
変に型注釈(const user: User = ...)を書くと、かえって型の範囲を広げてしまったり(any の混入など)、保守コストを増やす原因になります。

基本は推論に任せ、境界(Props や関数の引数)でのみ型を明示するのが、モダンな TS の流儀です。


まとめ

RTK Query × TypeScript 環境で型推論を活かすためのポイントは、コロケーションを採用することです。

データを使う場所で Hooks を呼び出すことで、Props を経由せずに値を取得でき、Hooks の戻り値から型推論がそのまま効きます。Props の型定義が不要になるため、記述量が減り、API の変更にも自動的に追従できます。

コロケーションを採用する場合は、本文で紹介した selectFromResult を活用してパフォーマンスを意識すると良いでしょう。

👉 設計編に戻る: 【API 型定義 × UI 設計の最適解 #1】Hooks 時代のコンポーネント設計


参考リンク・ソース

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