はじめに
クリエイティブチーム内で CCライブラリの導入 を行いました。
今回は導入方法や大変だったことについて、まとめていきたいと思います
きっかけ
以前、チーム内の勉強会で「CCライブラリ」が議題に上がったことがありました。
その時は 「みんなで使えるもの」「便利なもの」 ということはふんわり分かったものの、実際にどうやって使うのかを深掘りすることはありませんでした。
そして、それ以上に 「なんだか大変そう」 というイメージを持っていました
時を経て、自分自身のスキルアップも兼ねて導入に向けて動くことになったのです。
CCライブラリとは?
CCライブラリとは 「Creative Cloudライブラリ」 の略で、Adobeのソフトで作成した素材などを保存できるツールです。作成した素材を 「共有」 することもでき、チーム内で同じ素材を使う ことが可能です。
▽こんなことはありませんか?
- いつも使っている「カラーコード」、何だっけ?
- よく使っているあの「フォント」、何だっけ?
- この「画像素材」、どこだっけ?
- 前に似たような「イラスト」使ったことあったような…
探さなきゃ…面倒くさい…(負のループ)
つまり
探す手間を省く = 時間短縮 = 業務効率化できるのが「CCライブラリ」なのです
使用できるAdobeソフト
こちらより抜粋しています。
- Illustrator
- Photoshop
- InDesign
- Premiere Pro
- After Effects
- Dreamweaver
- Muse
- Animate
Creative Cloudデスクトップ版とモバイルアプリで使用が可能とのことです。
導入手順
私が実際に導入した手順は以下のとおりです。
1. カテゴリー検討
2. カテゴリー作成
3. 素材を準備する
4. 素材をライブラリに追加する
5. 表示確認
6. プレ導入
7. 階層整備~パーツ調整
8. 全素材の作成
9. 最終確認~本番導入
1. カテゴリー検討
まず、デザインをする中でよく使っているものをリストアップし 「スプレッドシート」 にまとめました。
ざっくり洗い出した後、「大カテゴリー」→「小カテゴリー」 の順に記入していきました。
▽カテゴリー案(スプレッドシートのキャプチャー)
※ 実際に使用したものから抜粋しています
今回は 「一人で使用するものではなく、みんなで使用するもの」 なので、このまま次のステップに進むわけにはいきません。
(私が勝手に考えたカテゴリーであって、チームのみんなが求めているものかどうかは分からないためです)
チーム内でスプレッドシートを共有し 「他に追加したいものがあるか」「これは要らないのではないか」 希望を募ることにしました。
希望については、別途 「ご意見シート」 を準備し、任意で書いていただくようにしました。
ご意見シートの内容をもとに、「カテゴリーの追加~削除~決定」 まで行いました。
2. カテゴリー作成
カテゴリーが決まったら、実際に作業に入っていきます。
今回は Photoshop で使うことを目的としていたため、Photoshopを例に説明します。
- Photoshopを起動し 「ウィンドウ」→「CCライブラリ」 を選択すると、CCライブラリのパネルが開きます。
- 「+新規ライブラリ」 を選択します。
- ライブラリ名と保存先 を設定し 「作成」 します。
- 右下の 「フォルダマーク(新規グループ)」 を選択し、大カテゴリーを作成していきます。
大カテゴリーを選択した状態でフォルダマークを選択 すると「小カテゴリー」を作成することができます。
3. 素材を準備する
カラー・テキストなどの素材を準備しておきます。
レイヤーが複数ある時は、グループ化しておきましょう。
4. 素材をライブラリに追加する
素材を作ったら、ライブラリに追加します。
色々な追加方法があるので、今回は一部を記載します。
▽カラーを追加する
- シェイプで作成したカラーを選択し、CCライブラリパネル右下の 「カラー(塗り)」 を選択します。
- 「グループなし」のところに追加されました。
- ドラッグ&ドロップで作成しておいた「カラー」フォルダに移動しましょう。
▽フォントを追加する
- サンプルテキストを選択し、CCライブラリパネル右下の 「文字スタイル」 を選択します。
- 「グループなし」のところに追加されました。
- ドラッグ&ドロップで作成しておいた「フォント」フォルダに移動しましょう。
▽その他の素材を追加する
ドラッグ&ドロップでフォルダに格納します。
グループ化しておいた素材は、グループを選択してドラッグ&ドロップすると 「グループの状態を維持したままライブラリに保存」 できます。
5. 表示確認
作成完了~公開!ではなく、実際に使えるかどうか確認してみましょう。
今回は確認用のサンプルを用意してみました。
▽カラーを反映する
- グレーのシェイプを選択し、追加済みの カラー(ゴールド) を選択します。
- 色の変更が確認できました!
- 同様に、サンプルテキストを選択し、追加済みの カラー(ブルー) を選択すると、テキストのカラーも変更できます。
▽フォントを反映する
- サンプルテキストを選択し、追加済みの フォント を選択します。
- フォントの変更が確認できました!
フォントは元々準備したフォントサイズや行間が適用されます。
▽その他の素材を使ってみる
それぞれをドラッグ&ドロップで使用します。
そのままドラッグ&ドロップをすると、リンクされた状態になります(雲のマークになります)。
これではテキストデータをPhotoshop上で編集することができません。
シェイプで作っていた素材も画像として貼られてしまうため、拡大するとぼやけてしまいます。
そのため、以下の方法で「ドラッグ&ドロップ」しましょう。
Alt(Windows)/Option(Mac)を押しながら、ドラッグ&ドロップで配置しましょう。
元のファイルの状態を維持したまま、配置したデータを編集することができます!
実際に使用できることが確認できましたので、次のステップに進みます
6. プレ導入
全部のパーツを一気に作成してしまうと、後から修正が大変です。
そのため、今回は素材を全体の3分の1ほど作成した段階で 「プレ導入(テスト導入)」 を行いました。
※ 今回はボリュームが多かったので、この工程を入れていますが割愛しても問題ありません。
- CCライブラリパネル右上の 「三本線」 を選択し 「ユーザーを招待」 を選択します。
- 「共有(青いボタン)」を選択します。
- 「ユーザーを招待」欄にメールアドレスを入力し、招待しましょう。
招待されたユーザーには、メールが届きます。URLから入り、参加してもらってください。
5. 階層の整備~パーツの調整
プレ導入後は2週間ほど期間を設け、実際に使っていただきました。
その後ヒアリングを行い、階層の整備(カテゴリ名の調整)~パーツの調整を行いました。
6. 全ての素材の作成
ヒアリング~調整が終わったら、全ての素材を作成していきます。
作成手順は 「4. 素材をライブラリに追加する」 と同様です。
7. 最終確認~本番導入
全部作成したら、最終確認を行います。
勝手に公開するのは危険なので、必ず上長にチェックをお願いしましょう!
問題なければ本番導入を行います。
本番導入の手順もプレ導入の時と基本的に同じです。
(もし招待していない人がいれば、ここで追加で招待しましょう)
これで無事に完了!!お疲れ様でした
・・・の予定でした・・・
失敗した話
さも順調にいったかのように書いていますが、実は最初から失敗していました。
- 実際は、保存先を「社内の設定」ではなく「個人用ストレージ」にしていた
(先に説明していた保存先のキャプチャーは「社内の設定」に修正済み)
- 実際は、本番導入時「ユーザーを招待(個別に招待する)」ではなく「リンクを取得(URL共有)」で招待していた
もしかしてこれ…まずい?
リンクが分かる人なら誰でも使えてしまう?
冷や汗が止まりませんでした
とはいえ、作成済みのものはそのまま使いたい。
- 「+新規ライブラリ」で新規作成(社内の設定)。
- 作成済みのライブラリをコピー
(右クリック → コピー先を選択 → 新規作成したライブラリを選択でコピーできました)
- 作成済みのライブラリーは削除(※使えないようにしました)
- 新規で作成し直したライブラリーに個別URLで招待
という手順で、急いで修正をかけました。
今度こそ本当に、お疲れ様でした
今後の課題
今後は実際の制作に使っていき、 定期的にメンテナンス(追加・削除・更新) を行っていく予定です。
実は、そのための ルール設定 がまだできておりません。
もっと便利に効率よく使っていただくために、ルール設定を行っていきたいと思います!
(素材をもっと充実させたい)
参考にした記事
【Photoshop】CCライブラリの使い方を徹底解説forフォトショ初心者
知らなきゃ損!Adobe CCでの作業が格段に効率よくなるCreative Cloud Librariesとは
まとめ
いかがでしたでしょうか。恥ずかしながら失敗談も含めて書かせていただきました。
ぜひ、チーム内で導入を検討されている方の参考になれば幸いです
ありがとうございました。