B1で始められる物理分野、三選
お久しぶりです、ゆいだるまです。アドカレも本記事を含め残すところ二日となりました。今回は、B1からでも勉強できる物理の分野を三つ、厳選して紹介します。(上の画像の指は二進数の3です)
もちろん、やろうと思えば何でもできそうですが、比較的始めやすいものを紹介します。
1.解析力学
先ず一つ目は、解析力学です。弊学物理学科のカリキュラムでは二年次に履修する科目ですが、こちらは一年次の内から始めることが可能で、多くのPhysiKyuの現一年生が解析力学のゼミに参加しております。
解析力学とは?
今まで高校でやってきた力学はいわゆる「初等力学」などと呼ばれるものです。B1でもさらに発展した内容を扱うと思いますが、その際に極座標に変換して計算することもあるでしょう。ここで、座標の取り替えをするための計算が面倒だと思っていた人も多いのではないでしょうか。解析力学では、ラグランジアン、あるいはハミルトニアンという量を見つければ、面倒な計算をせずとも運動方程式を導くことができます。
教科書例
実際に、どのような教科書があるのかみていきましょう。
渡辺 悠樹 著 『解析力学ー基礎の基礎から発展的なトピックまでー』
こちらの教科書は通称「ハチワレ解析力学(ちいかわ解析力学)」とも呼ばれています。(色がそっくりですね)
とても詳しく書かれていてわかりやすく、また他の教科書ではあまり取り上げられていないようなトピックまで載っています。さらに、渡辺先生ご自身がこの教科書の解説動画をYouTubeにあげているため、非常に勉強しやすい教科書となっています。
畑 浩之 著 『解析力学』
この本は、Lagrangianと最小作用の原理から始まり、対称性とNoetherの定理、拘束のある系、Hamilton形式、正準変換、Hamilton-Jacobi理論と、解析力学の基本的な内容を順序よく示している。行間も少なく、初学者にもお勧めできるが、フーリエ変換や線形代数でつまずく部分があるかもしれない。最後には、微分形式による記述や場の理論への拡張の章があるが、ここはコラム的に読むことを推奨する。11章の量子化の章は、Hamilton形式の効力を感じられ、大変面白い。5章の連成振動は少し蛇足的に感じるので、飛ばしてもよいと思う。
解析力学の入門書として、非常に優れた一冊である。
2.特殊相対論
二つ目は特殊相対論です。相対性理論は「特殊相対論」と「一般相対論」などと呼び分けられていますが、一般相対論は特殊相対論を学んでいないと勉強するのはほぼ不可能です。
特殊相対論の基礎的な部分に関しては、大学に入ってから学ぶような知識を特に必要とせず、手を出しやすい分野となっています。
教科書例
風間 洋一 著 『相対性理論入門講義』
この教科書は、相対性理論を学び始めるのに最適な一冊となっています。初学者はテンソルの計算がよく分からないといった問題がよく発生すると思います。しかし、テンソルの計算に関して、かなりのページ数を割いて説明をしてくれているので躓くことなく相対論の学習を進めることができると思います!
Bernard Schutz 著 『相対論入門Ⅰ 特殊相対論』
こちら著者は日本人ではありませんが、日本語に訳されているので安心してください。ただ、誤字脱字が散見され、また翻訳本であるせいか、日本語として違和感のある部分も見かけられます。(筆者は慣れるのに時間がかかりました) しかし、内容自体は入門的で、図が多いのもあり全体として理解しやすいものとなっています。
3.量子力学
最後は量子力学です。量子力学は今年で100年目ということで少し話題になっていましたね。アドカレ六日目で書いたように、量子力学を学ぶのに抵抗を持っている人は多いと思います。ですが、量子力学はB1からでも全然勉強できます!行列の計算や固有値などの知識はあった方がいいですが、逆に言えばそこまでやっていれば、基礎的な部分はある程度手を出すことができます。
教科書例
谷村 省吾 著 『量子力学10講』
この教科書は、個人的に量子力学を学ぶとっかかりとしては非常に良い本だと思っています。基礎的な線型代数の知識と高校数学ができていれば読むことができます。途中、テンソル積など難しい話を含む内容はありますが、特にそれに関する知識がなくても読めるようになっています。
佐藤 博彦 著 『初歩から学ぶ量子力学』
この教科書は, タイトルの通り初歩的な概念である波動力学から行列力学まで一歩一歩着実に学べる本です. 必要な知識は大学1年レベルの数学・物理だけである他に, 解説も丁寧であるため, 量子力学の入門書としてオススメです.
また, 内容も非常に充実しており学部で学びたい量子力学の知識が網羅されています. 特に物性物理学のトピックが豊富で, 物性の魅力を知ることができる嬉しい一面もあります!
おわりに
あまり多くの教科書を紹介することはできませんでしたが、ぜひこれを参考にしていろんな分野に手を出してみてはいかがでしょうか。
また、本記事で紹介した教科書の一部は、友人や先輩方にご協力いただきました。この場を借りて感謝いたします。

