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フレッツ回線から無償で使えるインターネット接続サービスを試してみる(SDCC ONW v3)

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はじめに

Twitter(現X)にて、フレッツ回線で使える無償のインターネット接続サービスがあると流れてきたので試してみた。運営元のURLは以下の通り。

SDCC-Wiki
202508_公開AFTRサーバー
https://wiki.s.sdconw.com/68adeceb59b31226a3736ddb

島根データセンター友の会は2025/8/27よりフレッツ網内から自由に利用可能なAFTRサーバーの提供を開始しました。
インターネット接続がないフレッツ回線下部のLinux等のOSやルーターにDS-Lite相当の設定を実施することで、インターネット接続が可能です。

⚡ 結果

結果としては以下の3点が実現できた。設定等の詳細は次項以降に記載する。

  • フレッツ光クロス & Linuxルータ(OpenWRT)を利用してインターネットに接続することができた
  • スピードテストは 1.1 Gbpsくらいだった
  • RTTは 15 msくらいだった

⏳ サービス要件と当記事の環境

サービス側の要件と当記事における環境を以下に記載する。

項目 サービス側の要件 当記事の環境
対象エリア NTT東日本エリア全域 東京
回線 フレッツのアクセス回線 フレッツ光クロス
ISP 不要(*) OCN
ルータ DS-Lite相当の設定が可能なルータ OpenWRT 24.10.1
DNSサーバ 名前解決可なDNSサーバ(*) 自宅内のDNSサーバ
(IPv6/IPv4デュアルスタック)

*ISPの契約が無い場合は初期設定におけるDS-Lite接続のAFTRアドレスを名前解決する際に利用するDNSサーバを準備できない可能性があるため注意する(FQDNではなくIPv6アドレスを直接指定すれば問題ない)。DS-Lite接続後はIPv4接続でパブリックなDNSサーバが利用できるため問題ない。

⚙️ 設定

1.DS-Liteのパッケージインストールする
リストを更新→フィルター欄にds-liteを入力→ds-liteをインストール
スクリーンショット (20).png

2.DS-Liteのインターフェースを新規作成する
名前は適当、プロトコルを Dual-Stack Lite (RFC6333) にする。
スクリーンショット (33).png

3.DS-Liteのインターフェースを編集する

  • AFTRアドレスの入力
    DS-Lite AFTRアドレス欄に wtd01-aftr01-ngnintf.i.open.ad.jp と入力して保存する。

  • ファイアウォール設定をする
    環境によって適宜設定する。本環境ではWANゾーンに本インターフェースを追加することで通信可能となる。

  • 優先度の設定をする
    既存のIPv4接続設定が有効な場合は、詳細設定からメトリック値を設定する…等により新しい設定(SDCC-ISP)の優先度が高くなるよう設定する。

スクリーンショット (21).png

4.保存&適用
設定を保存後にインターフェース一覧の画面で保存&適用をすることで設定が適用される

📊 計測(スピード)

ここまでの設定でIPv4通信はSDCC-ISP(本記事で新たに設定)、IPv6通信はOCN(既存設定)という環境になっている。IPv4/IPv6を一括で計測できるiNonius Speed Testでスピードテストを実施した。

iNonius Speed Test (IPv4/IPv6)
https://inonius.net/

10回計測した結果としては以下の通り。3.7 Gbps程度出る環境で 1.1 Gbsp程度の速度を確認することができた。別のサイトで計測した際は 2.5 Gbps程度まで確認できたが、いずれにしても 1 Gbpsを超える十分な速度が出ていた。

項目 IPv4 (SDCC) IPv6 (OCN)
中央値 1.1 Gbps 3.7 Gbps
平均値 1.1 Gbps 3.2 Gbps

一番良い結果のスクリーンショット
スクリーンショット (29).png

10回計測した個別の結果は以下の通り(単位はMbps)。

No IPv4 (SDCC) IPv6 (OCN)
1 1,331 1,088
2 1,270 1,642
3 1,128 3,913
4 850 3,780
5 1,128 3,913
6 850 3,782
7 1,515 3,701
8 1,134 2,616
9 1,242 4,982
10 875 3,516

🔎 計測(レスポンス)

前項の測定においてRTTも測定しているため以下に記載する。5 ms程度の環境で安定的に11 ms程度の結果を確認することができた。

項目 IPv4 (SDCC-ISP) IPv6 (OCN)
中央値 11.35 ms 5.65 ms
平均値 11.37 ms 5.54 ms

10回計測した個別の結果は以下の通り(単位はms)。

No IPv4 (SDCC-ISP) IPv6 (OCN)
1 11.00 5.60
2 11.40 5.80
3 11.30 5.80
4 11.60 5.90
5 12.40 5.00
6 11.50 4.90
7 11.70 5.70
8 10.90 5.60
9 10.90 5.20
10 11.00 5.90

まとめ

試してみた結果として、概ね高品質なインターネット接続サービスであることを確認できた。利用用途としては以下のような検証およびサブ回線的な使い方になると想定している。

  • 検証用回線
  • メイン回線障害時のバックアップ用回線
  • 引越しやISP変更等におけるダウンタイム回避用回線

なお、品質的にはメイン回線として使っても大きな問題はなさそうだが、「無償、無保証のサービスとなります。止まってはならない通信の目的で使用しないでください。」との記載があるため、そこそこの具合にしておくのがよさそうと考えられる。

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