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SaaS (クラウドサービス) の導入って、どうなったら成功なんだろう?

Last updated at Posted at 2026-01-17

私の結論(解)を先に示しておきます

「サービス導入後に仕事(作業量)が増えていたら、失敗」

どうしてそう言えるのか。説明していきましょう。

はじめに

仕事で Power BI の初学者向け研修を企業さんから請け負ったり、コンサルティングをやっていると、実に様々な質問をいただきます。BI 製品ですから、データの扱い、品質の高いデータをいかに貯めるか?はもちろんのこと、周辺製品・関連サービスのより効率的な使い方など、時にアーキテクチャにまで及ぶ内容です。そういった質問からは、私自身もとても勉強になる情報がたくさんあり、常に学びになっています。

今回はそんな中で、ふと思いました。

「企業(特に事業会社)において、SaaS (クラウドサービス) の導入って、どうなったら成功なのだろうか?」

この問いについて、考えてみようと思います。

当たり前になったSaaS (クラウドサービス)

日本では 2010 年頃、クラウドという言葉が聞かれはじめ、それに伴って、IaaS、PaaS、SaaS という言葉が知られることになりました。

  • IaaS : Infrastructure as a Service
  • PaaS : Platform as a Service
  • SaaS : Software as a Service

それぞれが👆の略であることは、周知の通りです。(それぞれの定義が知りたい方は調べてみてください👍)

そこから数年のうちに、国産の SaaS が出てきます。そして、中には業務システムを置き換えることができるくらい魅力的なサービスが出てきました。ですが、当時はクラウドサービスを導入するにしても、

  • 「前例がない」
  • 「セキュリティが心配」
  • 「止まったらどうするんだ」
  • 「オンプレミスと比較したら、費用が高くなるのではないか」

などの理由で、稟議申請が却下されたものです...(遠い目👀

2010年~2020年にかけて、それらの心配が徐々に払拭されていき、今では各部署ごとに必要な業務システムとして SaaS を利用しているという例も珍しいことではないでしょう。

なんなら、どの PC にもインストールされている Microsoft Office (Excel, Word, PowerPoint など) ですら、クラウドサービスと接続して利用しているはずです。

そんな SaaS ですが、冒頭で書いたように、ユーザーから話を聞いていると、

「ん?それは使い方が間違っていないか...?」
「通常の使い方とちょっと違うぞ...」

などと感じることもしばしばあります。

SaaS の導入の成功・失敗とは?

最終的には、そういったクラウドサービスの導入に対する 成功 or 失敗 については、当事者が判断することだと思います。ですが、たくさんのユーザーから話を聞いていると、第三者として明らかに「それは失敗しているよね...?」と思うことがあります。

SaaS とは Software as a Service ですから、契約すれば即座にそのソフトウェアを利用できるものです。そしてソフトウェアは明確な目的を持って開発されています。会計ソフト、勤怠システム、在庫管理など、どの企業でも必要となるいわゆる「基幹系システム」から、チャットサービス、ファイル保管用のストレージサービス、オンラインミーティングツールなどの「情報系システム」その目的は多岐にわたります。最近では、ノーコードで事業担当者が必要なアプリを開発できるものまであります。

全てに共通する導入目的は、

「その特定の目的において、導入前よりも便利になること」

と言えるでしょう。
不便になってしまっては、導入する意味がありませんからね。

「何を言っているんだ。そんなこと当たり前じゃないか」

そう思われる方もいるかもしれません。ですが、これが当たり前じゃないのです。当たり前じゃないっていことが、実際のユーザーとの会話からわかってきたので、この記事を書いています。

導入後にどうなれば失敗か?

「導入後にどのような結果が得られれば成功か?」という明確な指標を導入前に持っている企業は、どうやらそれほど多くないようです。あるいは、明確な指標はあっても、導入後に効果測定(または評価)を行っていないことが多いということがわかりました。

そういった話から総合的に考えると、

「導入後に仕事が増えていたら、失敗」

と言えることに気が付きました。

導入時に、導入のために一時的に作業量が増えることはあります。ですが、導入のための作業が終われば、当然導入前より、その業務において作業量が減っていなければ、便利になったとは言えないわけです。これは、組織全体で考える必要があります。

例えば、特定のクラウドサービスを利用するために、問い合わせ対応や管理をする部署の作業量が増えていたとしても、全社的に見たら、効率化が進み、組織内のコストダウン、あるいは売上・利益増加に繋がっているのであれば、何の問題もありません。

ところが、そのクラウドサービスを利用するのに、多くの部署で時間が取られ、全体として効率が落ちているのだとすれば、それは失敗と言わざるを得ないでしょう。そんな結果を望んで導入したはずはありませんから。

クラウドサービスを利用するには、少なくともそのサービスの世界観を理解する必要があります。サービスが作られた経緯や背景、開発元の思想などを知った上で、それに合わせて使い方を模索していく必要があるのです。これを無視してしまうと、サービスに使われることになり、結果として作業量が増加してしまいます。

さらに悪いケースになると...

導入したクラウドサービスを使うことが目的になっていることがあります。

最も質が悪いのが、社内にそのサービスの大ファンがいることです。ファンはそのサービスを使うのが好きなので、社内の至る所で利用を推進します。いや、利用の推進はとてもいいことなのですが、本来必要のないところにまで、利用しようとしてしまうと、本末転倒です。

これは一種の盲目的な使い方と言えます。それは部分最適化をもたらしてしまい、全体最適化にはなりません。例を挙げれば、ノーコードでアプリが作れるサービスを導入した場合、アプリを作るのが楽しくなってしまい、何をするにもアプリを作るという手段を取ってしまう。それを第三者が見た時に、

「そもそもなんでそれが必要なの?業務プロセスを見直すべきでは??」

という感想を持つことがあります。この感想は、いわゆる「鳥の目」を持っている人が持てるものです。業務プロセス全体を俯瞰して見た時に、どこに原因があるのか?を突き詰めて考えることができなければ、部分最適化を推し進めてしまうことになるからです。

そして悲しいことに、ファンである推進者には悪気がないということです。社内を今よりも良くしたい、改善したいという思いから、推進しているのに、結果として、全社を悪い方向に導いていることになってしまったら、本当に悲劇です。

これを防ぐには...

「3歩進んで2歩下がる」ような、振り返りが必要だと思います。やってみなければ、わからない。ならば、やってみて、必ず結果を確認する。そして、どんな結果でも冷静に評価する。

サービスが好きである、ファンであることは自由です。ですが、そもそもそのサービスを使うことそれ自体は仕事ではないはずです。道具を使うことが仕事なのではなく、その仕事を効率的に行うために道具を使うのです。そのサービスが好きであればあるほど、自組織に合ったちゃんとした使い方を推進するべきだと思うのです。

例えば生成AI

生成AIはトレンドであることに間違いはないでしょう。

「生成AIの活用を進めなければ!」
そんな声をよく耳にします。

日常業務に活用しなさい!という大号令が出ている組織もあるのではないでしょうか。しかし、活用が目的になっては本末転倒ですよね。

「整理されていないデータを整理することに AI を使っています。AI に、結果を Excel に入力してもらうことで、これまで手作業でやっていた作業が簡単に終わるようになりました!」

こんな話を先日聞きました。それを聞いて思ったのは、

「その Excel にまとめられたデータをその後、何に使うのですか?また、そもそもその元データはどこにあったものですか?」

ということです。聞けば、元データは社内のシステムから手動でエクスポートしたものだそうです。うーん、社内にあったデータならば、まずはそのデータを綺麗にすることが先ではないか。そのデータが綺麗なものであるならば、AI に整理をお願いする必要はないはずです。また、整理された後のデータを BI に読み込むということだったので、ならば、システム側で整理されたデータを提供し、そのデータをクラウド上の使える場所、あるいは DB に直接アクセスできるようにして、BI から接続すれば、Excel での作業はなくなるわけですよね?

こういった話は、枚挙に暇がないものです。これが部分最適化ではなく、全体最適化ということです。

最後に

抽象的な表現に終始してしまいましたが、心当たりがある方も多いのではないでしょうか。考え方ひとつで、失敗してしまうことがあるのです。願わくば、心当たりがある人が、現状を見直すきっかけになれば幸いです✨

最後まで読んでいただきありがとうございました📢

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