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「コミュニティ」について考えてみた

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Last updated at Posted at 2021-12-16

前説

2017年に Microsoft MVP を受賞して、5年間くらいコミュニティに関わってきた自分がちょっと「コミュニティ」の定義について考えてみました😇

はじめに

いろんなコミュニティがあるなってことで、「コミュニティ」の定義について考えてみようと思う。なおこの記事での「コミュニティ」は、IT 系の何らかの製品、サービス、テーマについてのコミュニティのことです。

初めて触れた「コミュニティ」が与える定義

人によって、最初にどんな種類のコミュニティに触れたかで、「コミュニティ」 という言葉の定義が異なっていると思う。

最初に入社した会社が何らかの製品・サービスを開発している会社で、そこで初めて会社が運営するコミュニティに触れた場合、その人の**「コミュニティ」の定義はベンダー主催のコミュニティかもしれない。最初に入社した会社がその製品・サービスを使って、何かを開発してたり、コンサルティングサービスを行っていた場合、その人の「コミュニティ」の定義はユーザー主催のコミュニティ**かもしれない。あるいは、マーケティング担当で中の人を経験すると、ユーザー主催のコミュニティをヘビーユーザーに立ち上げてもらい、それをサポートしたいと思うかもしれない。

つまり、**「コミュニティ」**という言葉を使う場合、互いにどの意味で使っているのかを理解して会話しないと、とても危険が危ない。会話が噛み合わないのだ。

一番困るのが意識の違い

例えば、新たなコミュニティを立ち上げようと、運営のメンバーで集まったとする。
ある人はユーザーコミュニティ、ある人は仕事としてのコミュニティを意識していると、ターゲット層も違えば、目的も違う。希望の開催日時も異なれば、望むセッション内容も異なっちゃうのだ。

また、参加者にとっても、この意識の違いが困ることになりえる。
イベント名に製品名が使われていると、何の疑いもなく、中の人がやっているイベント(=公式イベント)だと勘違いすることがある。中には、実際に仕事で課題に直面していて、その製品・サービスの質問がしたい、サポートが欲しいと思って、ユーザーコミュニティに参加すると、意識の違いで目的を達成できないことになりかねない。本来、仕事で該当の製品・サービスを使っていて、課題に直面している場合にサポートを求めるのは、ベンダーである。ベンダーに仕事としてサポートをお願いすることが妥当なのに、それをボランティアなユーザーコミュニティに求められても、そこはちょっと違うぞとなる。もちろん、勝手にヒントや解決策を得て、帰るのは何の問題もない。また、そのコミュニティで「いま仕事で困っている課題でもいいよぉー」ってなってれば、これも無問題。

コミュニティの定義によって、運営/参加者問わず、必ず意識に違いがあるので、まずはなるほど、この人の「コミュニティ」の定義はどれかな?って思って、話すといい。また、参加しようと思っているコミュニティがどの種類に当たるのかも、自分の中で考えておいた方が齟齬がなくてよい。合わないと思ったら、参加しなくていいのだから。

コミュニティには種類がある

大きく2種類に分けられると思う。

  1. 当該製品・サービスの ベンダー が主催/運営のコミュニティ(=ビジネス的な意味合いが強い)
  2. 当該製品・サービスの ユーザー が主催/運営のコミュニティ(=ユーザーグループ、ユーザーコミュニティ)
  3. 1 と 2 のハイブリッドなコミュニティ

ここでいう ベンダー とは、その製品・サービスの開発元、あるいは販売代理店が含まれる。外から見た時に、「中の人」がベンダーです。販売代理店まで含んだのは、そのコミュニティをなぜ行うのか?という目的が「お仕事」に分類されるからです。中の人が仕事として運営するので、参加するユーザー同士も仕事という認識で参加していることが多く、コロナが始まる前は、平日昼間、スーツでの参加が普通だった傾向がある。(さすがに今はオンラインが主だと思う)

一方、2 の ユーザー は文字通り、その製品・サービスを使う人。ユーザーの中に、中の人よりも詳しいヘビーユーザーがいて、「~~はいいぞ!」って、周囲に伝えたいという純粋な気持ちから、開催されることが多い。自分の推しをみんなに広めたい感じ。あるいは、その人がもっと勉強したいから、同じ製品・サービスを使用しているユーザーを集めて、話が聞きたい、という場合もある。こっちはだいたい業務時間外の開催で、服装はカジュアル。長時間に及ぶ場合やちょっとおっきく開催したい場合は、土日の開催も全然ある。参加者も仕事という意識はない。

だいたい上記 2 つに分けられるんだけど、中には上記の 1 と 2 のハイブリッドなコミュニティが存在する。
中の人がユーザーコミュニティが欲しいと思い、ヘビーユーザーに依頼して、ユーザーコミュニティを立ち上げてもらい、そのサポートに中の人が絡んでいる場合である。この場合、中の人はサポーターになるわけだけど、実際に運営費がサポートされる場合もあるし、言葉は悪いけど、単純に名前貸しの場合もある。名前貸しとは、中の人に認められたコミュニティのみ、その製品・サービスの名称をコミュニティ名に使っていいよということで、そこに特に悪意があるわけじゃないし、これを書いてる僕も、そこに何か意見があるわけではない。個人的な好みはあるけど😋。あしからず。また、ヘビーユーザー側から「こんなユーザーコミュニティを作ろうと思うんだけど、サポートしてくれない?」って打診する場合もある。

種類 主催/運営 主催/運営の意識 参加者の意識 主な開催日時
ベンダー主催のコミュニティ ベンダー お仕事 お仕事 平日午後
ユーザー主催のコミュニティ ユーザー ボランティア&お勉強 自己研鑽&お勉強 業務時間外(平日業後、土日終日)
ハイブリッド ユーザー/ベンダー お仕事 お仕事 平日午後(特に夕方)

※上記はあくまでもだいたいそんな感じというものをここ5年間で僕が観測した印象なので、反対意見があるのは当然ですし、戦う気はありません
※上記以外に有償会員のみが参加できるビジネスコミュニティもあるけど、個人的に趣味ではないので、今回は扱いません

主催/運営をする人へ

僕もコミュニティ運営には5年以上関わらせてもらってきてるので、いろいろと考えることがある。
主催/運営の人は、まずは上記のコミュニティの分類を意識する必要があるかなと思う。最もはっきりさせなきゃいけないのは、自分達が**「お仕事」でやっているのか、「ボランティア」でやっているのか、ということ。それをきちんとイベント告知のサイトやコミュニティのサイトに記載する必要がある。たまに「これ絶対、中の人が仕事としてやってるよね?」**というコミュニティなのに、それが明記されてないどころか、ボカシて書かれているのを目にする。そういうのを見ると、いやらしいと思ってしまうのも仕方なし。

※仕事でやるコミュニティが悪いとは一言も言っていません。趣旨や立場を明確にすれば OK だと思うのです。

またサイトやイベントページに書いても、参加者はまず読まないと思っていていい。なので、かならずイベント冒頭で、明言する必要がある。この時、意識したいのは、Do'sDon'ts。つまりこのコミュニティでやっていいこととやっちゃダメなことという Code of Conduct と併せて、応えられること応えられないこと をはっきりと伝えるべきなのだ。それを伝えた直後に「もしこのコミュニティは違うなって今思ったのなら、遠慮なく離脱してください」と付け加えてもいいくらい。それがお互いが不幸にならない最善の策だと思う。

参加者の皆さんへ - 注意すること

Microsoft MVP が運営しているコミュニティではよくあるのですが、まず皆さん、MVP のことを中の人だと勘違いしている人がいっぱいいます(笑)。これは致し方ないことかもしれません。日本では MVP 制度自体の知名度が決して高くないので、アタマに Microsoft って付いてたら、中の人かな?って思っちゃうのも無理はないです。この点については、私も MVP のひとりとして、もっと活動しなきゃと反省の意も含めて、思うところです。

Microsoft MVP は外の人しかなれない表彰制度です。資格でもなくて、受賞するものです。有効期間は1年間で毎年審査があります。

そして、中の人だと勘違いして参加される方が、本来なら公式のサポートにお願いするべきお仕事での手厚いサポートをコミュニティに求めてくることがあります。一言で言うと、お門違いなのですが、これに対応するかどうかはそのコミュニティ次第なので、各コミュニティの運営に確認してください。お仕事レベルの内容だと判断された場合は、おそらくその旨が回答として返ってくることでしょう。また、**「お仕事として受けますよ!」**という回答もあり得るので、可能であれば、決裁者の方と一緒にコミュニティに参加することをオススメします。

忘れちゃいけない、民間企業なんだよ、エコシステムなんだよってこと

MVP は一種のベンダー認定エバンジェリストに分類されるかもしれません。他の企業でもそういう制度を設けている会社がありますよね。でも、そういう制度はベンダーそれぞれの立ち位置によって、想定しているものが違います。間違ってはいけないのが、各社すべて 営利目的の民間企業 だということです。よくこの手の制度に 公平さ を求める人がいますが、個人的には民間企業がやることなんて、公平にやる必要はないのです。「俺がルールだ!」っていうことですからね。この自由さが民間の強みであるはずです。

(各社がオレオレ的に不公平な制度を設けているなんてことは一言も言っておりませんのであしからず。)

本来、そういった公平さを設けなくてもいいのですが、選考する方も一定の基準がないと個別に対応する必要が出てきてしまい、コストに見合わなくなってしまう。そう、忘れてはいけないのが、こういった制度は民間企業による マーケティング施策 のひとつで、エコシステム なんだよということ。

20年以上続く Microsoft MVP はとても優れた エコシステム です。だって、外の人が勝手に**「この製品、いいぞ!」**って言ってくれるんですからね。社外にマーケター、プリセールス、技術サポートを持っているようなものです。そして、受賞者個人を純粋に表彰している点も見逃せません。受賞者の所属組織なんざ、まるで関係ありません。逆に言うと、会社同士の繋がりによる受賞もないとのことです。

あ、それともう一つ言っておかなければなりません。MVP は中の人はなれない、外の人のみだと言いました。外の人だからこそ、悪い点も言えるのです。

中の人がどんなに

「この製品いいぞ!」

って言っても、それを聴いてるオーディエンスは

「まぁ、そりゃあ、中の人だからね、そう言うよね」

ってなります。
じゃあ、中の人が

「この製品はここがダメなんです!」

って正直に言うとどうなるか。
それを聴いたオーディエンスは

「そう思うなら、直せよ」

ってなるわけです(笑)

MVP というのは、Microsoft 本社の製品チームに対してフィードバックすることができますので、改善点を見つけたら、知らせることができます。実はこのパスを持っていることが登壇時にとても生きるのです。良くない点をあえてオーディエンスに伝えて、

「ここはいまフィードバックしているので、そのうち直るかもしれません」

と言うことができます。

本記事の きっかけ と 思ったこと

コミュニティという言葉から、私が思うことをサラッと書いてみました。
なぜこの記事を書こうと思ったかというと、最近多方面でいろんな「コミュニティ」の定義を目にしたからです。どの考え方がいいとか悪いとか、そういうことではなく、

「いろんな定義、考え方があるなぁー。なにに起因するんだろうなぁー」

と個人的に思ったからです。
なので、自分の立場から見えてる景色を意見とともにまとめてみた次第です。

一言に**「コミュニティ」と言っても、いろんな定義が存在し、故に期待も多方面に広がっているんだなと思いました。まずは自分の思う「コミュニティ」以外にも「コミュニティ」**は存在するんだということを受容することがスタートかなと。

個人的に「こういうコミュニティは好き、こういうのは嫌い」というのはあります。それでいいと思うのです。

  • なんかこの雰囲気好き or なんかノリが嫌だ
  • このベクトル自分に合ってる or 方向性が違う
  • ビジネス色が強いから 好き or 嫌い
  • ハイレベルな技術が語られていて 好き or 嫌い
  • 主催/運営が 好き or 嫌い
  • 登壇者が 好き or 嫌い

などなど、人だからいろんなことを感じるわけです。
でもそれでいいと思うのです。

しっくりくるものがないなぁと思えば、自分で新たに作ってもよいのです。
今は個人で自由にコミュニティが作れる時代です。

「参加者が集まらなかったらどうしよう...」
「グダグダになったらどうしよう...」

大丈夫です。最初から100人も200人も集まるコミュニティなんてありません。
人数を目指すのはやめた方がよいのです。やりたいことができるコミュニティを目指すべきです。
唯一絶対の目的が必要です。それを運営メンバーで定期的に話し合うこと。ひとりでやる場合も同様ですよね。
そして、疲れたら、遠慮なくやめること。無理はしない。

仕事でやるコミュニティだとそう簡単にやめれないかもしれませんが、ボランティアで行うコミュニティは自由であるべきです。
誰にも強制されるべきではありませんし、そこに義務はありません。

コミュニティという言葉にそんなにこだわらずに重い意味付けもいらないんじゃないかなって、思うのです。

さいごに

本当は Power BI Advent Calendar のオオトリの記事を書こうと思って、Qiita を開いたら、「どうしてこうなった?」状態になりました😋

皆さんもご自身の「コミュニティ」の定義をいちど棚卸してみてはいかがでしょうか?得られるものは必ずあると思いますよ。願わくば、それに基づいて、運気がよい五黄の寅と呼ばれる 2022 年、行動を変えてみてはいかがでしょうか😜⁉

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました

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