はじめに
この記事では、Windows Subsystem for Linux 2 (WSL2) を用いて、Windows上にNoSQLデータベースであるAerospikeのテスト環境を構築する手順を解説します。
Aerospike は、リアルタイムなビッグデータ処理を得意とする、インメモリ・NoSQLデータベースです。ミリ秒以下のレイテンシと高いスループットを実現し、広告テクノロジー、金融サービス、オンラインゲームなどの分野で広く利用されています。
公式ではLinux環境での動作がサポートされているため、今回はWSL2上にRHEL系のAlmaLinux 9ディストリビューションをインストールし、その上でAerospikeを動作させます。
対象読者
- Windows環境でAerospikeを試してみたい方
- WSL2の基本的な使い方を学びたい方
- NoSQLデータベースの環境構築に興味がある方
構築手順
1. Windowsの機能の有効化
まず、WSL2と仮想化機能を有効にするため、以下の2つのWindowsの機能を有効化します。
-
コントロール パネル>プログラム>Windows の機能の有効化または無効化を開きます。 - 以下の項目にチェックを入れ、OKをクリックします。
Hyper-VLinux用 Windows サブシステム
変更を適用後、PCの再起動を求められる場合があります。
2. WSL2のインストールと更新
次に、PowerShellまたはコマンドプロンプトを管理者として開き、WSL2をインストールします。
wsl --install
多くの場合、このコマンドで必要なコンポーネントのインストールと、デフォルトのUbuntuディストリビューションのセットアップが行われます。
もし上記コマンドでエラーが発生する場合や、特定バージョンのWSLを手動でインストールしたい場合は、WSLのGitHubリリースページから最新のMSIインストーラーをダウンロードして実行することも可能です。
すでにWSLをインストール済みの方は、以下のコマンドで最新バージョンに更新しておくことをお勧めします。
wsl --update
3. AlmaLinux 9 ディストリビューションのインストール
今回はRHEL系のAlmaLinux 9を使用します。以下のコマンドでMicrosoft StoreからAlmaLinux 9をインストールします。
wsl --install -d AlmaLinux-9
インストールが完了したら、一度シェルを再起動してください。
再起動後、新しいLinuxディストリビューションのユーザー名とパスワードの設定を求められますので、任意のものを設定してください。
4. Aerospikeの依存ライブラリのインストール
AlmaLinux 9のターミナルを開き、Aerospikeの動作に必要となるlibcurlをdnfパッケージマネージャーでインストールします。
sudo dnf install -y libcurl
5. Aerospike Community Editionのダウンロード
Aerospikeの公式サイトから、Community Editionのサーバーパッケージをダウンロードします。
- Aerospike Community Edition Downloadページにアクセスします。
-
AlmaLinux 9(または互換性のあるEL9) 向けの.tgzファイルのリンクをコピーするか、直接ダウンロードします。
AlmaLinuxのターミナル上でwgetコマンドを使って直接ダウンロードすると便利です。
# バージョン部分は適宜最新のものに置き換えてください
wget "https://download.aerospike.com/artifacts/aerospike-server-community/8.1.0.1/aerospike-server-community_8.1.0.1_tools-12.0.2_el9_x86_64.tgz"
6. Aerospikeのインストール
ダウンロードしたtgzファイルを解凍し、インストールスクリプトを実行します。
# ダウンロードしたファイル名に合わせて実行してください
tar -xvf aerospike-server-community_8.1.0.1_tools-12.0.2_el9_x86_64.tgz
# 解凍されたディレクトリに移動します
cd aerospike-server-community_8.1.0.1_tools-12.0.2_el9_x86_64/
# インストールスクリプトを実行します
sudo ./asinstall
7. Aerospikeサーバーの起動と状態確認
インストールが完了したら、systemctlコマンドでAerospikeサーバーを起動し、自動起動を有効にします。
# Aerospikeサーバーを起動し、OS起動時に自動で起動するように設定
sudo systemctl enable --now aerospike
# サーバーの稼働状態を確認
sudo systemctl status aerospike
Active: active (running) と表示されていれば、正常に起動しています。
8. 動作確認
最後に、Aerospikeのコマンドラインツール aql を使って、データベースに接続できることを確認します。
aql
aql> というプロンプトが表示されれば接続成功です。
以下のコマンドで、デフォルトで作成されているtestネームスペースの情報を表示してみましょう。
aql> SHOW NAMESPACES
+------------+
| name |
+------------+
| "test" |
| "bar" |
+------------+
[...snip...]
qを入力してaqlを終了します。
まとめ
本記事では、WSL2とAlmaLinux 9を用いてWindows上にAerospikeの環境を構築する手順を解説しました。
これにより、Windowsユーザーでも手軽にAerospikeの強力な機能を試すことができます。
今後は、この環境を使って実際にデータを読み書きする方法や、クラスタ構成の構築などにも挑戦してみてください。
最後に
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