3行でまとめ
EFSのファイルをIAストレージクラスに移行すると
burstモードでアクセス費用をかけない運用ができなくなって
余計にお金がかかる場合がある
概要
NFSドライブなどとしてマウント可能なAWSのマネージドファイルストレージのEFS。
このEFSにはストレージクラスというのがあり、ファイルごとに実格納先を選べるようになっています。
アクセス頻度の低いファイル向けのIAストレージクラスでは、別途アクセス料金がかかるようになる代わりにストレージ料金が一桁下がるというお得な価格設定。
ところが、アクセスのまったくないファイルであってもIAストレージクラスに移行させると料金が高く付いてしまう可能性があるという知見を得ましたのでご共有。
シナリオ
- スループットモードを「burst」にしていた。このモードでは標準ストレージクラスのファイルのアクセス量費用はかからず、アクセスの際にバーストクレジットを消費する。バーストクレジットが残っていないとスループットは大幅に落ちる。
- 90日間無アクセスのファイルが自動的にIAストレージクラスに移行する設定にしていた。
- EFS利用開始後90日目、多数のファイルがIAストレージクラスに移行。
- バーストクレジットの回復スピードは標準ストレージクラスの使用量に比例する。そのため、バーストクレジットが急激に減少する一方になり、枯渇してしまった。
- パフォーマンス問題が発生したためスループットモードを「elastic」に変更。アクセス量費用が発生するようになった。
- IAストレージクラスに移行したことで節約できた費用よりも、かかるようになったアクセス量費用の方が大きい!
ごく一部のファイルに大量のアクセスがかかるような運用の場合、アクセスのないその他のファイルも単にストレージ料金がかかっているというだけでなくてバーストクレジットを稼ぐことで役に立ってくれている可能性があります。
IAストレージクラスに移行しないで標準ストレージクラスに置いておいたままの方がお得という可能性にご留意ください。
それはそれとして、fscacheを入れてそのごく一部のファイルへのEFSアクセス量を減らすという対策を効かせればburstモード運用とIAストレージクラス移行を両立できるかもしれませんね。この方式で超お得にできないか、トライ中です。