本記事は、Intelligent Data Management Cloud(IDMC)October 2026 Major Release適用後の環境を想定しています。
はじめに
2026年10月のメジャーリリースで、Intelligent Data Management Cloud(IDMC)のCloud Data Integration(CDI)用SalesforceコネクタにJWT認証が追加されました。
JWT認証は、これまでもCloud Data Ingestion and Replication(CDIR)では利用できましたが、今回のリリースでCDIでも利用できるようになりました。
CDIRの接続手順は以下のリンクから。
本記事では、CDIからSalesforceへJWT認証で接続する手順を紹介します。
設定
Salesforce環境はDeveloper Editionを利用しています。
IDMC用ユーザーの作成
IDMC用のSalesforceユーザーを作成します。
プロファイルの作成
設定メニューの「管理」>「ユーザー」>「プロファイル」を開きます。
「Minimum Access - API Only Integrations」をコピーします。
プロファイル名を指定し、保存します。
権限セットの作成
「管理」>「ユーザー」>「権限セット」を開きます。
新規権限セットを作成し、保存します。
作成した権限セット内の「オブジェクト設定」を開きます。
IDMCがアクセス可能なオブジェクトに対して、権限を割り当てます。
今回は、取引先(Account)に閲覧・編集権限を設定しています。
ユーザーの作成
「管理」>「ユーザー」>「ユーザー」を開きます。
新規ユーザーを作成します。
ユーザーライセンスは「Salesforce Integration」、プロファイルは先ほど作成したカスタムプロファイルを選択します。
ユーザー名はメールアドレス形式です。
他ユーザーと区別するため、アドレスの後ろに適当な識別子を付与しています。
権限セットライセンスの割り当て
作成したユーザーに、権限セットライセンス「Salesforce API Integration」を割り当てます。
権限セットの割り当て
作成したユーザーに、先ほど作成した権限セットを割り当てます。
秘密鍵・証明書の作成
ここからは、Secure Agentマシン上で作業します。
秘密鍵の作成
秘密鍵を作成します。パスフレーズを入力します。
openssl genrsa -aes256 -out server.key 2048
CSR(証明書署名要求)の作成
秘密鍵を使ってCSR(証明書署名要求)を作成します。
openssl req -new -sha256 \
-key server.key \
-out server.csr \
-subj "/CN=<Common Name>"
自己署名証明書の作成
CSRから自己署名証明書を作成します。
openssl x509 -req \
-in server.csr \
-signkey server.key \
-out server.crt \
-days 365 \
-sha256
Javaキーストア(JKS)の作成
keytoolコマンドを使って、Javaキーストア(JKS)を作成します。
keytoolコマンドの設定
以下の手順でSecure Agentのkeytoolを利用することができます。
keytoolコマンドが実行可能な環境では、当手順は不要です。
Secure Agentのkeytoolを検索します。
find <Secure Agent Install Directory>/infaagent -type f -name keytool
Secure Agentのkeytoolを変数に指定します。
KEYTOOL="<keytool Directory>/keytool"
以降の説明では上記で設定した"$KEYTOOL"を使用します。
PKCS12キーストアファイルの作成
PKCS12キーストアファイルを作成します。パスフレーズを入力します。
openssl pkcs12 -export \
-in server.crt \
-inkey server.key \
-name idmc_cdi_jwt \
-out keystore.p12
PKCS12キーストアをJavaキーストア(JKS)に変換
PKCS12キーストアをJavaキーストア(JKS)に変換します。パスフレーズを入力します。
$KEYTOOL -importkeystore \
-srckeystore keystore.p12 \
-srcstoretype PKCS12 \
-srcalias idmc_cdi_jwt \
-destkeystore servercert.jks \
-deststoretype JKS \
-destalias idmc_cdi_jwt
外部クライアントアプリケーションの作成
IDMCからSalesforceに接続するための設定を行います。
外部クライアントアプリケーションの作成
「アプリケーション」>「外部クライアントアプリケーション」>「外部クライアントアプリケーションマネージャー」を開きます。
新規外部クライアントアプリケーションを作成します。
基本情報を入力します。
OAuthを有効化し、以下の設定を入力します。
- コールバックURL:http://localhost:1717/OauthRedirect
-
OAuth範囲:
- APIを使用してユーザーデータを管理(api)
- いつでも要求を実行(refresh_token, offline_access)
- Webブラウザーを使用してユーザーデータを管理(web)
「JWTベアラーフローを有効化」にチェックを入れ、Secure Agentで生成した証明書(.crt)をアップロードします。
保存します。
外部クライアントアプリケーションの設定
作成した外部クライアントアプリケーションのOAuthポリシーから、許可されているユーザを「管理者が承認したユーザーは事前承認済み」に変更します。
アプリケーションポリシーからIDMC用のプロファイルと権限セットを追加します。
アプリケーション認証設定から、「IP制限の緩和」を選択します。
保存します。
コンシューマー鍵の取得
作成した外部クライアントアプリケーションのOAuth設定から、「コンシューマー鍵と秘密」を開きます。
表示されたコンシューマー鍵をテキストエディタなどにコピペします。
Salesforce接続定義の作成
Informatica IDMCでCDI用の接続定義を作成します。
接続定義の作成
「Administrator」サービスから、新規接続定義を作成します。
Salesforceコネクタを選択します。
以下の接続プロパティを設定します。
- Salesforce接続タイプ:OAuth - JWT
- サービスURL:https://[My Domain名]/services/Soap/u/67.0
- OAuth Access Token:入力不要
- OAuth JWT Payload:以下に記載
- OAuth JWT Header:{"alg":"RS256"}
- OAuth KeyStore FilePath:Javaキーストア(JKS)ファイルの絶対パス
- OAuth Private Key Password:秘密鍵のパスフレーズ
- OAuth Authorization Server:https://[My Domain名]/services/oauth2/token
- OAuth KeyStore Password:Javaキーストア(JKS)のパスフレーズ
- OAuth Private Key Alias:Javaキーストア(JKS)のエイリアス(destaliasの値)
OAuth JWT Payloadは以下のJSONを入力します。
{
"iss": "<コンシューマー鍵>",
"sub": "<Salesforceに作成したIDMC用ユーザーのユーザー名>",
"aud": "https://login.salesforce.com",
"exp": <有効期限(UNIX時間)>
}
Generate Tokenを実行し、OAuth Access Tokenを取得します。
接続テストが成功したら、接続定義を保存します。
検証
作成した接続定義を用いて、マッピングを作成します。
マッピングの作成
ソーストランスフォーメーションで作成した接続定義を選択します。
SalesforceのAccountをCSVファイルに出力します。
マッピングの実行
マッピングの実行により、SalesforceのデータがCSVに出力されることが確認できました。
おわりに
本記事では、CDIからSalesforceへJWT認証で接続するための設定手順を紹介しました。
2026年10月のメジャーリリースでは、CDIでもJWT認証を利用できるようになり、Salesforce連携における認証方式の選択肢が広がりました。
Informaticaは、2025年11月にSalesforceグループの一員となりました。
「データとAIにおけるスイス」としての中立性は変わらないものの、Salesforceの持つ様々なソリューションとの連携は強化されていくことが予想されます。
Salesforceのデータ活用を支えるInformaticaを、ぜひお試しください。
参考
























