はじめに
Armアーキテクチャを搭載したMac(通称 M1 Mac)が出たということでとても話題になっています。
課題のひとつとしてWindowsが使えない、というものがありましたが、Arm版Windows10が動作するParallelsDesktop(Preview Version)が出たということで、さっそく試してみました。
OS仮想化ソフト「Parallels Desktop」がM1 Macに対応 Arm版Windows 10動作に意欲https://t.co/npn5PEPIXf pic.twitter.com/9rQeikx5JB
— ITmedia NEWS (@itmedia_news) 2020年12月18日
前提
- M1 Mac が使えること
- MacBook Air / MacBook Pro / MacMini どれか
- これがないと始まりません
- 今回はMacBook Airを使用しています
- Paralellsのアカウントを持っていること
- 持っていなければ作成すれば問題ないです
-
Windows Insider Program に参加していること
- 無償なので手持ちのマイクロソフトアカウントから参加してみてください
手順
- Parallels Desktop for Mac with Apple M1 chip (Apple Silicon) をここからダウンロード
- .dmg形式のファイルがダウンロードできますので、普通にMacにインストールしましょう
- アクティベーションキーが表示されますので、どこかに保存しておきましょう
- WindowsInsiderPrebiewARM64 をここからダウンロード
- Parallels Desktopを起動し、アクティベーションキーを入力します
- .VHDXファイルをダウンロードしていると見つけてくれますので、そのまま「作成」へ。
- 作成開始
しばらく待ちます
- なんと!できあがってしまいました。ここまで15分程度しかかかりませんでした。
使ってみたらどんな感じ?
- Windowsにはこんな感じで認識されていました。
- Parallels側の設定がこちら。デフォルトでプロセッサが2つ、メモリが3Gのようです。
- 割当数など変更できますが、プロセッサを8個割り当てたら起動しませんでした。
- このへんを参考に日本語化するとよいと思います。
- Edgeを起動してみましたが、特にもたつくこともなくスムーズに動いていますね。
* ベンチマークをとってみました。 ![スクリーンショット 2020-12-22 23.25.42.png](https://qiita-image-store.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/0/9700/38bd89c9-85d7-4f86-0d77-b1ff153f2dc7.png)なかなかスムーズに動いていると思う。 pic.twitter.com/RauGWVIADx
— や た (@yt_tb) December 22, 2020
- 比較対象がないと全然わかりませんね。自宅にあったThinkCentreで同じベンチマークをとってみます。
- おお。シングルコアでは仮想環境でありながらThinkCentreよりも上ってことになりました。
マルチコアではコア数の違いで負けていますが、設定を変えれば簡単に凌駕できそうですね。
課題
動作が不安定
利用できるアプリに制約がある
- Arm版Windows10では、ARM32,ARM64アプリはネイティブ実行でき、x86(32bit版)アプリはOSのエミュレーション機能(WOW64)を使って実行できます。
- しかし、現在のWindows10で主流となっているx64(64bit版)アプリは実行できないため、x64アプリしか提供していないものは使えないという状況になっています。
- 例えば、Adobe製アプリは32bitアプリのサポートを打ち切っているため、現時点ではArm版Windows10において安定した環境での動作は望めません。ただし、Arm版の開発も進んでおり、ベータ版であれば入手できます。
- また、x64エミュレーションが可能なArm版Windowsも開発者向けに公開されています。一般公開はまだ先になりますが、Arm版Windows10の環境も整いつつあるといった感じでしょうか。
最後に
- 当初M1 Macの大きな欠点のひとつとして、『(仮想環境にせよデュアルブートにせよ)Windowsが使えない』が挙げられていました。今までのIntel Macとはアーキテクチャが変わってしまうので仕方ないかなと諦めていたのですが、まさかこんなに早い段階でWindowsが使えるようになるとは思ってなかったので、びっくりしました。
- ライセンス周りだけ解決していただければ胸を張って使い続けることができるので、Microsoftには頑張ってほしいものです。