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Raspberry Pi 3 でSDカードなしのネットワークブートをする

Last updated at Posted at 2018-02-22

前回の記事で,bootcode.binというファイル一つあれば全モデルのRaspberry Piでネットワークブートできることを紹介しました.

しかし,実はRaspberry Pi 3 ではSDカードがなくてもネットワークブートできます.bootcode.binの同機能がRaspberry Pi 3 のboot ROMに搭載されているためです1.今回はこの手順を紹介します.

本記事は以下のページから情報を抜粋してるだけのただのメモです.

手順

ネットワークブート機能を有効にする

boot ROMのネットワークブート機能はデフォルトで無効にされているため,有効にします.Raspberry PiにはOTP (One Time Programmable) メモリがあり,これを書き換えます.

機能を有効にするためにはSDカードが必要です.SDカードをマウントし,そのディレクトリで以下のコマンドを実行してください:

$ wget https://github.com/raspberrypi/firmware/raw/master/boot/bootcode.bin
$ wget https://github.com/raspberrypi/firmware/raw/master/boot/start.elf
$ wget https://github.com/raspberrypi/firmware/raw/master/boot/fixup.dat
$ echo 'program_usb_boot_mode=1' >config.txt    # 上書きしてるので注意!

ここでSDカードをアンマウントし,Raspberry Pi 3に差し込みます.このRaspberry Pi 3に電源を入れて数秒待つと,OTPメモリが書き換えられ,boot ROMのネットワークブート機能が有効になります.これが終わったらSDカードは抜いておきます

サーバ側の設定

Raspberry PiのネットワークブートはPXEブートと同じなので,DHCPサーバとTFTPサーバが必要です.今回は元記事に合わせてDnsmasqを使います.
また,NFS rootをします.

詳しくは元記事を見てください.

NFS

NFSサーバ系のパッケージ (曖昧) をインストールして,/etc/exportsを以下のようにして exportfs -rav を実行.

/etc/exports
/srv/nfs 10.11.12.0/24(rw,async,no_root_squash,no_subtree_check)

/srv/nfsとかに既存のRaspbianイメージ (第2パーティション) を展開します.イメージは http://downloads.raspberrypi.org/raspbian_lite/images/ に転がってます.マウント方法とかは https://linuxconfig.org/how-to-mount-rasberry-pi-filesystem-image などを参考にしてください.

Dnsmasq

設定は下のような感じ.

/etc/dnsmasq.conf
port=0
log-dhcp
enable-tftp
tftp-root=/srv/tftp
dhcp-range=10.11.12.100,proxy
pxe-service=0,"Raspberry Pi Boot"

/srv/tftpにはRaspbianでいうところの/bootにあるファイルを全て置きます.上記で説明したRaspbianイメージ (の第1パーティション) から持ってきてください.cmdline.txtに関しては以下のようなことを追記してください.${}で囲まれたところは適宜変更してください.

cmdline.txt
root=/dev/nfs nfsroot=${NFSサーバのIPアドレス}:/srv/nfs rw ip=auto nfsrootdebug rootwait

起動

Raspberry Pi 3に電源を接続してしばらく待てば起動すると思う……
うまく起動しないときはブロードキャストアドレスにpingし続けたり,/var/log/daemon.log でサーバのログを見たり,ディスプレイを接続して起動ログを見たりしてみてください.
それでも無理ならコメントください.

まとめ

Raspberry Pi 3はSDカードさえなくてもネットワークブートができます.便利ですね.
私のユースケースだと,config.txtは条件分岐ができるんですが,これとネットワークブートと組み合わせることでOSの切り替えが非常に楽になりました.

ちなみに今回のOTPメモリの書き換えで,USBメモリからの起動もできるようになりました.興味のある方は試してみてください.


  1. ただし,ARPパケットが飛び交うネットワークでないと正しく起動しないなど,いくつかのバグがあります. 

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