はじめに
2025年11月27日、Linux Foundationが主催する「LF Energy Seminar: Open Source Trends in the Energy Industry」に登壇し、東芝が取り組む Civil Infrastructure Platform(CIP)プロジェクト と、産業・エネルギー分野における長期安定Linux®基盤の重要性について発表しました。
当日の発表資料は、以下にありますので、是非参考にしてください。本記事では、発表の要点とCIPの役割、そして今後の展望について紹介します。
エネルギー分野におけるオープンソースの潮流
エネルギー業界では、デジタル化・分散化 が加速しています。これにより、システム間連携やデータ共有、サイバーセキュリティ対応など、かつてないスピードで課題が複雑化しています。
こうした中で注目されているのが LF Energy をはじめとするオープンソース・エコシステムによる課題の解決です。オープンソースは、異なる企業・組織間での協調開発を可能にし、共通基盤を整備することで開発コストの削減と品質の向上を同時に実現します。
CIPプロジェクトとは
CIP(Civil Infrastructure Platform)は、長期的に安全・安定して稼働するLinux基盤(CIPではOpen Source Base Layer:OSBLと定義しています)を産業インフラ向けに提供するLinux Foundationプロジェクト です。
CIPでは、最低10年にわたるメンテナンスを保証する「Super Long-Term Support(SLTS)カーネルとCIP Coreパッケージ」を中心に、産業機器やエネルギー制御システムに適したソフトウェア基盤を構築しています。
CIPの特徴
- 最低10年の長期保守:LTSを超えるSLTSで継続的なセキュリティ対応
- 産業用途に最適化されたOSS基盤(OSBL)
- IEC 62443-4 や EU CRA を視野に入れたセキュリティ技術とソフトウェア更新技術への対応およびその体制
- Debian、Real time Linux、KernelCIやReproducible Buildsなど他プロジェクトとの連携
- 長期運用を想定した自動検証環境の整備
これにより、CIPはエネルギー分野のように 長期稼働と高信頼性が求められるシステムの基盤 として、さまざまな企業で採用されています。
LF Energyとの接点
LF Energyは、エネルギー分野で共通的な課題を解決するオープンソース・エコシステムを推進しています。
CIPはその下層を支えるLinux基盤として、LF Energyのプロジェクト群(例えば SEAPATH など)に安定した実行環境を提供することが可能です。
つまり、CIPは「エネルギー分野におけるオープンソースの土台」とも言える存在です。
今後の展望
CIPは今後も、より安全で持続可能な社会インフラのためのオープンソース基盤を目指して進化を続けます。
オープンソースは単なる技術ではなく、協調と持続性を生み出す仕組みです。
CIPは、社会を支えるすべての産業が「安定した足場」の上で革新を進めるための共通基盤を提供しています。
ぜひ、CIPプロジェクトへの参加を通じて、次世代の社会インフラを共に築いていきましょう。
詳しくはこちら:
Civil Infrastructure Platform 公式サイト
※Linux® is the registered trademark of Linus Torvalds in the U.S. and other countries.