Angular は Google が開発・メンテナンスしているフロントエンドフレームワークです。単なる UI ライブラリではなく、アプリケーションを構築・運用するためのフルスタックな枠組みを提供します。
SPA(Single Page Application)を前提に、状態管理、ルーティング、フォーム、HTTP 通信、ビルド、型安全性まで含めて一貫した設計思想を持っています。
Angularの特徴
Angular は「全部入り」であることが最大の特徴です。
- TypeScript を標準採用している
- 依存性注入(DI)が組み込まれている
- 公式ルーター・フォーム・HTTP クライアントが標準提供される
- テストやビルド環境まで公式が用意している
フレームワークというより「アプリケーション開発基盤」に近い存在です。
TypeScript 前提の設計
Angular は最初から TypeScript を前提として設計されています。
- 型によるバグの早期発見
- IDE 補完の強化
- 大規模開発での保守性向上
これにより数十万行規模のフロントエンドコードでも破綻しにくくなっています。
コンポーネント指向
Angular の UI はすべてコンポーネント単位で構築されます。
@Component({
selector: 'app-sample',
template: `<h1>{{title}}</h1>`
})
export class SampleComponent {
title = 'Hello Angular';
}
HTML・CSS・ロジックが 1 単位としてまとまるため、責務が明確になります。
依存性注入(DI)
Angular は DI を言語レベルではなくフレームワークレベルで提供します。
- サービスを疎結合に保てる
- テストしやすい構造になる
- 状態管理や API 通信を分離できる
バックエンド寄りの設計思想をフロントにも持ち込んだのが Angular の特徴です。
他フレームワークとの違い
| 項目 | Angular | React | Vue |
|---|---|---|---|
| 設計思想 | フルフレームワーク | UI ライブラリ | 中間 |
| TypeScript | 標準 | 任意 | 任意 |
| 公式機能 | 非常に多い | 最小限 | 中程度 |
| 学習コスト | 高い | 中 | 低〜中 |
Angular は「自由度」より「秩序」を優先します。
向いているケース
- 大規模業務システム
- 長期運用されるプロダクト
- チーム開発(規約が重要)
- 型安全・テスト重視
一方で、個人開発や小規模プロトタイプにはやや重い場合もあります。
まとめ
Angular は「速く作る」より「壊れにくく作る」ことを重視したフレームワークです。
長く育てるプロダクトにおいて、設計の強制力は武器になります。
自由度と引き換えに得られる秩序、それが Angular の本質です。