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IoTエッジ端末から専用線サービスを介したAWS Direct Connectの接続事例

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Last updated at Posted at 2026-06-19

背景

  • Shizen Connect が提供しているサービスは、エッジ端末「Shizen Box 2」が家庭用蓄電池等の各種エネルギー機器と接続し、AWS 上のサービスと連携して、遠隔からの監視・制御を可能にしています。
  • Shizen Box 2 と AWSの間の通信は、以前ご紹介した SORACOM を使った LTE 通信を用いることが多いです。しかしながら、Shizen Box を設置するお客様のセキュリティポリシーや設置場所の電波状況によっては、専用線で接続するといった場合もあります。
  • Shizen Box を配置するオンプレミスの環境と、専用線サービスの IP-VPN を介して AWS を接続する場合は、AWS Direct Connect を使用することになります。その際の、接続方式は複数種類あり、要件により選択する必要があるのですが、比較選定した内容を今回ご紹介します。
  • 3回に分けて IoT エッジ端末から AWS までの Direct Connect 接続の事例をご紹介します。同様なケースの参考になればと思います。

通信要件

  • Shizen Box から AWS IoT Core への MQTTs 通信
  • Shizen Box から Amazon S3 への HTTPS 通信
  • 運用者による AWS から Shizen Box への SSH 通信

実現方式

実現方式は以下の3つを比較しました。構成図を以下に示します。

  1. Public VIF 方式
    image.png

  2. Private VIF 方式
    image.png

  3. Transit VIF 方式
    image.png


実現方式詳細

1. AWS Direct Connect : Public VIF 方式

  • Public VIF 接続の場合、AWS の パブリックサービスである IoT Core / S3 へのアクセスは、パブリック IP 宛てのアクセスになります。トラフィックは AWS のグローバルネットワーク内に留まり、インターネットには出ません。ただし AWS のパブリックサービス基盤は他の AWS 顧客と共用となるため、セキュリティポリシーに合致するか確認が必要です。
  • セキュリティ面では、Shizen Box から IoT Core までは TLS による相互認証(mTLS)で暗号化、Shizen Box から S3 へのアクセスは 署名付き URL に対する HTTPS 暗号化通信となるため、エンドツーエンドで保護されます。
  • パブリック IP へのアクセスとなり AWS VPC を介さないため、オンプレミス拠点と AWS VPC の プライベート IP の CIDR 重複を考慮する必要がありません。
  • Public VIF では、BGP で広報する パブリック IP アドレスが必要です。多くの IP-VPN サービスでは事業者側で用意されるため、実務上はサービス仕様の確認ポイントになります。

2. AWS Direct Connect : Private VIF 方式

  • 全域プライベート接続になります。Virtual Private Gateway(VGW)経由で単一 VPC に接続します。
  • オンプレミス拠点と AWS VPC がプライベート IP でつながるため、VPC CIDR と拠点のネットワーク CIDR が重複しないようネットワーク設計をする必要があります。
  • Private VIF 経由で IoT Core / S3 に到達するには、VPC 内に VPC エンドポイント(S3 は Gateway 型、IoT Core は Interface 型 = AWS PrivateLink)を構築する必要があります。Interface 型エンドポイントは時間課金+データ処理課金が発生する点に注意が必要です。

3. AWS Direct Connect : Transit VIF 方式

  • 全域プライベート接続になります。Direct Connect Gateway + Transit Gateway 経由で接続します。
  • オンプレミス拠点と AWS VPC がプライベート IP でつながるため、CIDR が重複しないようネットワーク設計をする必要があります。
  • Transit Gateway を介するため、複数 VPC への接続に拡張しやすい構成です。(1 本の Transit VIF + Transit Gateway で多数の VPC をまとめて接続可能です。)
  • Private VIF と同様、IoT Core / S3 への到達には VPC エンドポイントが必要です。

選定結果

比較の上、Public VIF 方式を選定しました。

選定理由

  • セキュリティ:mTLS / HTTPS によるエンドツーエンド暗号化でセキュリティ要件を満たす。
  • 構築工数:最小。オンプレミス向けの VPC / Subnet も VPC エンドポイントも不要、
  • 拡張性:拠点追加は Public VIF を増やすだけ。CIDR の重複を考慮する必要がない。
  • コスト:最安。追加リソース(VPC エンドポイント・Transit Gateway)が不要。

比較表

比較観点 ① Public VIF(採用) ② Private VIF ③ Transit VIF
接続範囲 AWS パブリックサービス(IoT Core / S3)。VPC を介さない。 単一 VPC へ全域プライベート接続 Transit Gateway 経由で複数 VPC へプライベート接続
セキュリティ ◎ エンドツーエンド暗号化(mTLS / HTTPS)で担保。トラフィックは AWS 網内に留まりインターネットに出ない ◎ 全域プライベート接続 ◎ 全域プライベート接続
構築工数 ◎ 小。オンプレミス向けの VPC / Subnet 不要。既存 NW との CIDR 重複回避や VPC エンドポイント構築も不要 △ 中。VPC / Subnet・CIDR 設計が必要。IoT Core / S3 用に VPC エンドポイントの構築が必要 × 大。VPC / Subnet・CIDR 設計に加え、DX Gateway + Transit Gateway の構築・VPC エンドポイントが必要
拡張性 ○ 拠点追加は Public VIF を追加。VPC 構成は不要なまま ○ 拠点追加は Private VIF を追加。CIDR 重複に都度注意が必要。 ◎ 複数 VPC への拡張は容易。ただし拠点追加用の Transit VIF は専用接続あたり最大 4 本まで。CIDR 重複に都度注意が必要。
コスト DX のポート時間料金とデータ転送料金(送信)のみ。追加リソースなし ①に加えて、IoT Core 用の Interface 型 VPC エンドポイント(時間課金+約 $0.01/GB) ①に加えて、VPC エンドポイントと Transit Gateway(アタッチメント約 $0.05〜0.07/時間+データ処理 $0.02/GB)

◎: 優れる / ○: 良い / △: やや劣る / ×: 劣る
※ DX のポート時間料金・データ転送(DTO)は VIF 種別によらず共通。コスト差は上表の「+」部分(追加リソース)に起因します。金額は東京リージョン概算(2026年6月時点)。


次回予告

  • Direct Connect Public VIF を使用する場合、「運用者による AWS から Shizen Box への SSH 通信」の実現が課題になります。Public VIF 接続はオンプレミス環境と AWS VPC を接続するわけではなく、あくまでパブリックサービスに接続する形のため、例えば AWS VPC に構築した EC2 の Bastion サーバから SSH でエッジ端末に接続することができません。
  • 次回、運用接続を AWS IoT secure tunneling と SSM Agent を比較して選定した事例をご紹介します。
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