用語の整理
このへんの用語をすぐに忘れてごちゃごちゃになるのでメモ。
pyenv
Pythonのバージョンを管理する。2系と3系の環境分けだけでなく、3.4と3.5の環境分けなども含む。
基本的には手動でバージョンを切り替えることになるが、特定のディレクトリに移動すると自動でバージョンを切り替えるようにする設定(pyenv local
) などもよく使われている。
virtualenv
Pythonのパッケージを管理する。Pythonそのもののバージョンは管理しない。
例えば、Django1.8 系を入れた環境と Django1.9系を入れた環境を分けたいときに使う。
pyenv-virtualenv
virtualenv を プラグインとして pyenv に組み込んだもの。→ Python のバージョンそのものの管理 + その中でパッケージの管理ができる。
使途の整理
2つの仮想環境の作り方(virtualenv系 と conda env系)
Pythonの仮想環境を作る場合、主にvertualenv
やconda env
で環境を作る場合が多い。
- ①pyenv + vertualenvで仮想環境を作る ・・・ pythonアプリなどを作るなど、自分の必要なパッケージを1つづつ自分でインストールしたい場合(科学計算用ライブラリなどが不要な場合 ex. numpyとかscipyとか)
-
②pyenv + condaで仮想環境を作る・・・ 科学計算用ライブラリなどが必要な場合。主にデータ分析環境用に作ると便利かも。condaを使ってパッケージのインストールなどを行うため、面倒な依存関係のものも勝手に集めてきてくれ、比較的簡単にインストールできる。特に分析系のパッケージは依存関係が面倒なものが多いので、よくわからない人はこちらが楽かもしれない。
(自分の知らないものがごちゃごちゃと勝手にインストールされるのが嫌だ!という人は、上記の pyenv+virtualenvで環境を作り、1つずつ自分でインストールする方が良さそう。)
ここでは、両方の場合ともPython3系の環境を作ることを想定しています。
共通作業
MacOSでのpyenvのインストール
$ brew install pyenv
MacOS以外でのインストール
$ git clone https://github.com/pyenv/pyenv.git ~/.pyenv
環境変数の設定(カーネルがbashの場合)
$ echo 'export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"' >> ~/.bashrc
$ echo 'export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc
$ echo 'eval "$(pyenv init -)"' >> ~/.bashrc
$ source ~/.bashrc
①pyenv + vertualenvで仮想環境を作る
pyenv-virtualenvのインストール
$ brew install pyenv-virtualenv
MacOS以外でのインストール
$ git clone https://github.com/pyenv/pyenv-virtualenv.git $(pyenv root)/plugins/pyenv-virtualenv
pyenv-virtualenvの環境設定
$ echo 'eval "$(pyenv virtualenv-init -)"' >> ~/.bashrc
$ echo export PYENV_VIRTUALENV_DISABLE_PROMPT=1 >> ~/.bashrc
$ source ~/.bashrc
これでpyenv-virtualenvのインストールは完了
(※注)pyenv を有効にするため、ここで再ログイン (もしくはシェルの再起動)をしたほうが安全。source
してもいいですが、一旦ログアウトしてしまうのが安全っぽいです。
pyenvでインストールできる環境一覧をみる
$ pyenv install -l
試しにpython3.x系インストールしてみる。上記で確認して出てきた 3.6.5 をインストールしてみる
$ pyenv install 3.6.5
ダウンロードできたか確認
$ pyenv versions
* system (set by /Users/ysdyt/.pyenv/version)
3.6.5
こうなってたらok
3.6.5の下にvirtualenvを作る
$ pyenv virtualenv 3.6.5 test #ここでは test が環境の名前となる
もう一度 pyenv versions
すると以下のようになっているはず。
* system (set by /Users/ysdyt/.pyenv/version)
3.6.5
3.6.5/envs/test
環境の切り替え
$ pyenv global 3.6.5/envs/test
pyenv versions
してアスタリスクの付く位置が変わっていたらok
system (set by /Users/ysdyt/.pyenv/version)
3.6.5
* 3.6.5/envs/test
確認
$ python3 -V # -> Python 3.6.5
システムのpython環境に戻る
$ pyenv global system
作ったvirtualenv環境を消す場合
$ pyenv uninstall 3.6.5/envs/test
pyenv global と pyenv local
$ pyenv global 3.6.5/envs/test
のように global
を使って環境を切り替えた場合、どのディレクトリに移動しても環境は3.6.5/envs/test
になります。
しかし、実用的には、「プロジェクトディレクトリ1の下にいるときは勝手にtest1という環境に切り替わってほしくて、プロジェクトディレクトリ2の下にいるときはtest2という環境に勝手に切り替わってほしい」というニーズがあります。(いちいちpyenv globalするのを忘れるときも多々あるし!)
そんなときに pyenv local
を使います。
「プロジェクトディレクトリ1」まで移動して、その下で pyenv local test1
とすると、「プロジェクトディレクトリ1」に移動したときだけ自動でtest1環境に切り替わってくれるよう設定されます。便利!
②pyenv + condaで仮想環境を作る
condaを使ってパッケージのインストールなどを行うため、面倒な依存関係のものも比較的簡単にインストールできる。特に分析系のパッケージは依存関係が面倒なものが多いので、こちらが楽かもしれない。(ごちゃごちゃ知らないものがインストールされるのが嫌だ!という人は、上記の pyenv+virtualenvで1つずつ自分でインストールする方が良さそう。)
pyenv install -l
でみつけた anaconda3系の環境をインストールする
$ pyenv install anaconda3-5.1.0
$ pyenv global anaconda3-5.1.0
でインストールした環境に切り替える。
system (set by /Users/ysdyt/.pyenv/version)
3.6.5
3.6.5/envs/test
* anaconda3-5.1.0
condaで仮想環境を作る
$ conda create -n test2 python=3.6.5 opencv
ここでは test2
が任意の環境名、python=3.6.5
がインストールしたいpythonのバージョン、opencv
がインストールしたいパッケージ。パッケージはスペース区切りで複数書いてもok
pyenv versions
で確認して、環境の一覧に入っていればok
system (set by /Users/ysdyt/.pyenv/version)
3.6.5
3.6.5/envs/test
* anaconda3-5.1.0
anaconda3-5.1.0/envs/test2
condaで作った環境に切り替える。
$ pyenv global anaconda3-5.1.0/envs/test2
pyenv versions
して、以下になっていればok
system (set by /Users/ysdyt/.pyenv/version)
3.6.5
3.6.5/envs/test
anaconda3-5.1.0
* anaconda3-5.1.0/envs/test2
condaの仮想環境も削除する場合は pyenv uninstall
する
$ pyenv uninstall anaconda3-5.1.0/envs/test2
condaでのパッケージインストールは
$ conda install hogehoge
でも$ pip install hogehoge
でもどちらでもok
(余談)
condaで作成した環境には pyenv global test2
以外にも conda activate test2
でも切り替えることができる。その場合、プロンプトの先頭に (test2) という文字列が追加されて、現在どこの環境にいるのか明示してくれる。
しかし、ややこしいことに、condaの環境に入った状態で pyenv vesions
しても現在いるconda環境に * がつかない。
condaの場合、conda env list
をすると現在どのcondaの仮想環境にいるのかを * 付きで教えてくれる。
なんだか面倒なので、pyenvでもcondaでも有効な pyenv global
で環境の切り替えを行えば良いと思う。
(もしかするとなにか間違ってるかもしれません...)