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私とシビックテック、これまでのふりかえり

Last updated at Posted at 2025-12-02

この記事は CivicTech & GovTech Advent Calendar 2025 の12月2日投稿用に書いたものです。
https://qiita.com/advent-calendar/2025/civictech

はじめに

CODE for GIFU の 安田です。
これまでQiitaのアドベントカレンダーをなんとなく眺めていましたが、今年は一念発起して参加することにしました。Qiitaで記事を書くことにも興味があり、今回が初投稿です。

テーマは 「私とシビックテック、これまでのふりかえり」。地域課題を解決するために技術を活かす「シビックテック」という考え方に出会ってから、私自身どんな経験をしてきたのかを振り返ります。

この記事が、同じように興味を持つ方に「こんな取り組み方もあるんだ」と感じてもらい、シビックテック活動に参加するきっかけになれば嬉しいです。

シビックテックとの出会い

私がシビックテックに出会ったのは、2018年ごろのことでした。当時、業務でIT系イベントを企画するようになり、ネットで関連情報を調べていたときに偶然目にしたのが、シビックテックに関する活動です。

「市民が主体となってテクノロジーを使い、地域課題を解決する」という考え方は、私にとってとても新鮮でした。それまでITは企業や専門家のものというイメージが強かったのですが、シビックテックはもっと身近で、誰でも参加できる取り組みだと感じました。

それから様々なイベントに参加し、多くの方と知り合うことができました。

最初の活動と広がり、CODE for GIFUのコアメンバーとなるまで

この振り返りのために、過去のカレンダーを確認してみました。

最初の一歩は、2019年ごろに参加した Code for Aichiゲーム部の活動や、伝説的に語られる某TV局ハッカソンでした。名城大学Shakeでのイベントなど、懐かしい思い出が蘇ります。

このころはまだ「自分が何かをやる」というより、ただの参加者として勉強会やイベントに顔を出し、新しい知見や人とのつながりが増えていくのが楽しかったです。

その後、様々なイベントに参加して経験を積み、2021年ごろから「CODE forのメンバーになってみようかな?」と思い始め、2022年より CODE for GIFUのコアメンバーとなりました。

なぜCODE for GIFUだったのか?

名古屋を拠点とする私が、なぜ岐阜のメンバーになったのか?そこには理由があります。

詳細な記録は残っていませんが、CODE for GIFUとの最初のつながりは2019年9月21日、メディコスで開催された「町中で星空を撮ってみるかい?」というイベントでした。あいにく天気が悪く撮影はできませんでしたが、星空の話をたくさんした記憶があります。ITだけでなく、様々な趣味を持つ人たちと一緒に楽しめる雰囲気がとても印象的でした。

そして、ITとは無関係に見える編み物をやっている人までいる…(笑)

この自由奔放さに惹かれたのだと思います。

その後、2020年は世界的感染症の流行でリアルイベントがなくなり、一時的に空白期間となりましたが、2021年から再びリアルイベントが再開され、UDC(アーバンデータチャレンジ)の活動が始まりました。これが本格的なシビックテック活動に踏み込むきっかけとなります。

※UDCについては本記事末の関連リンクをご参照ください。

UDCでの挑戦(IT✕伝統産業)

2021年からUDCに参加しました。テーマは 「IT ✕ 伝統産業」。岐阜の伝統産業である美濃焼を、ITの力でPRすることに取り組みました。これは2022年まで続いた2年間のプロジェクトです。

美濃焼は歴史ある産業ですが、若い世代への認知度や販路拡大には課題があります。そこで、オープンデータやWeb技術を活用し、窯元やオンラインショップをVRで展開するシステムや、ロゲイニングと組み合わせた地域発信イベントを企画しました。

このプロジェクトを通じて、「自分たちで考え、工夫し、形に残す」ことの面白さを実感しました。そして、このタイミングで、2022年からCODE for GIFUのコアメンバーとして活動を始めました。

IT✕伝統文化への挑戦

2023年と2024年は、テーマを 「IT✕伝統文化」とし、地域に残る無形文化財をデジタルでアーカイブする活動に取り組みました。

伝統文化は、形ある産業以上に記録が難しく、後世に残す仕組みが不足していると考えました。そこで、動画や写真、テキストを組み合わせて、地域の祭りや伝統芸能をオンラインで見られる仕組みがあったら良いのにと思ったのがきっかけでした。

ここで大きな学びがありました。私は「データは公開すべきもの」という固定観念を持っていましたが、調査を進める中で、地域の祭りには「地元の交流を目的とするもの」が多く、公開を望まれないケースもあることを知りました。

「オープンにすることが必ずしも良いことではない」という気づきは、私にとって非常に大きな学びでした。

現在の取り組み

CODE for GIFUでは「各々がやりたいことをやる」というスタイルが基本です。その中で、私は「ものづくり部」を立ち上げ、「なにか作ってみたい」という気持ちを持つ方々と一緒に、アイデアを形にする活動を進めています。

2025年のUDCでは、BODIK APIを使ったアプリ開発に挑戦中です。BODIKのデータを表示するアプリを作りながら、オープンデータの現状や課題、そして今後どうあるべきかを考えるようになりました。今年度のUDCの活動は、これまでで最も充実したものになりそうです。

※BODIKおよびBODIK APIについては本記事末の関連リンクをご参照ください。

学びと気づき

シビックテックを通じて強く感じるのは、「技術は手段であり、目的は課題解決」ということです。最初は「なにか作りたい」という気持ちだけでしたが、活動を重ねる中で「誰のために、何を解決するのか」を考えるようになりました。

また、オープンデータは公開するだけでは意味がなく、使いやすさや利便性が伴って初めて価値になることを学びました。さらに、コミュニティの力も大きいと感じます。シビックテックやUDCで出会った仲間との協力は、技術以上の価値を与えてくれています。

まとめ

2018年からシビックテックに関わってきたとすれば、今年で8年目。長いようで短い時間でした。

まだ「シビックテックとは何か」を完全に理解できているとは思いませんが、今の私がまとめるなら、「シビックテックとは、仲間を増やす場所」ではないかと思っています。

一人ではできないことも、仲間とならできる。そんな不思議な力がシビックテックにはあります。もし、何か解決したいことがあって悩んでいるなら、シビックテックの世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。

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