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Staticルート

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**Staticルート(スタティックルート)**とは、ネットワーク機器(ルータやレイヤー3スイッチ)において、手動で設定された固定的な経路情報を指します。動的ルーティングプロトコルを使わず、管理者が明示的に宛先ネットワークとその経路を指定します。


Staticルートの特徴

  1. 手動設定
    管理者が特定の宛先ネットワークに対する経路を明示的に設定します。自動的に更新されないため、ネットワーク構成が変更された際には手動で修正が必要です。

  2. シンプルでリソース効率が高い

    • 動的ルーティングプロトコル(例:OSPFやBGP)に比べ、プロトコルの計算や通信が不要なため、ルータの負荷が少なくて済みます。
    • 小規模ネットワークや、経路が明確で固定的な環境に適しています。
  3. 信頼性
    手動設定なので、不必要なルートが広告される心配がありませんが、冗長性が低い場合は障害時に経路が切れるリスクがあります。

  4. 運用負荷
    ネットワークが複雑になると、Staticルートの管理が煩雑になり、運用が難しくなります。


Staticルートの設定例

例1: Ciscoルータの場合

ip route 192.168.1.0 255.255.255.0 10.0.0.1
  • 192.168.1.0/24 への宛先ネットワークに対し、ネクストホップ(次にパケットを送る場所)を 10.0.0.1 に設定。

例2: Linuxの場合

sudo ip route add 192.168.1.0/24 via 10.0.0.1 dev eth0
  • 192.168.1.0/24 宛ての通信を、10.0.0.1 を経由し、eth0 インターフェースから送信。

Staticルートの用途

  1. 小規模ネットワーク
    固定的な通信経路がある場合に利用。

  2. バックアップ経路
    動的ルーティングの代替経路や、特定の通信のみ優先的に利用させる用途。

  3. 特定の通信制御
    特定のトラフィックを特定の経路に流したい場合や、セキュリティのために経路を限定する際に活用。


Staticルートの注意点

  1. 冗長性が低い
    障害時に自動で他の経路へ切り替える機能がない(動的ルーティングと異なる点)。

  2. スケーラビリティ
    大規模なネットワークでは設定や運用が複雑になり、管理が困難。

  3. 手動変更が必要
    ネットワーク構成が変わるたびに、設定を手動で更新する必要があります。


まとめ

Staticルートは、ネットワーク構成が単純で安定している場合に有効です。ただし、柔軟性や自動化を求める場合は、動的ルーティングプロトコルと組み合わせて利用するのが一般的です。

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