1️⃣ 前提:STS エンドポイントの種類
STS には 2 種類のエンドポイントがあります。
-
グローバルエンドポイント
https://sts.amazonaws.com -
リージョンエンドポイント
https://sts.<region>.amazonaws.com
例:https://sts.ap-northeast-1.amazonaws.com
2️⃣ グローバルエンドポイント動作モード
概要
- すべての STS API 呼び出しを
sts.amazonaws.com に集約 - 実体としては us-east-1 で処理
特徴
- 古い AWS SDK / CLI との互換性が高い
- リージョン指定を意識しなくてよい
- us-east-1 障害時の影響を受けやすい
メリット / デメリット
メリット
- 設定が簡単
- 既存システムの変更が最小
デメリット
- 単一リージョン依存
- レイテンシが高くなりがち
- セキュリティ統制が弱い(リージョン制御不可)
3️⃣ リージョン互換モード(リージョンエンドポイント)
概要
- STS API を 各リージョンのエンドポイントで処理
- 利用リージョンに応じて明示的に指定
特徴
- 高可用性
- 低レイテンシ
- リージョン単位の制御が可能
メリット / デメリット
メリット
- 障害影響の局所化
- VPC エンドポイント(PrivateLink)利用可
- セキュリティ・監査要件に強い
デメリット
- SDK / CLI でリージョン指定が必要
- 古いツールでは非対応の場合あり
4️⃣ 両者の比較
| 観点 | グローバル動作モード | リージョン互換モード |
|---|---|---|
| エンドポイント | sts.amazonaws.com | sts..amazonaws.com |
| 実行リージョン | us-east-1 固定 | 各リージョン |
| 可用性 | 低め | 高い |
| レイテンシ | 高め | 低い |
| VPC エンドポイント | ❌ | ✅ |
| 推奨度 | 旧方式 | 現在の推奨 |
5️⃣ AWS の推奨
AWS は **リージョン互換モード(リージョンエンドポイント)**の利用を推奨しています。
理由:
- 可用性・セキュリティ向上
- 災害影響範囲の限定
- Zero Trust / Private 接続対応
6️⃣ 設定例
AWS CLI
aws configure set sts_regional_endpoints regional
環境変数
export AWS_STS_REGIONAL_ENDPOINTS=regional
7️⃣ 一言まとめ(設計書向け)
STS はグローバルエンドポイントではなく、リージョンエンドポイント(リージョン互換モード)の利用を標準とする。