AWS RDS（Relational Database Service）の拡張モニタリング（Enhanced Monitoring）とは、RDSインスタンスのOSレベルのメトリクスをリアルタイムに収集・表示する機能です。通常のCloudWatchモニタリングよりも詳細かつ高頻度の情報が得られます。
✅ 主な特徴
| 項目 |
内容 |
| 🔍 取得範囲 |
CPU、メモリ、ディスクI/O、ネットワーク、プロセスなど「OSレベル」の詳細情報 |
| 📈 取得間隔 |
1秒～60秒の範囲で指定可能（CloudWatchは最小1分） |
| 🧠 監視対象 |
DBインスタンスの仮想マシン（ホストOS）で実行されているプロセス情報も含む |
| 💾 出力先 |
CloudWatch Logs（ロググループ）にJSON形式で出力される |
| 🛠️ 有効化 |
RDSインスタンスの「拡張モニタリング」設定でONにするだけ（再起動不要） |
🧪 CloudWatchとの違い
| 比較項目 |
CloudWatch（標準） |
拡張モニタリング |
| 粒度 |
最小1分 |
最小1秒 |
| 情報範囲 |
DBの論理状態（CPU使用率、ストレージ使用量など） |
OSレベルのリソース詳細、プロセス単位情報 |
| 出力先 |
CloudWatch |
CloudWatch Logs |
| 料金 |
無料（基本） |
CloudWatch Logsの出力量に応じて課金 |
📊 取得できる具体的メトリクス例
- CPU使用率（システム、ユーザ、アイドル）
- メモリ使用量（実メモリ、スワップ）
- ディスクIO（読み書きバイト数・IOPS）
- ネットワーク帯域
- プロセス一覧（MySQL, PostgreSQLなどのプロセス単位負荷）
- OSスレッド数やファイルディスクリプタ使用量
🧰 有効化方法（マネジメントコンソール例）
- RDSインスタンスの設定画面へ
- 「モニタリング」タブを開く
- 「拡張モニタリング」→ 有効化
- モニタリング間隔（例：1秒、5秒、60秒）を選択
- IAMロール（
rds-monitoring-roleなど）を指定または自動作成
💰 コストに注意
- 拡張モニタリング自体は無料ですが、出力されるデータはCloudWatch Logsの課金対象になります。
- 例えば1秒間隔で設定すると大量のログが出力され、費用がかさむことがあります。
- 通常は 5秒または10秒間隔 がバランス良好。
✅ まとめ
| 項目 |
内容 |
| 機能名 |
Enhanced Monitoring（拡張モニタリング） |
| 目的 |
OSレベルの詳細な監視 |
| 利点 |
高速・高解像度、プロセス単位で分析可能 |
| 欠点 |
CloudWatch Logs費用が発生する |
| 推奨用途 |
パフォーマンスボトルネック調査、CPUスパイク分析、詳細チューニング前の確認など |
