はじめに
KDDI Engineer & Designer Advent Calendar 2024 で、1日目の記事を担当します @youtoy です。
「社内の担務によらず参加OK、仕事絡みの話でなくても可」という自社のアドベントカレンダーに、また今年も記事を書いてみます。
昨年は、他の方とあまり重複しなそうで、なおかつ自分らしさが出る内容を書こうと思い、以下の 2つの記事を書いていました。
- KDDI Engineer & Designer Advent Calendar 2023 に登録した記事
今回の内容の方向性
今回も、昨年のような自分の活動の特徴などが出そうな、プライベートで取り組んでいる技術系の活動(技術コミュニティ活動やモノ作りに関わる活動)に関する内容を書こうと思います
2024年1月から12月までの期間での話で、いくつかの特定の内容に関する活動をピックアップして記事にしてみます。 ← 書いてみた結果、今年 1年の活動の一部を雑多に振り返ってみた、という感じになったかも。
今回の記事のトピックの補足
今回の記事では、2024年の自分の個人活動の一部に焦点をあてた内容を書いています。
その具体的な内容は、タイトルにも書いている以下に関わるものです。
- 小さな子どもから大人まで楽しめる、技術を使ったモノ作り・体験型展示の話
- 技術に関わる個人活動での多様な人とのつながりや、得られた機会・経験の話
本編1:小さな子どもから大人まで楽しめる、技術を使ったモノ作り・体験型展示
まずは、「小さな子どもから大人まで楽しめる体験型展示」について書いてみます。
2024年に行った展示イベントで、作品を体験してもらってる実例を以下などで示しつつ、さらに説明なども書いてみます。
メーカーフェアやガジェット体験の展示イベントなどに、自分が作った体験型の作品を出展して、非常に多くの方に体験してもらったものについてです。
「小さな子どもから大人まで楽しめる」という部分
自分が個人でのモノ作り活動をする中で、必須の要素として入れこむ内容の 1つに「小さな子どもから大人まで楽しめる」というものがあります。
例えば、「2〜3歳の小さな子でも体験できる、内容が理解しやすい」「それを大人も楽しんでもらえる/興味を持ってもらえる」といったことを意識して、作品作りをしています。
体験型展示の事例
2024年は、「子どもから大人まで幅広い年齢層が参加する展示イベントへの出展」などを行いました。その他に、個人宛の依頼で「子ども向けイベントへの作品出展依頼」「技術を学びに来た中高生が楽しめる技術展示の依頼」をもらったことが何度かあり、それらも対応しました。
その例の一部を掲載しつつ、作品作りに使った技術の部分の補足なども書いてみます。
那須での子ども向けイベント
最初は、「那須で子どもが楽しめる、ガジェット絡みの展示イベントをやりたい」という主催者の方の想いから開催された、「DGであそぼ」というイベントについてです。
そのイベント 2回ともに自分が出展申し込みをして、作品を展示しました。
展示作品のうちの 1つは、既に上に動画を掲載している作品です。動画を見ていただくと、長机にぎりぎり背が届くくらいの小さな子から小学生くらいの子まで、来場した様々な年齢層の子ども達に楽しんでもらえました(また、一緒に来られていた保護者の方にも、体験していただけました)。
それ以外に 2つの作品も出展していて、第1回目のイベントに以下を出していました。
これらも、来場した子ども達や保護者の方に、ワイワイ楽しそうな様子で体験いただけました。
こういった反応をたくさんもらえて、次の作品作りをする原動力を得ることができました!
大垣でのモノ作り系展示イベント
次に、岐阜の大垣で開催されたミニメーカーフェアというイベントに展示をした話です。この時には、愛知県に住む多数の知人・友人(※ 個人の技術コミュニティ滑動つながりの方々)も来訪してくれました。
例えば以下のポストで、自分の展示をご家族で体験いただいた時の写真を掲載いただいてます(4枚あるうちの、3枚目の写真)。
矢吹町での子ども向けイベント
その他、自分が行っている子ども向けのプログラミングサポート活動(CoderDojo関連の活動)のつながりから展示の依頼をもらった話で、福島の矢吹町での子ども向けイベントでも作品展示を行いました。
こちらでも、来場した子ども達や一緒に来られた保護者の方に、ワクワクな体験を届けられたと思います。
展示した作品の技術などについて
これらのイベントで出していた作品は合計3つありました。
それらの具体的な内容・利用した技術などを、以下で書いてみます。
■ 1)音を奏でてロボットを動かす
概要: ダイソーで買った 2種類のベルを鳴らすと、その音色などによって小さなロボット「toio」が異なる動きをする Webアプリ
⇒ 使った技術は、Googleさんの AI・機械学習の仕組みの 1つである「Teachable Machine」を使った音の分類、およびブラウザの Web Bluetooth API を使った仕組みでの toio の制御など
■ 2)透明マント・光学迷彩を体験できる Webアプリ
概要: カメラに手をかざすだけで透明マント・光学迷彩的なエフェクトを体験できる Webアプリ
⇒ 使った技術は、Googleさんの AI・機械学習の仕組みの 1つである「MediaPipe の JavaScript版(その中の、手のキーポイント検出)」と、p5.js を使った Canvas要素への描画など
※ 以下のポストは、2023年のモノ作り系展示イベントに同じ作品を出していた時、モノ作り活動でよくご一緒する方にポストいただた動画
■ 3)ダイソーの空気ポンプや太鼓の達人用コントローラーでロボットを動かす
概要: ダイソーの空気ポンプを押したり、Nintendo Switch用の太鼓の達人用コントローラーを叩くと小さなロボット「toio」が動く Webアプリ
⇒ 利用技術は、空気ポンプ周りで Web Audio API による音の処理(+マイクでのセンシング)や、太鼓の達人用コントローラーの入力を扱う Gamepad API
上記のどれも、「音を鳴らすだけ」「手をかざすだけ」「太鼓を叩くだけ」など、小さい子でもできるシンプルな入力方法になっています。そして、その入力に対して得られる出力結果も「ロボットが異なる動きをする」「画面にうつった一部が透明になる(ように見える)」といったような、すぐに理解しやすいものにしています。
そして展示を体験いただいた子どもから大人まで、たくさんの方の反応から「不思議さ」や「楽しさ」「驚き」などを感じていただけた感じで、技術を使った楽しい体験作り・モノづくりというのを見ていただけたように思います。
北海道の美唄での展示
以前から関わりのあるイトナブ石巻さんからの依頼で、遠方での出張展示を行いました。
1つは、子どもたちがプログラミングを学べる「PITAAAN」という場所(北海道の美唄に新規オープンした場所)のオープニングイベントでの展示です。
上で書いた楽しい体験を、遠く北海道の美唄の子ども達に届けることができた機会でした。
愛知県の名古屋での展示
もう 1つは、中高生が AIプログラミング体験などを行うイベントでの展示です。
このイベントは 1日あたりの定員が 130名という規模感で、タイムスケジュールは以下となっていました。その中の赤い四角の「ガジェット体験]の部分で、複数グループに分かれて入れ替わって訪れる中高生のグループに、ひたすらデモ・説明などを行っていました。
技術に関して初心者の方や、技術を使った経験のある中高生が混在していた状況でしたが、そういったスキル・経験によらず、フルカラーLEDテープやロボットの制御(有線/無線での制御)や AI・機械学習を使ったモノづくりの事例を楽しんでもらえました。
技術に興味を持っている中高生が来ていたイベントなので、作品について技術面や仕組みの部分など、非常にたくさんの質問をもらえたりもしました。
本編2:執筆関連のアウトプットをする機会
次に、技術系の記事執筆の機会などをいただけた話です。これまでも書籍の出版や技術雑誌への記事の寄稿などを行ってきたのですが、今年も何度かそのような機会に恵まれました。
技術系月刊誌への寄稿
1つは、2年前に単著の技術書を出させてもらったことがある出版社さん(工学社さん)からの依頼案件です。今年は合計2回、月刊誌での記事執筆の依頼をもらい、それぞれ寄稿させていただきました。
2つの記事の中が何の技術に関するものだったかを、少し補足します。
Babylon.js の新バージョンに関する記事執筆
1つは、Microsoftさんのオープンソースの 3D系描画ライブラリ「Babylon.js」に関するものです。毎年メジャーバージョンアップが行われるのですが、その新バージョンについての記事を書かせていただきました。
1年前にも、メジャーバージョンアップに関連した記事執筆の依頼をもらい寄稿したのですが、また今回もこのような機会をいただけて嬉しかったです。
toio をブラウザから制御する技術に関する記事執筆
もう1つは、体験型展示の作品を作る際にも使っていた、小さなロボットの toio についてです。その toio をブラウザから制御する技術の話に関する記事を書きました。
toio を使った記事執筆の依頼をもらい、こちらで複数の内容案を提示した中で、この内容で記事を書かせていただきました。
技術書典への出展2回と商業誌出版
今年は Babylon.js勉強会というコミュニティのメンバーと、技術書典に 2回本を出しました。
自分の担当部分ではそれぞれ、「パーティクル描画」「イージングによる動きの処理」に関する内容を書いています。また、2回ともオフライン開催のイベントでは、展示ブース対応も行いました。
そして上記の 1つ目のほうで出した本は、インプレスさんの NextPublishing から出版されたりもしました。
Babylon.js の技術コミュニティの方と執筆や出展準備に関するやりとりを継続に行いつつ、出展の対応もしたのは、大変な部分も多くありつつも楽しい活動でした。
また次回以降も、継続してコミュニティの皆様とやっていければと思っています!
事例3: モノ作り関連のイベントの審査員
今年、モノ作り関連のイベントに関する審査員の依頼をいくつかいただき、対応させていただきました。
マウザーアワード
1つは、昨年も依頼をもらった「マウザーアワード」というコンテストの審査員です。このコンテストは、おおまかに言うと電子工作が絡む作品に関するコンテストです。
そのコンテストで、モノ作り界隈でよくご一緒する皆さまと 1次審査の対応をさせていただきました。
1次審査は全件審査だったため、モノ作り界隈の様々な方が応募されたアイデアや技術力に富んだたくさんの作品を見る機会となりました。今回応募された作品は、以下に一覧が掲載されています。
●Mouser Make Awards 2024の作品一覧 | ProtoPedia
https://protopedia.net/event/mouser-awards-2024
↓こちらは、決勝大会で受賞されてメーカーフェア東京で展示をされた応募者の皆さまや、1次審査・決勝審査を担当したメンバーなど関係者で撮った集合写真です。
楽しい作品をたくさん見られて、それに関わる方々と交流もでき、大変素敵な機会を得ることができました。
ワンダーメイクフェス
子ども向けのプログラミング・モノ作りの教室などを展開されている LITALICOワンダーさんが、教室に通うお子さんの発表・展示イベント「ワンダーメイクフェス」を定期的に開催されています。
そのワンダーメイクフェスについて、2018年から継続的に審査員の依頼をいただいていて、2024年も 2月と9月に 2日間ずつ対応させていただきました。
自分が依頼をいただく内容は、未就学の子から高校生までと幅広いクリエーターさんの展示・プレゼン発表になります。そこでは、Scratch などを使ったゲーム開発・LEGO を使ったロボット作りに関する内容、また 3Dプリンタを使ったデジタルファブリケーションの要素を含んだ作品の担当をさせていただくことが多いです。
毎回、発表される作品がバリエーションに富んでいて、どれも強い想いがぎっしり詰まった作品であるため、上で書いたようなモノ作りをする立場で見ても、すごく良い刺激をもらえる機会になっていてありがたいです。
事例4: 子ども向けワークショップスタッフ
モノ作り系の展示イベントの「メーカーフェア東京」に継続的に出展者側で出ていて、自分が作った作品を展示することもあれば、それとは違った方向で、子ども向けワークショップスタッフとして出ることもあります。
今年は、「子どもプログラミング喫茶」という子ども向けワークショップスタッフで参加しました。
以下は、そのスタッフ側をやったメンバーでの集合写真なのですが、下は小学生から上は自分より年上の方までと、幅広い年齢層のメンバーで 2日間のワークショップを行っていきました。
子どもプログラミング喫茶は、そういった多様なメンバーで活動できる貴重な機会になっています。
さらに、そのワークショップに来場した子達の嬉しそうな笑顔に元気をもらえたりもする素敵な機会でもあります。
また今回は、技術コミュニティつながりの方や会社の同僚が、親子で来ていただきワークショップに参加いただくということもありました。
余談ですが、今年の京都で開催されたメーカーフェアでは、主催者の公式ニュースレターに自分が活動している様子が掲載されたりもしました(子どもプログラミング喫茶で、過去に自分が対応した時の写真が、イベントの事前予告で使われていました)。
公式のお知らせに出ていて、ビックリしつつ嬉しい話でした。
事例5: 書籍を活用いただいた話
上でも少し触れた工学社さんから出版した単著の技術書について、ワークショップなどで活用するために購入いただいたという話が複数ありました。
出版から2年ちょっとの時間が経過していますが、以下のようにワークショップの準備に使っていただいたという話をポストいただけたりもしていました。
他にも学校の先生をしている方から活用しているというコメントをもらったり、出版した本が実際に活用されたという声をもらえるのは、とても嬉しい話でした。
その他の活動、おわりに
上に書いたもの以外にも、今年はぱっと思いつくだけでも、以下のような活動も行っていました。しかし、これらについて触れていくと書きたいことが多く出てきすぎるため、この記事では省略します。
- グローバルなコンテストに挑む中学生チームの技術メンター
- 石巻で開催されたハッカソンへの参加
- 技術コミュニティでのイベント共同主催
- 技術コミュニティでのセッション登壇・LT登壇
- モノ作り系のコンテストへの作品応募
- モノ作り系のコンテストのサポーター
- Qiita や SNS等での技術情報の発信
- 子ども向けのプログラミングサポート活動
今後について
今年もまた技術に関わる活動で、本当にたくさんの楽しい機会やつながり、様々な経験を得ることができました!
普段の仕事とは全く異なる方向のものが多いのもあり、そういった点でも貴重な機会になっていると感じています。
来年以降も引き続き、このような活動を様々行っていければと思っています!