この記事は、「R言語 Advent Calendar 2024」の 12日目の記事です。
はじめに
今回の記事のメインの話は、以下の WebR の REPL環境についてです。
https://webr.r-wasm.org/latest/
情報源
今回扱う WebR関連の情報源は以下です。
●ブラウザで動くR、WebRが熱い!
https://zenn.dev/eitsupi/articles/webr-is-2023
どうやら WebAssembly を使って、ブラウザで R の処理を行えるようにしたもののようです。
とある環境で、諸事情により R がインストールできず(ポリシー的な要因で)、そしてクラウドサービスで R が使えるものも NG というところで処理したいデータがあったのですが、「これは活用できるかも!?」と思って試しました。
サクッと試す
それでは、冒頭で掲載していた WebR の REPL環境を使って、R言語の処理をブラウザ上で行ってみます。
まずは R に関する記事を検索して、そこで出てくる処理自体はシンプルなものを試してみます。
試した内容と、参照した元情報は以下になります。
score=c(57, 67, 23, 50, 52, 51, 48, 49, 54, 44, 31, 53, 40, 60)
shapiro.test(score)
●R統計検定1(2群の平均値の差の検定) - Qiita
https://qiita.com/sakutoy/items/58fb952b99f0abd9a250
ちなみに上記の内容は、「データが正規分布に従うかどうか」を確かめられる「シャピロ・ウィルク検定」です。
処理結果
それでは、WebR の REPL の環境で、左上の部分にコードを貼り付けて、そして実行用のボタンを押してみます。
実行結果は以下のとおりで、検定統計量を示す W と p値のそれぞれが計算されることが確かめられました。
出力された値は、元記事で R で算出していたものと同じでした。
さらなるお試し
さらに、R で使いそうな処理を試してみます。
次は、以下にあるものから 1つ選んでみました。
●統計検定のまとめブログ
https://data-science.gr.jp/
RによるF検定を選んでみました。
処理結果
実際に実行してみた結果は以下のとおりです。
こちらも、元記事が R を使って求めた結果と一致しています。
おわりに
とりあえずのお試しでしたが、2つの検定をブラウザ上で実行できることが確認できました。
この他に CSVファイルを用意して処理をするとか、もっと複雑なものを試してみたりなど、お試しをできればと思います。
その他の関連メモ
今回使った WebR は、ライブラリとして読み込んで、自前の JavaScript の処理と組み合わせることもできそうです。
それに関連しそうな内容を、ざっくりと掲載してみます。
JavaScript の処理との組み合わせ
●How to run R code in the browser with webR – Notes from a data witch
https://blog.djnavarro.net/posts/2023-04-09_webr/
CDN やダウンロードパッケージ
●webr CDN by jsDelivr - A CDN for npm and GitHub
https://www.jsdelivr.com/package/npm/webr
●Downloading WebR – WebR - R in the Browser
https://docs.r-wasm.org/webr/latest/downloading.html
●Downloading WebR ? WebR - R in the Browser
https://docs.r-wasm.org/webr/latest/downloading.html