AWS Jam体験会をふまえて、社内展開を行いましたので、そのノウハウについて記しておきます。
AWS Jamについては前回の記事を参考にしてください。
参加者はSkill Builderのライセンスを持っている人が対象となりますが、個人で購入したものではなく、企業単位で購入するなどして、企業のテナント内で管理されているライセンスが必要となります。それゆえ、誰しも参加できるわけでなく、かつテナント内でというのが参加のハードルを上げてしまうことになります。将来的に、他のハンズオンと同様にJamやGame Dayの開催ができるようになることを強く希望します。
事前準備
企画書の作成
『AWS Jam Onboarding Guide』を参考にして企画立案を行います。
- ユースケースとプランニング
今回は以下のようにしました。- 目的:AWS知識の習熟度見極めと今後のスキルアップ
- 人選:SAAを取得したが実案件はまだの人、AWS案件に配属されているが経験が少ない人
- チーム編成:1チーム4名以内(事前に指定)
- チャレンジ選定:Skill Builderのコンテンツから選定
- 実施形態:モブプロで実施
- チャレンジ解説:メンターが解説する
- ふりかえり、フォローアップ:情報紹介程度
- 効果測定:実施後のアンケートにより測定
- Exit先:Jam結果に応じた追加学習、認定取得、案件への参画へとつながる
- 開催日時場所
- 会場:オフライン開催のため、集客数が入れる会場を確保(今回は社内会場)
- 設備:テーブル、WiFi、ホワイトボード、モニターなどがあればよい
- 実施形態:オフライン形式での実施
- ファシリテーター、チューター、サポーターを選定
- チーム数は集客に依存するが1チーム3~4名を想定
- 工数見込み
- 必要な工数を見込んでおく
- チャレンジ選定
- 想定参加者にマッチするようなチャレンジをSkill Builderから選定
- タイムスケジュール
- おおよその時間割を決めておきます
- チャレンジにかける時間は最低でも3時間は確保しておくと良いです
AWSさんサポート
今回は初開催ということもあり、Jam実施に向けたポイントを事前にレクチャーいただきました。感謝!素振りは重要です!おすすめシナリオの選定や当日サポートもお願いしておくとよいと思います。
チャレンジ選定
Skill BuilderにいくつかあるJamコンテンツから実施するものをチョイスします。コンテンツごとに何をフォーカスしているかテーマがあります。また、Jamのイベント作成時にJamコンテンツの中にあるチャレンジをピックアップして組み合わせることも可能です。参加者のスキルレベルに合わせて、EAST/MIDDLE/HARDの組み合わせを考慮するとよいと思います。分からなければ、Skill Builderデフォルトの組み合わせで実施するでよいと思います。
イベント作成
ここが一番のネックでした。イベントオーナーやファシリテーターにはSkill Builder管理者権限が必要ということで、ここはAWSさんと相談しながら進めました。
- イベントは14日前からテストイベントが開始可能(テストイベントでドライランを実施)
- 14日より前にドライランするなら、イベントをコピーしてテストイベントを作成
運営メンバーの選出
講師役となるメンバーを選出(事前のドライラン、チャレンジの選定、当日の準備やチューターなどを担当)します。当日は参加者へのレクチャーもありうるためSAP取得者などを中心に選定します。
集客
全社への通知など、文面を作成して発信します。遅くとも2週間前までに集客を開始しておくとよいです。
Skill Builder保有者が対象となるため集客は結構苦労しました。全社通知をはじめ、各所の協力をあおいで集客をしましたが、オフラインということもあり、初回の集客は20名弱という結果でした。
アンケート作成
事後アンケートを作成します(所属、時間の過不足、満足度、難易度、感想・意見、次回のテーマ、コメントなど)。
次回につながるようなアンケートを盛り込んでおくとよいでしょう。
ドライラン
当日開催に向けてテストイベントを利用してドライランを行っておきます。ひっかかりそうなポイントなどはメモしておくとよいです。このあたりは通常のハンズオンと同じです。
チーム分け
参加希望者のチーム分けを行い、メンバーリストを作成、印刷しておきます。
事前にスキルをヒアリングしておき、それをもとに分散させてもよいです。
資料作成
オープニング、実施中、クロージングのための資料を作成しておきます。
当日
9:00スタート、12:00終わりという結構タイトなスケジュールでの開催です。
会議室の都合、午後から re:Cap があるなどの制約があったため短めのセッティングとなりました。時間的に余裕は持たせたほうがいいので、午後いっぱいなどにしたほうがよいと思います。
デスクやディスプレイのセッティング、珈琲の準備などあるため、準備は8:30スタートです。
オープニング(9:00-9:30)
9:00から開始です。Jamの概要やルールの説明など、すべて説明しようとすると軽く30分以上かかってしまうので、ポイントだけおさえて説明することにします。おおよそチュートリアルで20分くらいでしょうか。
実施中(9:30-11:30)
最初のチャレンジは難易度的には簡単だったものの、コツを掴むまでは最初は苦労するかなと思ったとおり、Jamのクセというか何をどうしなければならないのかを把握するのに時間がかかったようです。それ以降は、チーム内でディスカッション、白熱した議論も始まりいい感じで進行していきました。
投影した画面に、スコアを表示しながら進めていくことで各チームの競争を煽っていきます。私はMCやっていたのですが、適当にしゃべっていたら、「うるさいです」と軽くクレームが入ってしまいました。マイクパフォーマンスは控え目がよいでしょう。
当日は、AWSさんにもテーブルに付いていただき、ちょこっとしたヒントを示していただくなどご協力もいただきました。
終盤 11:15 くらいから、順位表を隠して各自ラストスパートしてもらいます。
クロージング(11:30-12:00)
みなが詰まったであろうチャレンジに対して簡単な解説を行い、クロージングを行います。
最後はお楽しみの結果発表と表彰です。今回5チーム編成で、1位のチームには、プレゼントを渡しました。
アンケート
各自簡単にふりかえってもらってアンケート回答をお願いして終了です。
ふりかえり
実施に関しては、事前準備を入念に行ったおかげか、トラブルもなく終りを迎えることができました。
参加者にアンケートを実施、実際の声は以下のような前向きな結果となりました。
- 今回のような実践的な学習内容があれば次回も是非参加したいと思います。個人的には、普段使うとこが少ないストレージ系サービスのハンズオン、問題解決などがあれば是非参加したいです。
- まだまだ未経験や初心者が多いので、そういった方が参加できるようなイベントがあると周りを誘いやすいので、そういったイベントがあると助かります。
- 今日のような問題は難易度的にもちょうどよかったのでまた同じようなものをやりたいです。
- 実際に手を動かすことの重要性を学びました。次も強く参加希望です!
- 楽しさと悔しさをどっちも与えてくれる良いイベントだったと思います。
- 実際にトラブルシューティングを実施する経験がなかったため、非常に楽しかったです。また、自分の力量不足を感じることができ、これからのモチベーションに繋がりました。
二回目以降の開催については、オンラインでの開催について検討しています。
今後は継続実施していくことで、社内のスキルアップ施策として開催できればと思っています。
まとめ
AWS Jam 実施のノウハウについて書いてみました。JamやGame Dayは実践的なスキルアップのための優秀なコンテンツですので、今後社内で開催される方の参考になれば幸いです。